スマートホーム構築のための「IFTTT(イフト)」の使い方とできること

Amazon EchoやGoogle Homeの日本発売が影響し、スマートホーム系製品がかなり増えてきています。

それらは単品でも十分に効果を発揮しますが、IFTTT(イフト)というサービスに対応しているものであれば、簡単な仕組み作りでそれらを連携でき、さらに便利に利用することができるのです。

そこで今回の記事では、スマートホーム構築のための、各製品やサービスをつなぐ、IFTTTの設定方法と使い方について紹介していきます。

IFTTTとは何か

IFTTTとは簡単に言うと、「もし〇〇の場合、〇〇する」という仕組みを、Webサービスをつなぎ合わせるだけで簡単に作ることができる無料のサービスです。「イフト」と呼びます。

IFTTTはまず照明をイメージしてみてください。 「スイッチを入れると、明かりが付きます」よね。

この「①スイッチを入れる」と「②明かりがつく」、①と②のルール設定を自由に組み合わせるための制御システムがIFTTTの役割となります。

つまり、IFTTTは、それぞれのサービスとサービスをつなぎ合わせる中継役を果たしています。


▲あらゆるモノをIFTTTでつなぐ!

このつなぎ合わせるサービスはGmailやTwitterなどのWebサービスを基本としていますが、スマートホームデバイスもIFTTTに対応しているものがあります。

そのIFTTTに対応している製品(の裏にあるクラウドサービス)と接続し、上記のような仕組みを作ることが可能です。


▲製品のクラウドサービスをIFTTTでつなぐことで、デバイスからデバイスへ指示を送る。

IFTTTはWebサービスとしてだけでなく、スマホ・タブレットアプリにも対応しており、いつでもどこでも簡単にこの仕組みを作ることができます。

IFTTTがない場合、通常はこの仕組みをプログラムを書いて作るのですが、これをシンプルかつ直感的なUIでパズルを組み合わせるように利用することができるため、プログラミングができない方でもこのルール設定を作ることが可能です。

IFTTT上ではこのIF 「This」 Then 「That」のThisとThatにそれぞれサービスの動作を設定することで動作させます。

ちなみに「If This Then That」の頭文字を取っていくと、「IFTTT」。つまりIFTTTというサービス名は、このルール設定そのものを示しているのです。

これだけ押さえれば大丈夫。IFTTT頻出5つのキーワード

さて、そんなIFTTTなのですが、現状IFTTTアプリは日本語に対応しておらず、全てが英語で記載されています。

英語アレルギーの人には嫌と思うかもしれませんが、ポイントさえ押さえればかなり簡単です。

ここでは、IFTTT利用を促進するために、前提としてこれだけ覚えておけば大丈夫という知識や用語を説明しておきます。

トリガー(Trigger)

トリガー(trigger)は直訳すると「引き金」です。

IFTTT上では、「もし〇〇したら〜」という部分を設定する、あるサービスを発動させるためのまさに引き金の部分をトリガーと呼んでいます。

これが「This」の中身に相当します。

アクション(Action)

これは、トリガーが動作したら、実行される部分のことです。

先程のIf This Then Thatで言うところの、「That」部分に当たります。

例えばピストルを思い浮かべてみて下さい。「引き金を引いたら、弾が発射」しますよね。Actionとはこの弾が発射する部分のことを示しています。

IFTTTでは、この動作を自由に設定することができます。

アプレット(Applet)

アプレットは本来的な意味で言うと、他のアプリケーションの中に組み込まれて実行される小さなプログラムのことを意味します。

これをIFTTT上で置き換えると、アプレットとは上記の「もし〇〇したら、XXする」を実行するためのプログラム(仕組み・ルール)と解釈できます。

プログラムとは言っても、このルールは何らかの開発言語を用いて作成するものではありません。スマホアプリ上の画面に沿って進めていくだけなので、簡単に作成することが可能です。

レシピ(Recipe)

上記「トリガー(This)」と「アクション(That)」までの一連の流れ(If This Then That)を組んだものをIFTTT上では「レシピ」と呼んでいます。

これは他のユーザーにも公開できるもので、逆に他のユーザーが作ったレシピを自分で使うことも可能です。スマホアプリのようなものですね。

最初はこの「レシピ」を使って、仕組みが分かってきたら、アプレットを作るという感じで慣れていくのが良いかと思います。

チャンネル(Channel)

上記のトリガーやアクションで指定するWebサービスのことを「チャンネル」と言います。

Webサービスは、先に図解した「製品用クラウドサービス」も含まれています。

IFTTTは上述の通りWebサービスを繋ぎ合わせることで仕組みづくりをするため、そもそもこのチャンネルがあるか(IFTTTに対応しているWebサービスか)どうかが重要となってきます。

初期設定

さて、IFTTTの概念やキーワードを解説したところで、早速設定を見ていきましょう。

まず最初に、IFTTTに登録するところからやっていきたいと思います。


▲アプリを開いたら、GoogleまたはFacebookを使ってログインするのが一番簡単です。もし、この2つのサービスに登録していない/使いたくない場合、下にある「sign up」をタップすると、Emailによる登録が可能です。

どのようにアプレットを作成するの?

さて、ユーザー登録も済んだ所なのですが、IFTTTはどのように使っていけばよいのでしょうか。

他のユーザーが登録したレシピを用いることも可能ですが、ここでは自分が自由に作れるように、例として作り方を解説していきたいと思います。

ここでは例として、TP-LinkのWi-Fiルーター「TP-Link Deco M5」とスマートリモコン 「Nature Remo」を用いて、「もしTP-Link Deco M5に自分のiPhoneが繋がったら、Nature Remoでテレビをオンにする」という設定をしていきたいと思います。

スクリーンショットは左から右に進んでいきます。

まずはアプレットの作成画面へ


▲IFTTTの最初の画面で右下のフッターメニューにある「My Applets」を選択。次の画面で右上にある「+」ボタンをタップ。

これでアプレットの作成画面に遷移します。

トリガーを作成する

ここでは、「もし〇〇をしたら(if thisの部分)」を最初に設定します。


▲「+this」というところでトリガーを作成します。「もし〇〇をしたら」の〇〇の部分を指定するため、thisの表記をタップするといったイメージです。次の画面で、検索バーに自分が設定したい製品(サービス)を指定。


▲サービスをタップすると、そのサービスの動作を指定する画面に遷移します。ここで、メニューのどれかをタップして下さい。


▲すると、製品がIFTTTで操作できるように、IFTTTを許可する認証画面が出てきます。次の画面で、製品のサービスにログインして下さい。※製品側で予め登録してあるものを指定して下さい。


▲次の画面で、製品側のクラウドサービスへIFTTTがアクセスするための認証画面に移ります。「許可」をして、IFTTTを再度「開き」ます。


▲次の画面で、具体的に「もし〇〇をしたら」を設定します。ここでは、「もしiPhoneがルータに繋がったら」を指定するために、パラメータを選択しています。最後(画像一番右)に「Creat trigger」をタップしたらトリガーの作成完了です!

アクションを作成する

続いて、「もしiPhoneがルータに繋がったら、XXする」のXX(then That)の部分を設定していきます。


▲「+that」をタップします。ifの直下の部分に先ほど作ったサービスが設定されていると思います。「+this」を作るのと同様に「+that」におきたいサービスを検索して探します。


▲「+this」の時と同様の流れで、メニューのどれかを選択して下さい。次の画面で、製品側へのIFTTTの認証をしていきます。


▲「+this」の時と同様に、製品がIFTTTで操作できるように、IFTTTを許可する認証画面が出てきます。製品のサービスに「ログイン」して「許可」した後、IFTTTを「開いて」ください。


▲ここで、具体的に「〜XXする」を設定します。ここでは、「Nature Remoでテレビをオンにする」を指定するために、テレビの電源ONボタンのパラメータを選択しています。「Creat trigger」をタップしたらアクションの作成が完了。最後に(画像右)、Finishボタンを押せばトリガーの作成完了です!

ちなみに、最後の画面に「Receive notifications when this Applet runs」という項目のスイッチがあると思いますが、これはアプレットが実行された時にスマホ側に通知を飛ばせる機能です。

最初はテスト的にオンにするのもいいと思いますが、アプレットが増えていくに連れ、大量の通知が出るので、慣れたらオフのままで良いかと思います。

アプレットを見てみる


▲アプレットの作成が完了すると、他にもこんなものがあるよという感じでサジェスチョンが出てきます。(画像左)これはメーカーや、他の人が作ったアプレットを適用したりもできますので、例として見てみてください。My Appletsに戻ると自分が作成したアプレットを一覧することができます。(画像中央)


▲なお、フッターメニュー中央の「Activity」という画面で、アプレットが実行された履歴を見ることができます。エラーもここで確認できるので、動作ログとしてなかなか使えますよ!

Tips

上記で一通り製品を連結させることはできたと思いますが、ちょっとしたTipsも紹介します。

とはいっても今回は入門編ということで、簡単ながら重要なものを2つだけ紹介します。

複数のデバイスを同時実行する

複数同時実行させるにはいくつかやり方があるのですが、最も簡単な方法は「全く同じトリガー」に設定して別々のアクションを複数個つくってしまうこと。

そうすると、トリガーが発動する条件になったときに、それぞれ設定したアクションが同時で実行されます。

以下は、Nokia SleepというIFTTT対応製品を用いた設定方法です。


▲ トリガーのNokia Sleepを全く同じ設定(画像ではベッドに入ったら)にし、アクションに色々な製品を組み合わせることで、寝に入ったら自動的に「エアコンと照明を消し、かつアロマディフューザと間接照明をオン、セサミスマートロックをロック」にするといった設定ができます。

製品に足りない機能を追加する

IFTTTのトリガー・アクションは様々なものがあり、単に製品を連携させるだけでなく、サービスを組み合わせて多くの仕組みづくりができます。

よって、もしIFTTTに対応した製品であれば、スマートデバイスで「こういうものが欲しいなぁ」と思ったら、IFTTTにあるトリガー・アクションを探し、組み合わせていけば良いのです。

以下の例では、TP-Linkのスマートプラグにジオフェンス機能(スマホの位置情報を用いて、エリアから離れたら/入ったら自動的に家電をつける)を付与しています。


▲トリガーにIFTTTの「Location」を指定する。内蔵マップで動作させる範囲指定ができる。


▲アクションにスマートプラグ側(電源ON/OFF)の動作を置く。これで、外出/帰宅時に家電を自動で操作することができる。

こんな感じで様々なトリガーとアクションを駆使して、製品が本来有していない機能を付与することができます。

他にも例えば以下のようなアプレットがあり、スマートホームデバイスと組み合わせて、スケジュール実行、通知、記録用途などで有効活用できます。

  • Date and Time(日時指定)
  • Gmail/Google Calendar/Google Sheets
  • iOS Reminders/iOS Calendar
  • Office365
  • Button Widgets(スマートフォンにボタンウィジェットを作成)

IFTTT対応製品にはどんなものがある?

以下の記事ではIFTTT対応のスマートホームデバイスを優先的に取り上げているので、ご参考になさってください。

これらをIFTTTで連結させて、自由自在な仕組みづくりが可能となります。

終わりに

IFTTTは他にも様々な活用方法がありますが、まずは今回の記事に掲載していることができるようになれば、スマートホーム作りのためにIFTTT対応のデバイスを組み合わせるといったことが可能になるかと思います。ぜひ試してみてください!

Kou

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