2021年10月のApple製品発表会で、AirPods 無印の第3世代として、AirPods 3が発表されました。
早速購入の上、利用してみましたのでレビューをお届けします。
ワイヤレスイヤホンは、普段カナル式のイヤホンを利用していたので、インナーイヤー型(開放型)のイヤホンは久しぶりに利用しました。
開放型・ノイズキャンセリングがないことで、音への没入感があるかどうかが不安でしたが、AirPods 3の音質はかなり向上しており、かつ装着感も軽快で素晴らしい製品だと思いました!
ということで今回は、AirPods 3のレビュー記事を掲載していきます。
もくじ
AirPods 3の外観
まずは、AirPods 3の外観を見ていきましょう。


イヤホンは開放型となっており、ここがAirPods Proと最も異なる部分です。


イヤホン本体は、AirPods Proと比較してわずかにコンパクトとなっていますが、ほぼ似たような形状。
外側と内側にあるマイクの配置はほぼ同じです。
また、AirPods 3のケースも、AirPods Proと外観が似ており、横長のタイプとなっています。

AirPods 3は「高さ:46.4mm、横幅:54.4mm、厚さ:21.4mm、重量:37.9g」です。
なお、このケースはMagSafe充電できるようになっています。
最初はいるのか?と思いましたが、このようなコンパクトな製品は、ワイヤレス充電台に雑に置くと、配置がずれて充電できなくなってしまったりすることもあるので、くっつくのが意外と使いやすいなと感じました。

ペアリングは、いつものAirPods Proの通り、蓋を開けてスマホに近づけると、すぐにこの画面が出て接続できます。

AirPodsは、一度iPhoneとペアリングすれば、iCloud上にある全てのデバイスで利用することができるのが楽な点。一般的なイヤホンで言うマルチペアリングが自動でできます。(後述します)
AirPods 3の音質について
さて、イヤホンといえば気になるのはやはり音質。
今作AirPods 3は、音質面で以下の特徴があります。
- ダイナミックドライバ(ハイダイナミックドライバ+高偏位Appleドライバ)
- アダプティブイコライザーに対応
- 空間オーディオ対応
- コーデックはAACのみに対応
これを踏まえ、音質について見ていきます。
最初に、他社製品も含めさまざま音質比較した結果について、掲載しておきます。

AirPods(第2世代)との比較

AirPods 2との比較では、全ての要素で音質が上がっているといっても過言ではないです。聞いた瞬間、すぐにその違いがすぐわかりました。
個人的に大きく変わったと言えるのが、中低音と音場感です。
ダイナミックドライバとハイダイナミックレンジアンプを搭載しており、これの効果が大きいと感じます。

ベースやバスドラムが太く迫力をもって聴くことができ、ボーカルや弦楽器などの中音域も伸びやかで、ハイハットやシンバルなどの高音域も繊細に聞こえます。
解像感も全体的に上がっており、AirPods 2で聞き取りにくかった部分もはっきり聞き取れ、音の広がりをしっかり確認できます。
AirPods 2をこれまで利用してきた方は、ぜひ買い替えをおすすめします。
AirPods Proとの比較

これが驚いたのが、AirPods Proに匹敵するくらい音質が強化されていると言う点です。
低中音域が同等、またはそれ以上に進化しています。
これまでのAirPodsと比べると、低音域の主張が若干強いようにも感じますが、全体としてはフラットめな傾向ともいえ、その音作りは、AirPods Proに似ています。

今回のテストでは、J-POPを筆頭に、クラシック・ジャズ・ロック・ハウス・ヒップホップなどをざっと試聴しましたが、オールジャンルでおすすめのワイヤレスイヤホンです。
ただ、AirPods Proとほぼ同じと言う点で、空間オーディオのことを考慮しなければ、よく言えばフラット、悪くいえば特徴がないイヤホンとも言えます。
3万円台の高級ワイヤレスイヤホンと比較すると、主に解像感で見劣りする部分もありますね。
ただ、それでも2万円台の価格帯で、Proの廉価版的な位置付けであるにもかかわらず、これは中々のものだと感じました。
一方で、ノイズキャンセリングがないことや、カナル式ではないので、どうしても没入感が低いことには注意してください。
空間オーディオ(Dolby Atmos)を再生について

イヤホン(しかも開放型)なので、あまり期待していなかったのですが、空間オーディオを確かに感じることができました。
この空間オーディオは、オーディオ界隈では最近流行りの技術で、多くの機器に搭載されていますね。AirPodsも同様に再生できます。
これは、映画館でもあるDolby Atmos技術を採用した音源となっており、Apple MusicやAmazon Musicで対応楽曲を再生することができます。
Dolby Atmos音源は、音が左右だけでなく上下方向にも伸び、立体感(奥行き)のある視聴ができるのが特徴で、コンサートホールにいるかのような臨場感・音場の広がりを伴う楽曲再生ができます。


有名どころとして、実際にThe Beatlesの「Here Comes The Sun」を聞いてみると、通常は平面的な音なのですが、ベースやボーカル(コーラス)での立体感を特に感じました。
ただ、あくまでイヤホンはイヤホンなので、AACでも十分というか、その差はわずかなものです。
ドルビー対応映画のイメージでいると、音が360度動くかのような感覚はなく、インパクトは薄いと思います。
また、カナル式ではないため、ドルビー感を感じ取れるほどの没入感が少ないこと、まだまだ対応楽曲も少ないため、現時点ではおまけとして捉えるくらいで良いかと思います。
それよりも先述の通り、AirPods無印(開放型)とは思えないほど低音がしっかり鳴る部分へのインパクトが強いです。
AirPods 3はテレワークで使いやすい!
イヤホンは元々音楽を聴くためのものですが、個人的にAirPods 3は、テレワークでの利用におすすめしたいです。
その理由は以下の通りです。
ずっと着けていても装着疲れがない
私は某ウイルスの影響で在宅勤務がメインとなり、イヤホンは必須となったのですが、AirPods 3はとにかくテレワークで使い勝手が良いなと感じます。
その最たる理由は、開放型・本体がコンパクトであるがゆえに、ずっと耳につけていても装着疲れがないことです。

仕事している最中は、不意に来る電話を受けたりTEAMS・Zoom会議が連続したりすることもあるので、ずっとイヤホンをつけていると便利です。
カナル式・高音質のイヤホンは、密閉感が強かったり、比較的大型であることが多いので、装着疲れがありますが、AirPods 3はその心配がありません。
ただし、AirPodsは、第3世代となり連続再生時間が最大5時間から最大6時間(ケース込み最大30時間)となっていますが、これは一般的orやや短い方です。
そのため、定期的にケースに充電するようにしましょう。
通話品質もなかなか良い
AirPods 3は、AirPods 2と比較して、通話品質も向上していました。
特に今作では、風の音を最小限にするために、マイク部分に工夫がされています。

テレワークが浸透してきた現代では、移動の狭間に打ち合わせや勉強会に出席したり、あまり重要で無い(しゃべる機会もない)TEAMS会議とかで、在宅勤務の気分転換を兼ねて、外で日向ぼっこをしながら出席することもありますw
そういうとこに、風切り音を軽減してくれるのはかなり便利です。
今度実際に録音するなどしてチェックしてみますが、外出先でも特段声が聞こえないなど言われることはありませんでした。
この通話品質の向上も、テレワークでおすすめできるポイントの一つになります。
マルチペアリングに対応
最後に、マルチペアリングにも対応している点です。
AirPodsは、冒頭で述べた通り、マルチペアリングにも対応しています。
また、会社支給のデバイスだと、iCloud利用が禁止されている所も多いかと思いますが、BYOD端末の利用などが可であれば、iCloudの自動切り替え(≒マルチポイント)機能も使えるかと思います。
AirPodsシリーズのマルチポイントは非常に優秀で、同じiCloudに接続している端末であれば、以下のようなAirPods 3の自動切り替えが可能です。
- iPhoneへ接続していても、iPadで動画を見た際にAirPodsが自動で接続切り替えがされ、iPadへ接続する
- iPadとペアリングして音楽を聴いている際にiPhoneに電話がかかってきた時、iPhoneで電話を受ければ自動的にiPhoneに接続される(マルチポイントのようなもの)
AirPods 3は今使っているデバイスを認識して、そのデバイスへ自動で接続してくれるんです!Appleデバイスを複数使っている自分にとっては、これがめちゃくちゃ便利。

私は、会社以外にも、このWebサイト絡みの仕事(動画編集や作業BGM視聴)も多く、そういった際にAirPodsの自動切り替え機能をとても重宝しています。
AirPods 3をずっとつけているだけで、仕事からプライベートまでシームレスに利用できる。最高ですね。
AirPods 3の欠点は?
ここまでは、AirPods 3のメリットをご紹介してきましたが、その欠点(というか仕様上の留意点)もご紹介します。
密閉度が低い
AirPods 3の欠点は、カナル式でない(インナーイヤー型)がゆえに、密閉度が少ないことです。
これによって、AirPods Proと比較して音楽への没入感が落ちます。
特に空間オーディオを聴く際に、この欠点は色濃く出る印象。
密閉度を求める方は、AirPods Proややや廉価なBeats Studio Budsを選択しましょう。
ノイズキャンセリングには非対応
同様の観点ですが、ノイズキャンセリングには非対応です。これが最大の欠点とも言える点。
カフェで実際に利用してみましたが、ノイズアイソレーションのようなものも搭載しておらず、やはり周囲の喋り声とかはAirPods 2と変わらず聞こえますね。
作業に集中するために、イヤホンを耳栓がわりに利用したいと言う方には、あまりおすすめできないです。
電車や通勤・通学時に車道を通る徒歩中でも、音楽をしっかり聴きたいという方には、少し高額でもAirPods Proを購入するのが良いです。
また、外音取り込みにも非対応ですが、AirPods 3は開放型のイヤホンであり、音楽のボリュームを落とせば、コンビニのレジでの会話など問題なく可能です。
そのため、外音取り込みが非対応な点はそこまで影響はなく、ノイズキャンセリングの搭載有無を重視するかが、AirPods Proと大きく選択肢が分かれる事項の一つです。
音漏れはする
AirPods 3は開放型のイヤホンなので、やはり音漏れはします。
3種類友達につけてもらってテストしてみましたが、静かな環境で音量を50%にすると、やはり聞こえてきます。
この点は、AirPods Proだと全く聞こえませんでしたが、第2世代・第3世代AirPodsは普通に聞こえてきました。
密閉感が少ないこともあり、しっかり音楽を聴きたい場合は、音量を上げることも多いかと思います。
そのため、この音漏れに関しても注意しましょう。
レビューまとめ
今回のレビューでは、AirPods 3に関してまとめていきました。
音質面で第2世代からかなりの進化しており、AirPods Proに匹敵すると言っても過言ではないです。
最後に、この製品のメリットとデメリットをまとめます。
- ノイズキャンセリングには非対応
- 音漏れはする
- AirPods Proに匹敵する音質
- 開放型で装着疲れがほぼない
- 通話品質も向上しておりテレワークにもおすすめ
- Appleデバイス間のシームレスな連携が使いやすい
AirPods Pro相当の音質を求めるが、カナル式タイプが苦手な方、在宅勤務などで日中ずっと装着をするといった方は、AirPods 3をおすすめします。