広い家でも、途切れない・安定した通信を可能とするのが、メッシュWi-Fiルーター。
これは、中継機より効果が高くて、自宅に初めて導入したとき、感動したのを覚えています。
特に、最近では、パソコンやスマホだけでなく、「スマート家電」を中心として、Wi-Fiにつながる電化製品が急速に増えていて、その流れでメッシュWi-Fiもますます重要なものに。
そんな中、Wi-Fiルーターで多くの製品を発売している、「BUFFALO(バッファロー)」から新たにメッシュWi-Fiルーターが発売!
その特徴は、以下の通り。
- すぐに利用できる「Wi-Fi EasyMesh™」ペアリング済みセットモデル
- Wi-Fi 6 対応で高速通信を実現
- バンドステアリングLite機能搭載
- EasyMeshによる高速ローミング
- 有線でもメッシュネットワークを構築できる
- 家族のネットワークを守る「ネット脅威ブロッカー2 プレミアム」
実際に利用してみたところ、これまで利用していたメッシュWi-Fiルーターよりも確かに簡単にセットアップでき、EasyMeshによるローミングの処理が非常に優秀で、部屋間を移動してもルーター間の切り替えを意識することなく利用できました。
まだ発売されたばかりですが、これは売れ筋になる予感…!
そんな「BUFFALO WNR-3000AX4/2S」のレビューをしていきます。
もくじ
外観と仕様
まずは外観についてチェックしていきます。


サイズ感は、片手で持てるコンパクトなもの。サイズは、W120×H174×D73mmで、本体のみで370gです。

背面は、モデムとの接続用としてINTERNETポート(最大1Gbps)×1、LANポート×3(最大1Gbps)、電源用のDC INがついています。

側面には、AOSSボタンと、各種ステータスを確認できるランプを搭載。


底面には、ルーター接続用のSSIDとパスワードが記載されています。スマホの接続に必要となるので、しっかりと控えておきましょう。

5GHz、2.4GHz別々に接続するのが基本ですが、この製品はバンドステアリングLiteに対応しているため、一つのSSID(共通SSID)で任意の名称をつけて運用することもできます。
本体は2個セット。メッシュWi-Fiは同一のルーターを2つ以上連携させて利用することが前提です。

ですが、このWNR-3000AX4/2Sは、あらかじめEasyMeshのセットアップがなされているため、「コントローラー(ルーター:親機)」、「エージェント(中継機:子機)」という形で、分かれています。

セットアップカードや説明書ももちろん同梱されています。ネット脅威ブロッカー2プレミアムの1年無料ライセンスつきでうれしい。

最後に、スペックをまとめておきます。
項目 | スペック |
---|---|
周波数範囲(チャンネル) | 5GHz: W52 36/40/44/48ch(5180~5240MHz) W53 52/56/60/64ch(5260~5320MHz) W56 100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch (5500~5700MHz) W56(新電波法対応) 144ch(5720MHz) 2.4GHz: 1~13ch(2412~2472MHz) |
準拠規格(最大転送速度) | 5GHz: IEEE 802.11ax:2401Mbps (160MHz 2×2) IEEE 802.11ac:1733Mbps (160MHz 2×2) IEEE 802.11n:300Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11a:54Mbps 2.4GHz: IEEE 802.11ax:573Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11n:300Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11g:54Mbps IEEE 802.11b:11Mbps |
セキュリティー | WPA3 Personal WPA2 Personal WPA/WPA2 Personal WPA2/WPA3 Personal WEP(128-bit / 64-bit) Any接続拒否 プライバシーセパレーター MACアクセス制限(最大登録許可台数:64台) ネット脅威ブロッカー2 プレミアム |
アンテナ | デュアルバンド(5GHz/2.4GHz共通アンテナ:2本) |
伝送速度 | LANポート:最大1Gbps(1G/100M/10Mbps)×3 INTERNETポート:最大1Gbps(1G/100M/10Mbps)×1 |
WAN側IP取得方法 | 手動 / DHCP / PPPoE / DHCPv6-PD / IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6) |
その他機能 | 回線自動判別切替機能(バンドステアリングLite) |
サイズ | W120×H174×D73mm |
重量 | 約370g(製品本体のみ) |
この価格帯のWi-Fiルーターとしては、単体ではそこそこ性能といったところですが、何より2個組み合わせた際のメッシュWi-Fiが最大の特徴。
そのため、3LDK以上の広い住宅で利用するのがおすすめです。
その点について、実機を検証しつつ、詳しくレビューしていきます。
レビュー
WNR-3000AX4/2Sを、実際に利用してみましたので、レビューしていきます。
すぐメッシュ環境が作れる(電源とLANを挿すだけ)
一般的にメッシュWi-Fiルーターは、親機と子機をスマホのアプリ等で接続設定を行うことで、メッシュ環境を作ります。
その点、この製品は、あらかじめ接続設定済みのため、アプリをダウンロードしたりする必要なく、ケーブルを挿すだけでOK。このお手軽さが最高ですね。
何もいじらずに機器をおいてケーブルを挿すだけで、繋がっていきます。


これだけで、ルーター間がメッシュでつながり、家中で電波の強い状態でWi-Fiを使うことができます。

セットアップが簡単でつながりやすい。この手の機器に疎くて簡単につながりやすいWi-Fiルーターをお探しの方、WNR-3000AX4/2Sがベストです。
通信速度が速い、普通に利用するならこれで十分
WNR-3000AX4は、最新のWi-Fi 6対応のため、通信速度が速いです。
Wi-Fi 6の4ストリームで5GHz最大2401Mbps、2.4GHzで最大573Mbpsの通信に対応。
かつLANポートも最大1Gbps対応のものを3つ備えています。
自宅では、ドコモ光の1ギガを利用しており、実際のスピードについてテストしてみました。
時間帯を分け数回計測しましたが、下り上りともに300〜500mbps前後出ており、実測値として合格点です。

一方で、メッシュ接続しているエージェントの方は、コントローラーよりもスピードが減衰します。
これはメッシュWi-Fiの仕様上仕方ないのですが、それでも200Mbps前後出ており、十分高速です。

テスト結果
項目 | 下り(ダウンロード) | 上り(アップロード) |
---|---|---|
コントローラー(ルーター) | 557Mbps | 326Mbps |
エージェント(中継機) | 230Mbps | 174Mbps |
正直、これほどの速度が出ていれば、オンラインゲームや重たいファイル転送などでも十分すぎるほどで、家庭用として利用する、またはテレワークとして使う上では全く問題ありません。
また、このルーターは、日本のメーカーであることからか、IPv6(IPoE / IPv4 over IPv6)への対応状況も豊富です。
通信を確認したところ、ドコモ光のIPv6にも対応していました。

このように、通信状況は満足しています。
広範囲で通信でき、部屋間を移動しても電波が途切れにくい
WNR-3000AX4は、メッシュWi-Fiの特性上、広範囲で通信でき、部屋間を移動しても電波が途切れにくいです。
メッシュWi-Fiは、通常のルーター(親機)+中継機と違い、同等スペックのルーターをメッシュネットワークでつなぐことで、通常の中継機よりも電波の減衰が少なく、安定した通信ができるようになります。
WNR-3000AX4シリーズは単体でも発売されていますが、その性能を最大限活かすために、2個セットのWNR-3000AX4/2Sがおすすめです。
さて、自宅で検証してみました。
自宅は4LDKでかつ鉄筋コンクリート造の部屋であり、その部屋間の壁が遮蔽物となっているのか、通常のWi-Fiルーターだと奥の部屋の電波状況が悪くなります。
1個でWi-Fi利用した場合

これが、メッシュWi-Fiでカバーされることで、通信状態が良くなります。
2個でWi-Fi利用した場合

これは、スマホやタブレットを部屋間を利用して移動したりする場合や、スマート家電やスマートホームデバイスのように、自宅のあらゆるところにWi-Fi家電が点在している場合、特に効果を発揮します。

私はこれまでもメッシュWi-Fiを利用してきたのですが、このWNR-3000AX4/2Sを利用していて驚いたのは、部屋間を移動したときに、電波が全く途切れない(減衰しない)ことです。
これまでは他社のメッシュWi-Fiルーターを利用してきたのですが、部屋を移動した際に約10秒間、この接続切り替えに伴ってiPhoneの電波マークが「2本」になったり、まれに途切れたりすることもありました。


このつながりやすさ(切り替えの早さ)についてもWNR-3000AX4/2Sのおすすめできるポイントです。
豊富なセキュリティ対応、スマート家電も安心して使える
WNR-3000AX4/2Sは、セキュリティ周りの機能やサービスも充実しています。
セキュリティ機能としては、最新のWPA3にまで対応しており、より強固にパスワードの不正解読をブロックすることができます。
また、セキュリティソフトである、「ネット脅威ブロッカー2」のベーシック+プレミアム機能1年間無料ライセンスも同梱されています。


これにより、以下の脅威から守ることができます。
機能 | プラン | 概要 |
---|---|---|
情報漏洩ブロック | ベーシック | 脅威となる通信はセキュリティ機能が自動的にブロック。 任意の機器のインターネット通信そのものもブロック可能 |
危険UPnPブロック | ベーシック | UPnPのポート開放要求を監視。 侵入の危険性を持つものであった場合、そのポート開放要求をブロック可能 |
悪質サイトブロック | ベーシック | DPI機能により、危険な通信か否かの判断を行い、 ブロックすることで、侵入検出/防止・漏洩を防止。 |
キッズタイマー | ベーシック | お子様向けにインターネットの利用可能時間を制限可能。 各端末ごとに設定が可能。 |
コンテンツフィルター Plus | プレミアム | お子様向け用の機器ごとにWebサイトの閲覧可否を設定可能 |
利用時間統計 | プレミアム | 各ユーザー毎の通信量を「1週間のまとめ(円グラフ)」 「過去7日間(棒グラフ)」として確認可能 |
プッシュ通知/リモートアクセス | プレミアム | 外出先から本商品の設定やプッシュ通知を受け取れる。 |
一般的なサイトブロックや脅威となる通信の自動ブロックを持ち合わせていますが、端末側でなく、ルーター側にセキュリティソフトを入れられるのが良いですね。
特にスマート家電は、機器ごとにアンチウイルスソフトを入れることができず、その数も多くなるため、通信の配下にある端末のセキュリティをしっかりと確保できます。
メッシュWi-Fiの点を考慮しても、今の時代にあった製品ですね。
レビューまとめ
WNR-3000AX4/2Sは、何より「メッシュWi-Fiで広範囲にネットできる」「部屋間を移動しても電波が途切れにくい(ローミング)」が優れた点に感じました。
初期セットアップもケーブル接続するだけでとっても簡単。メッシュWi-Fiを導入したいけど、難しそうで二の足を踏んでいる方にはぜひおすすめしたいです。
最後に、この製品をおすすめできる人とできない人をまとめます。
- 2LDK未満の自宅にお住まいの方
- 広い家にお住まいの方
- この手の機器に疎いけど、ネット接続を改善したい方
- 2階建以上の住居にお住まいの方
- スマート家電のセキュリティ管理をしっかりと行いたい方
以上です!メッシュWi-Fi入門機としてベストな製品ですよ!
BUFFALO WNR-3000AX4/2S レビュー
BUFFALO WNR-3000AX4/2Sは、広い住宅やRC造の住宅でも繋がりやすいメッシュWi-Fiルーター。EasyMeshペアリングセットアップ済みで、電源とLANを繋ぐだけですぐにメッシュ環境を構築できるのが最大の特徴。EasyMesh対応により、部屋を移動しても電波が途切れる(減る)感覚がなく使えて嬉しかった。中間スペックで価格もそこそこながら、Wi-Fi 6対応、セキュリティ周りも充実しており、簡単・高速・つながりやすいと3拍子揃ったルーターだった。
メリット
デメリット