私はApple製品のファンであり、Macを始め、iPad、iPhone、Apple Watch、Apple TVといった様々なAppleデバイスを利用しています。
これらの製品を利用するにあたり、イヤホンもApple関連製品である「BeatsX」を利用しています。
Appleから発売されていることもあり、各Apple製品間との接続を、かなりシームレスに実現することが可能です。
購入して4ヶ月ほど経ったので、利用感のレビューをしていきたいと思います。
もくじ
はじめに:AirPodsではなく、BeatsXを選定した理由
類似製品に、同時期に発売された「AirPods」があります。
こちらの方がイヤホンとしての目新しさがあり、特にSiriの利用しやすさから考えるとかなり惹かれたのですが、実利用を考えると私にとってはBeatsXのほうが向いていると考えました。その理由は、以下の3点の通りです。
通勤電車での利用頻度が多い。
私はイヤホンはほとんど通勤電車で使うため、カナル式(密閉式)のイヤホンは必須でした。
電車の騒音を防ぐため、耳栓代わりにもなることや、音漏れもかなり防げますからね。また、英語の勉強といった利用用途もあるので、電車の中でも音声がはっきり聞こえないとかなり厳しい。
AirPodsもかなり気になっていたのですが、構造は密閉式になっていないことから、遮音性や音漏れにはちょっと懸念がありました。事実この点はEarPodsとあまり変わらないことを他のレビューでも目にしています。
電車の中でEarPodsを利用したこともあるのですが、やはり騒音や音漏れが気になり、快適に視聴できなかったことから今回はBeatsXを選択しています。
外すときに首掛け状態にできる。
これは音楽を聞きたくなくなったときや、耳にイヤホンが装着されているのが煩わしいときに、BeatsXの構造であればとりあえずパッと耳から外して首掛けしておけば良いので、装着・脱着の手間が少なくよいです。
しかもBeatsXであれば、イヤーピースの部分はマグネットでくっつけられるので、左右がバラバラと動き、走ったりしても外れることがありません。
AirPodsはこれに対し、パッと外したいときに専用ケースにいちいちしまわなくてはならないんですよね。耳に装着したままだと痒くなってきたりしますし。
まぁポケットとかにそのまま突っ込んでもいいのですが、小さいモノなので紛失したりしないか心配になります。
大した手間ではないのですが、こういう一手間が加わると途端にめんどくさくなってしまう性分なので、BeatsXを選択しています。
屋外でSiriによる音声操作をほとんどしない。
AirPodsの大きな特徴の一つに、フリーハンドでSiri操作が可能というものがあります。BeatsXは、ボタンを長押ししない限りSiriを起動させることができないので、かなり手間です。
この点AirPodsは素晴らしいなと思ったのですが、実利用を考えると、イヤホンが必要になる屋外では、Siriによる操作はほとんどしていないと思っていました。(独り言のようで恥ずかしいためです。)
Siriによる音声操作は、家や車でよく使いますが、外では全く利用していないため、私にとってこのメリットは薄いなと考えました。
上述3つの理由により、今回はAirPodsでなくBeatsXを購入するに至りました。
初期設定:初回ペアリングについて
まずは開封後の初期設定について。ペアリング方法を見ていきます。
Apple製品へのペアリング自体は非常にカンタンです。ロック解除済みのiPhoneをBeatsXの近くに置き、BeatsXの電源ボタンを長押しするだけで、下の画像のようなポップアップが出ます。あとは1タップするだけでペアリングを完了させることが可能です。
なお、一度Apple製品へペアリングすると、iCloudを介し、他のiCloud接続済み製品にも自動的にペアリングされ、端末間での接続/解除が可能となります。
BeatsXの特徴
さて、ここからは普段利用してみての感想を記載していきたいと思います。
Apple W1チップ搭載によるApple製品間の切り替えが便利すぎる
画像:BeatsX
この記事で一番伝えたかったことはこれ。この製品にはApple W1チップが搭載されています。
さて、このApple W1チップとは、どのようなものなのでしょうか。
公式サイトの表記が少し抽象的だったので、実利用の観点から、Apple W1チップがもたらしているであろう、効果を以下に列挙していきます。
- 周囲の雑音を取り除いてくれるノイズアイソレーション機能
- バッテリー駆動時間を伸ばす。
- Fast Fuel機能により、わずか5分の充電で再生が可能となる。
- 会話を認識する。(つまりSiriの利用精度を高める)
- iCloud連携することで、各Apple製品とのペアリングをスムーズに実施。
特に最後に述べたペアリングのシームレスさは素晴らしいです。手持ちのデバイスにApple製品が多ければ、このために購入しても良いんじゃないかと思えるほど。
どういうことかというと、すでにBluetooth接続済みの機器から別のApple製品に再接続する際に、いちいち切断〜再ペアリングをする必要がないということなんですよ。
例えば音楽や動画を視聴するためにiPhoneとペアリングしていたが、Macから視聴したいというシーンになったときに、通常のイヤホンならマルチペアリング機能が搭載されていたとしても、スマホ側のペアリングを一度解除し、PC側にペアリングするという手間が発生しますよね。
ところが、このBeatsXであれば、視聴したい機器(Mac)に「接続」すれば、iCloudを経由してスマホ(iPhone)側のペアリングが自動解除されるということが可能となり、ペアリング解除の手間が省けるのです。
画像で示すと以下の通りです。
一体どういう構造でこのような仕組みができるのか?
どこを探しても、Apple W1チップに関する技術詳細がなかったので、私の勝手な想像で以下のような簡単な概念図を作ってみました。
公式情報ではないので、あくまで仮定の話なのですが、Apple W1チップがもたらすBeatsXのペアリングの仕組みのイメージ補助として見ていただけたらと思います。
これは、私のように複数台Apple製品を利用していると、それぞれの視聴シーンに合わせ一瞬で切り替えられるので、かなり便利なんです。
2台以上Apple製品を持っている方であれば、ぜひ体験してみてほしいです。
W1チップはもっとたくさんのApple製品に搭載されてほしい。
余談ですが、このW1チップはもっと様々なApple製品に搭載されてほしいですね。
その最たるはMagic Keyboardでしょう。
W1チップが搭載されることにより、iCloud連携がされ、特にiPadとMacで文字打ち端末を入れ替えるときに重宝すると思います。
Magic Keyboardは、未だにマルチペアリング機能すら搭載されていないため、ペアリング作業がかなり手間なんですよねぇ。
以下は私の作業環境なのですが、iPadとMacを切り替えて操作することが結構あるので、この仕組みは、ぜひ実装されてほしいなぁ。。。
音質はそこそこよいという感じ。ノイズアイソレーション機能がGood
音質は一言で言うと、クリアな感じです。
Beats系って、低音に定評があると思うのですが、このBeatsXは中高音もバランスがよく表現されていると思います。
あまり、Beats系のイヤホンという感じがしません。
また、ノイズアイソレーション機能というものがあります。
これは表現しにくいのですが、通常のカナル式イヤホンとノイズキャンセリング機能のあるカナル式イヤホンの中間のレベルのノイズカットができると捉えて下さい。
前にSonyのノイズキャンセリングイヤホン「MW-600」を利用していたのですが、それに比べるとノイズキャンセリングの効果はありません。
しかし、電車の中で利用程度であれば十分な遮音性がありますので、問題はありません。
バッテリー周りについて
続いて、BeatsXのバッテリー周辺についてレビューしていきます。
バッテリー持ちはこの形状からしたら、かなり良い出来
待機電力はそこそこ。3時間で5%弱減るといった感じです。
アイドリング状態のまましばらくすると、自動的にBeatsX側の電源が落ちるようになっています。
音楽の連続再生時間は、公称8時間ですが、実利用でもそれと同じくらい持ちます。
Apple Musicでよく利用しているのですが、だいたい30分間で6-7%ずつ減っていくという感じです。
バッテリーを搭載する部位がほぼない、この形状のBluetoothイヤホンではかなり上出来ではないでしょうか。
これも上述したApple W1チップによる恩恵が大きいです。
一方で残バッテリーをiPhone側で確認できるのはいいですが、音声でもそれを案内してほしいところではあると思っています。
Fast Fuel機能でわずかな充電で、すぐに利用可能となる。
Fast Fuel機能により、5分充電するだけで、2時間は連続再生可能となります。
実利用においても、これはほぼ公称通りであったため、バッテリー切れに際し実利用において困るシーンはあまりありません。
充電コネクタがLightning端子なのが素晴らしい
BeatsXの充電コネクタには、Lightning端子が採用されており、iPhoneと充電器を統合することができます。
これは実際に利用してみるとかなり大きなメリットです。
イヤホンはモバイル(屋外)環境で使うことが圧倒的に多いため、普段持ち運びをするiPhoneと充電器を統一できることは想像以上に便利なんです。
有線イヤホンと違い、Bluetoothイヤホン最大の欠点の一つに充電の手間があることなので、これは本当に助かります。
しかも、Lightning端子はMicroUSBとは違い裏表なくさせるので、BeatsXのようなちっこい充電端子に裏表を気にせず差せるのはかなりストレスフリーでいい感じです。
イヤホンにLightning端子を採用しているBluetoothイヤホンは数少ないため、正直充電がLightning端子というだけでも購入する価値アリです。
Bluetoothの接続強度はかなり高い。満員電車の中でも途切れない。
さすがClass-1と言ったところか、接続強度はかなり強いです。先述のMW-600は満員電車(スマホをポケットにイン)では途切れることがあったがそれがほとんどありません。
欠点は?電源ボタン周りの構造は改善してほしい
電源はボタンを長押しすることになるのですが、これがまず押しにくいです。
しかも電源を入れたときに、何らかのガイダンス的な音が出ずに、ランプのみでそれがわかります。
しかしこれ、首にかけているときにこのランプはほぼ死角になっており、大変見づらいです。
せめてペアリング時の音だけでなく、電源オンを示す音くらいは出してほしかった。
この点AirPodsのギミックが羨ましいです。AirPodsは耳から着脱するだけで、自動的に音楽が再生停止します。
BeatsXはこれがなく、また電源周りも押しにくいため、よく再生しっぱなしの状態になってバッテリー切れになってたりします。
これは、AirPodsのギミックを見習い、自動的に音楽停止となるような工夫をしてほしいところです。
収納がしずらい
専用カバーへの収納は、基本めんどくさいと思った方が良いです。
BeatsXもかなり工夫しているとは思うのですが、首部分が固定されていて、その部分は幅を取るため、結構入れにくいのが難点です。
私はこの専用カバーをあまり使っておらずそのままカバンにぶち込む、またはジップロックに入れるというとても大雑把な扱いをしているのですが、比較的ラクな収納方法を以下に画像でお伝えします。
BeatsX専用カバーへの収納方法
Apple製品を2台以上持ってるならかなりオススメ。IoTな仕組みにより、シームレスなペアリングを体感できる

この製品は音質を求めるというよりも、Apple製品を複数持つ方にかなりオススメできます。Apple製品間のシームレスなペアリングや充電端子がLightning端子であることがまさにそれです。
逆にAndroid機やWindows機をメインにしている方には、接続自体は可能なものの、このメリットを最大限引き出せずコスパが悪いので、別のイヤホンをオススメします。
まさにApple機器とiCloudのIoTな仕組みをフル活用した、ちょっと先を行くイヤホンと言えますね。