Apple TV 4K(2022)を購入しましたので、レビューします。
Apple TVは、2021年にも発売されていますが、2022年に第3世代として更新されています。
最近、Appleは、Apple TV+を中心とした、多くのデジタルコンテンツがリリースしていますが、そのセットトップボックスとして利用できる製品です。
その特徴は、以下の通り。
- 映画、テレビ番組、音楽、写真、アプリ等、様々なコンテンツをストリーミング
- 4K HDR対応、Dolby Visionもサポートしており、より鮮明に映像を見られる
- AirPlay 2を使用して、iPhone、iPad、またはMacからコンテンツをストリーミング
- Siriを使用して音声で操作することができるリモコンが付属(音声操作、スマートホーム)
- 最大6人までアカウントを共有することができる「ファミリー共有」機能に対応
- App StoreからApple TV専用のアプリをダウンロード可能
さて、このようなセットトップボックスといえば、AmazonのFire TV Stickを中心し、最近ではGoogleのChromecast with Google TVなど、安いものが多く出てきている中で、高額なApple TVは、どのような点に魅力があるのでしょうか。
私は、Apple TVを第1世代〜第3世代まで全て購入してきましたので、今回の記事では、それらの比較レビューを行います。

もくじ
Apple TVとは?新旧比較・性能面も含め掲載!
Apple TVとは、Apple社が発売するセットトップボックス(映像受信機)です。
Appleでは、「Apple TV+・Apple Music・写真・Appstoreのゲーム」など、iPhoneから培ってきた様々なデジタルコンテンツがありますが、それをテレビ上でも利用することができるようになります。
iCloudのエコシステムによって、iPhone・iPad・Macといったデバイスとの連携性・親和性が高いことが特徴です。
その詳細は次の章で述べるとして、ここではその外観や新旧との進化ポイントについて解説します。
外観(本体・リモコン)


第2世代と比べると、第3世代は一回りコンパクトなものとなっていました。


背面は第2世代と比較すると何もなく、通気口やAppleロゴがなくなっていました。

リモコンは、 外観やボタン配置は特に変わりませんが、充電ポートがLightningからUSB Type-Cに変更されています。



第1世代のApple TVリモコンは、ボタンなしのスタイリッシュなデザインでしたが、直感的にどう操作してよいのかパット見でわかりづらく、コンテンツ選択もスワイプで操作するので誤操作したり、若干指が疲れることもありました。
第2世代、第3世代のリモコンは、このコンテンツ選択でもボタンが利用できることで、操作の快適性が格段にあがりました。(一応、新リモコンは中央のボタン部分をスワイプして操作もできます)



また、Siriのボタンが、iPhoneと同じく側面に配置されているので、直感的に操作がしやすいです。

他にも、電源ボタン・ミュートボタンの搭載など細かい進化も見られ、このリモコンについてはかなり使いやすいものとなっています。
第1世代から乗り換え検討の方は、このリモコン操作の点についても、注目いただければと思います。
性能面について
性能面について、以下の比較表で整理します。(旧型の4Kでないものも含めます)
項目 | Apple TV 4K(第3世代) | Apple TV 4K(第2世代) | Apple TV 4K(第1世代) | Apple TV HD |
---|---|---|---|---|
プロセッサ(SoC) | A15 Bionic | A12 Bionic | A10X Fusion | A8 |
Wi-Fi | MIMO対応802.11ax Wi‑Fi 6、同時デュアルバンド(2.4GHz/5GHz) | MIMO対応802.11ax Wi‑Fi 6、同時デュアルバンド(2.4GHz/5GHz) | MIMO対応802.11ac Wi-Fi、同時デュアルバンド(2.4GHz/5GHz) | 802.11ワイヤレス |
イーサーネット | ギガビットEthernet | ギガビットEthernet | ギガビットEthernet | 10/100BASE-T Ethernet |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 4.0 |
HDMI | HDMI 2.1 | HDMI 2.1 | HDMI 2.0a | HDMI 1.4 |
解像度 | 4K | 4K | 4K | 2K |
容量 | 32GB/64GB | 32GB/64GB | 32GB/64GB | 32GB |
サイズ | 高さ:31 mm 幅:93 mm 奥行き:93 mm | 高さ:35 mm 幅:98 mm 奥行き:98 mm | 高さ:35 mm 幅:98 mm 奥行き:98 mm | 高さ:35 mm 幅:98 mm 奥行き:98 mm |
重量 | 重量(Wi-Fiモデル):208 g 重量(Wi-Fi + Ethernetモデル):214 g | 重量:425 g | 重量:425 g | 重量:425 g |
価格 | Wi-Fi:¥19,800 Wi-Fi + Ethernet:¥23,800 | ¥21,800 (販売終了) | ¥21,800 (販売終了) | ¥17,800 (販売終了) |
この中で最も特徴的な点は、プロセッサが、A12 BionicからA15 Bionicへ進化していること。
CPU・GPUも進化していますが、実際に利用してみたところ、第2世代と体感で何か性能差を感じる部分はありませんでした。
第1世代から第2世代に買い換えた際には、Siriのレスポンスや画面遷移など、ハッキリとわかるほどだったのですが、元々、第2世代もApple特有の「ヌルヌル」としたスムーズな操作性でしたので。
スペック的な面から見ても、第1世代からだったら買い替えの価値はあると思いますが、第2世代から買い替えは不要と思います。
今後、特にゲームアプリにおいて、A15 Bionic搭載により、リッチなコンテンツが増えることに期待です。

Kou
App Storeのアプリは、Fire TVと比較しても優秀なゲームコンテンツが多いので、据え置き機のような活躍に期待!
Apple TV 4Kのメリット
さて、Fire TVやChromecast with Google TVと比較すると、Apple TV 4Kはかなり高額な部類の製品です。
その中で、Apple TVにしかない魅力について、掲載していきます。
心地よい操作感(Appleユーザー的に)
Apple TVのUI(画面インターフェース)は、かなり洗練されていて、使ってて気持ちがよいです。
iPhone特有のヌルヌルな操作感もあり、アプリの遷移や起動時のアニメーション・エフェクトも見事です。

アプリや各種設定など、iOSやiPad OSで利用できるものと、ほぼそのまま同じものを使えます。
機能や設定が、iPhoneやiPadで利用しているものとほぼ同じなので、操作がしやすいです。





実際の画面遷移を、動画で撮影しました。
このように、Apple製品特有の心地よさがあり、他のApple製品との統一的な操作感・視聴が可能なことが何よりのメリットです。
iPhoneやiPadとの連携がシームレス
先ほど述べたのと似た観点ですが、iPhoneやiPadとの連携がシームレスです。
特に、Apple TVでは、AirPlayが使えるのが大きいです。
ちなみに、AirPlayとは、Apple TVでiPhoneやiPad OS、HomePod miniとワイヤレスで接続して、音楽・ビデオなどのコンテンツを転送できる機能です。

Kou
これがあると、例えばiPhoneで検索していたビデオをすぐにテレビの大画面に転送して視聴をする、などといったことができて、とっても便利!
HomePod miniをスピーカー代わりに、よりリッチなオーディオ環境でApple TVのコンテンツを楽しめるのも良いですね。
また、この点で特筆すべきなのが、画面の「ミラーリング」ができること。

iPhoneやiPadの画面をそのままテレビに映し出せるので、PCモニター代わりに利用したり、家族にも見せたい場合に活用するなど、プレゼン的な利用もできます。
Fire TV Stickでは、このミラーリングが標準実装されていない(外部有償アプリが必要)なため、これができるのはApple TVの大きなメリットの一つです。
このミラーリングは、レスポンスが非常に優れておりサクサク操作します。そのレスポンスは、Chromecast with Google TVのキャスト機能よりも良いです。
地味に便利なのは、Apple TV側でキーボード操作をiPhoneのフリック入力で行えること。
入力しようとすると、自動的にiPhone側にポップアップが出てきて、そこから文字入力が可能です。


他にも、iPhoneのFace IDを用いて自動で色調整を行う、「自動カラーバランス調整機能」というのもあります。




色調整がされる
ブログ上の画像だとかなりわかりにくいですが、肉眼で実際にテレビの前で見ると調整前は青白さがあったものが、調整後では色彩がより色濃く鮮やかなに映し出されるのが確認できました。
Appleスマートホームのハブになる(HomeKit)
最近、ますます普及してきた「スマートホーム」。AppleでもHomeKit(ホームアプリ)という専用の仕組みが設けられています。
Appleでは、Apple TVをそのハブ(中継機)として利用することにより、外出先から家電の操作やオートメーション機能が利用できるようになります。

特に、照明操作の使い勝手が良いです。Siriリモコンから、Apple TV上で家電のオンオフなどの操作が可能です。


iPadは元々持ち運び用の製品で、常時待機させるのは中々難しいので、この点はApple TVが活躍します。
HomeKit(Siri)は、Amazon AlexaやGoogle Assitantと比較すると対応製品が少ないですが、スマートホームも含めApple製品で統一したいという方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
その場合、Apple TVが「ホーム」アプリを利用する上での、ほぼ唯一のハブデバイスとなるので、この点では必携の製品です。
HomePodと組み合わせてホームシアターとしても利用可能
Apple TVのもう一つの魅力は、HomePodと組み合わせて、ホームシアターとしても利用可能なことです。
この場合、HomePodの無印(第2世代)を2台利用するのがおすすめです。

特に、重低音と空間オーディオが素晴らしく、映画視聴が捗ります。
さらに特徴的なのは、Apple TVを介し、テレビの音声もHomePodから再生できること。
地上波・BS/CSの音質もアップして、スポーツ番組や音楽番組で臨場感がアップするのでおすすめです!
これには、テレビの「HDMI(ARC)」ポートにApple TVを接続して利用します。


各種コンテンツを余すことなく楽しめる
Apple TVでは、主に以下のコンテンツが視聴できます。
- ビデオ:Apple TV+
- ゲーム:各種アプリ
- 音楽:Apple Music
- PodCast:PodCastアプリ
- 写真:写真アプリ
Apple TVが他のセットトップボックスと比較して優れているところは、ゲームコンテンツが充実していることです。
これらのコンテンツをiPhoneだけでなくテレビでも据え置き機的に楽しめるようになります。

Kou
昔の話ですが、モダンコンバット5やn.o.v.a 3などGAMELOFTのFPSに大ハマリしてました。モダコンはApple TVにもありますね。
さらに、Apple TV+だけでなく、AmazonプライムビデオやYouTubeも視聴できるのは大きいですね。

更に、最近ではApple Musicが全曲ロスレス配信に対応したり、数は少ないものの3D楽曲にも対応したことに注目です。
これにより、HomePodやその他Dolby Atmos対応のAV機器に接続すれば、Apple TV+スピーカーでテレビまわりで臨場感のある楽曲を楽しめたりします。
Apple TV+はFire TVほどコンテンツが多いわけではないですが、それでもたくさんの作品があり、Disney+などにも対応。
iPhoneで撮りためた写真も、Apple TV経由でテレビから見られるようになります。
Apple Oneにより、iCloud・Apple Music・Apple TV+、Apple ArcadeなどApple TV向けにも優れたコンテンツを安価に利用できるようになっています。
それらを、テレビのような大画面でも視聴環境が整うことで、よりリッチに余すことなくコンテンツ視聴ができるのが、Apple TVの良い点です。
Apple TV 4Kのデメリット
さて、ここまでApple TV 4Kの性能向上とその魅力について述べてきましたが、デメリットもありますので掲載します。
価格が高い


同じようなことができる、Fire TV StickやChromecast with Google TVと比較して、価格がかなり高いのがデメリットです。
上記2つであれば、4K対応モデルで7,000円程度ですむところ、Apple TVはその約3倍の21,000円もかかります。
TV周りの家電として見るとそうでもないような気もしますが、それらと比較するとやはり高いなとは感じてしまいますね。
メリットの章で、特にApple製品ならではの良さを語ってきましたが、ほとんどの人にとっては、動画配信サービスが見られればそれで十分という方も多いのではないかなと思います。
そう考えると、結局の所周辺デバイスをどれだけApple製品で固めているか、愛着を持っているかによって、価値が代わるものとなりそうです。
設置型である
この設置型というのは、結構デメリットです。
まず、Apple TV用の置き場所を確保する必要があります。

Apple TV 4Kは、Fire TV StickやChromecast with Google TVなどと比較して、だいぶ大型です。

これは、テレビというよりプロジェクターで利用したいなどという時に結構困ります。
Fire TV Stickだと、事実上「プロジェクターとの一体型」のように使えますが、プロジェクターだと「プロジェクター本体」 +「Apple TV」を接続することによって、場所が取りにくいプロジェクター利用の際に少し苦労します。
また、電源部分が専用のアダプターとなっており、Fire TV Stickなどと違い、テレビのUSBポートに挿して電源供給をすることができません。このため、テレビ周りの配線が少し増えます。
このことから、設置型であるということがデメリットの一つです。
レビューまとめ
Apple TV 4Kは、身の回りのデバイスをApple製品で固めている方におすすめです。
本記事で述べた通り、iPhoneやiPadとの連携がとってもシームレス。設定や操作も含め、同じ利用体験を味わえます。
最近では、HomePod(第2世代)の発売によるホームシアター環境の構築や、HomeKit(Appleスマートホーム)のさらなる展開を考えると、それら機器とのハブ製品としておすすめ。
この点から、他のセットトップボックスと比較し、Apple TVを購入するというのも悪くないかなと思います。
結論としては、やはりどれだけApple製品を持っているか(iCloudにコンテンツ保存しているか)・それらに愛着があるかによってこの製品の価値は変わってくるものと思いますので、コアなAppleユーザーへおすすめしたい製品です。
Apple TV 4K レビュー
Apple TVは、テレビやモニターに接続して、様々なコンテンツを視聴できる製品。Apple製品間でシームレスに連携できるため、身の回りのデバイスをAppleで固めている人に特におすすめ。AirPlay 2、スマートホーム、HomePodと連携してホームシアターも組めるなど、機器連携のハブ製品としても活用できる。iPhoneやiPadと同じ操作感が得られ、様々な連携が可能なことに対し、価値のある製品。
メリット
デメリット