【レビュー】iPhone Xを1週間利用した感想。正統進化はしているが未来はまだ感じられない

iPhone Xを運良く発売日入手でき、利用して1週間が経ちました。

生活にもすっかり馴染み、一通り手に馴染んできたのでレビューしたいと思います。

私は自分で言うのもなんですが、相当スマホマニアで、iOS、Androidに関わらずiPhone 3GSの頃から20台強を利用してきており、スマートフォンの進化は2009年あたりから8年程度、それなりに体感してきました。

そんな私が、iPhone Xは今までのiPhoneと比較して進化しているのか、正直なところどうなのかを出来る限りフラットな視点で述べたいと思います。

毎度のようにダラダラとかなり長くなってしまったので、今回は購入経緯や開封の儀を省いて、直接的なレビューを掲載していきます。

買ってよかった点

さて、まずは買ってよかった点を以下に掲載していきます。

圧倒的に高級感のある外観。ステンレススチールフレームがそれを際立たせる

10周年記念モデルとなる、iPhone X。そのデザインには気合が入っています。

間違いなく所有欲を満たせますし、普段欠かさず持ち歩くモノなので、その満足感は高いです。

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▲シックなグレーにガラスフォルム。

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▲背面。iPhone 7と比較。iPhone 7でも十分クールだが、ガラスフォルムもあり、高級感はiPhone Xの方が上。

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▲側面のステンレススチールフレームは高級感があり素晴らしい。背面のガラスフォルムとの親和性が高く、滑らかな仕上がり。

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▲Apple Watch Series 3 スペースグレイ+ブラックスポーツバンドとの2ショット。グレー×ブラックの「色統一」感に満足。赤いボタンさえなければ。。。

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▲Macbook Pro 13インチ 2017 スペースグレイモデルとの2ショット。当然色味が違いますが、どちらにも良さがある。

ただ、やはりガラスフォルムゆえの指紋と縦列配置のカメラは気になるところです。

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▲ガラスフォルムは当然のごとく指紋がつくとベタベタに。まぁしょうがない。

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▲縦配置のカメラはデザイン性を失うところだが、ARの将来性を考えるとまぁしょうがない。

ちょっと気になる部分はあるものの、この高級感には満足です。

ホームボタンのジェスチャー化は意外にも良かった。その便利さに一番驚いた。

実機を触るまでに最も不安視していたのが、このホームボタンのジェスチャー化。

親しみ慣れたホームボタンが撤廃され、かといってAndroid機種のように仮想ホームボタンもなくただ1本のバーになっているだけ。

直感的に操作できなさそうなのが気になっており、確かに最初は利用にストレスが溜まります。

しかし、一旦慣れるとかなり快適です。

これは店頭でちょっと触っただけでは感じられないと思います。慣れてないので当然使いにくいと感じるでしょう。

しかし、長時間使ってみて気づいたのが、ホームボタンを「押し込む」動作をするよりスワイプするほうが楽なこと。スイスイ操作できます。

特に寝っころがってスマホしているときは効果を感じられますよ。腕の支点が不安定な姿勢なので押し込む必要がないというのはかなり快適です。

また、特に便利だったのが、左右スワイプで前後のアプリ切り替えが可能であること。以下のようなイメージでブラウザで調べ物をしながら、メモを取るなんてことが簡単にできます。

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一方で、従来のアプリ切り替えは、上にスワイプして一旦止めることで実現できます。

このアプリ切り替え画面があるまでに一旦停止する時間がありますが、この「中間で止める」という行為は、ホームボタンを連打するよりも「意識」が必要であり、結構ストレスがたまります。

これまでのiPhoneではホームボタンを連打するだけですぐにこの画面に遷移できましたが、一旦停止せねばなりません。

これについてはもう少し切り替わるレスポンスを早くしてもらえるとありがたいですが、慣れてくると問題になるレベルではありません。

また、個人的な要望としては、このホームバーは消すことができるようになるとありがたいです。

後述する切り欠きの部分と相まって、画面の中間が狭まっている印象を受けます。加えてホームバーが重なって見え、ブラウザやゲームをしていると、邪魔に思えたり、デザイン上無駄な余白があるからです。

このホームバーは使っているうちに自然と操作を覚えてくるので、かつてのコントロールセンターの配置のように、ベゼルの部分をスワイプするようになるとよりクールかなと思います。指が届きにくくなってしまうかもしれませんが、画面表示はさらに改善するでしょう。

結論からすると、これまでのホームボタンのジェスチャー化というチャレンジには満点をあげたいです。一度慣れると斬新さと実用性が高度にマッチしていると実感できます。

一度使うと、やっぱり元のiPhoneには戻れない。確実な正統進化。

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※iPhone X機種変時に、とある大ミスをやらかしてiPhone7を文鎮化させてしまいました。。。(笑)また改めて比較画像など掲載します。

価格だけあって当たり前なのですが、一度慣れてしまうと、やはり普通のiPhoneには戻れなくなります。

一言でいうと全てがド迫力です。やはりベゼルレス×有機ELによる恩恵は大きい。

有機ELは以前Galaxyシリーズを利用している時に感じた色彩のビビットさが少なく、正直期待していた程印象に残らなかったのですが、iOSの持つ印象を崩さず、かつ有機ELの良さを活かせている感じがして好印象。

写真を見るのもそうですし、ゲームをやるときも没入感が違います。

また、スピーカー性能もiPhone7より向上しており、表現できる音の幅が広がった印象。

▲適当に撮った写真だが、有機ELの色彩度もあってか、まるで浮き出てくるかのような表示。

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▲昔良くやってたGameloftの有名FPS「モダンコンバット5」。その世界に入り込めるような没入感がある。

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▲同じくGameloftの「アスファルト8」。レーシングゲームということもあって、スピーカーの性能アップ含め迫力満点。

また、性能も恐ろしいほどです。ベンチマーク等は他のサイトで見ていただければと思いますが、実用面で一番ビックリしたのは、Siriのレスポンス。

例えば、「明日の天気は?」という質問に対し、その回答が返ってきたのは発言してから1.8秒ほど。Google Homeのような音声操作専用端末でも2.3秒かかったので、レスポンスは相当に早いと言えます。

iPhone 8で操作したことがないのでわかりませんが、少なくともiPhone 7よりは圧倒的に早いです。

ただ、やはりベゼルレスなディスプレイを搭載していることもあってか、バッテリー持ちはそこまで変わらないか、やや劣ります。

平日利用ではゆうに1日利用できますが、発売日の最初の3連休で丸一日利用した感じ、フル充電からバッテリー切れまで実測7時間ほどと、新品にしてはバッテリー持ちに優れているとは言えません。

以下の記事によると、バッテリー容量は2,716mAhを搭載しており、スペックだけ見るとiPhone 7の1,960mAhの40%弱向上していると言えますが、ほとんど変わらないといった印象で、正直体感できませんでした。

iphone-mania.jp

しかし、これだけの大画面を有していて、iPhone 7とほぼ同様のバッテリー持ちなのは、良いとは思います。

そして、やはり様々な面で進化しているだけあって、一度手に入れてしまえば、普通のiPhoneはどうしても見劣りします。

しかし何かが物足りない。「未来」と言うにはモヤモヤ感が満載。

さてここまではiPhone Xの買ってよかった点を記載してきたのですが、どうも期待していたほどしっくり来ていません。一週間使い続けても、このモヤモヤは消えませんでした。次に、色々考えてみて思う点を掲載していきます。

その進化はGalaxyでもう見たよ

外観には個性があってよいなと思うのですが、その進化はほとんどAndroidスマートフォン(特にGalaxyシリーズ)で見てきたようなものばかりです。

  • 顔認証機能
  • ホームボタン廃止
  • ベゼルレスな外観
  • 有機ELディスプレイ

Face IDやA11 Bionicなど、性能面ではiPhone Xの方が良い部分は確かにあるのですが、その機能やハードウエア的な特徴は、ほとんど他のAndroidスマートフォンですでに見てきているものばかりです。

iPhone Xを所有することに満足を覚えつつもそこまで凄いと思えないのは、この既視感が原因なのかもしれません。

生活を変えるような何かができるようになったかというと、実はそうでもない。

上の方で、iPhone Xの性能は素晴らしいと書きました。

しかし、これまでのiPhoneと比較して、新しくできるようになったことと言えば、Face IDとAnimojiくらいのもの。それらは日常使いとしてはちょっとした変化であり、使ってみて最も変わったと言えることは、画面がベゼルレスになって大きくなったくらいなんですよね。

つまり、私が感じたものをそのままお伝えすると、パソコンのモニタを2K→4Kに変えた時と同じような感覚に留まるんです。

これは、スマートフォンというジャンルがすでに成熟期に達している現状、iPhoneだけに限る話ではないのですが、上述の通り正統進化を感じるものの、これが未来かと言われるとどうなんだろう?というのが正直なところです。

やっぱりその存在が不気味な「切り欠き」

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発売当初からずっと不安に思っていたこの切り欠き。私のこだわりが強すぎるだけなのかもしれませんが、1週間使ってもやっぱり違和感は拭えません。

これまでのスマートフォンの大半は長方形のディスプレイでした。印刷物としても現像された写真としてもこのような形状で表示されることはありません。

表示領域が増えているのは確かなんですが、常識的に本来ディスプレイが存在し、そこに情報があると「感じる」部分が文字通り欠けているんですよね。

使っていくうちに、正直そこまで気になるものではありません。文字や画像が見えなくなるといった致命的なものでもなく、iPhone Xとはこういうものなんだ、と認識するのに慣れれば大したことはありません。

しかし、この切り欠きによって、本来的な体験が失われていると思えるのも事実。

その代表としては、電子書籍です。

私は、Kindleや紀伊国屋Kinoppyをよく利用しているのですが、iPhone Xにまだ未対応だったので、対応していたiBooksで試してみました。

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▲有機ELの黒表現もあるのか、表示はかなり綺麗だが、やっぱり上半分がなんか変。

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▲マンガ。(有料なので、モザイク)元々アスペクト比問題もあり、表示的にはデッドゾーンが多く、最悪だが…

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▲拡大表示しても、上半分が破れた本を見ているかのようだ。

確かに、ディスプレイの表示領域という意味で言うと割合的には多いですが、それと同時に視認性が失われています。

この切り欠きを何とかしたいと思っていますが、左右端を塗りつぶすわけにもいかないですし、通知バーのデザインをカスタマイズできるわけではないので、どうにもなりません。やはりアプリ側の設計に頼るしかない部分です。

その中で、YouTubeアプリの表示は中々いい感じです。

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▲YouTube動画の表示。時計とバッテリー残量が常時表示されている。これまでのiPhoneではスペースの関係上、スワイプしないと出てこなかった。動画にハマりすぎて無駄な時間を過ごしたり、充電切れというリスクがないのが何気に嬉しいポイント。

また、黒い背景のアプリは画面がかなり広々とした印象を持つことができます。

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▲「株価」アプリを表示。通知部分が元々ブラック背景であり、株価の増減部分は、有機ELのビビットなカラー表現も相まって、視認性が非常に高い。切り欠きと一体化しており、画面がとても広く感じる。

また、この切り欠き自体が機能している部分もあります。

▲右サイドを下にスワイプすると、コントロールセンターが開かれる。左サイドやセンサーハウジング部分を下にスワイプすると、通知バーと工夫がされている。ただ、左サイドは有効活用されていなかったり、現状ではそこまで特筆すべき機能とは言えない印象。

こういう感じで、切り欠きそのものに機能性を感じられるものだと良いのですが、ほとんどのアプリが現時点では「食いちぎられた画面表示」と言わざるを得ません。

私が望むのは、この切り欠き(Safe Areaの外の領域)部分の背景や機能を個別にカスタマイズしたりできるようになれば、もっとこの部分を活用できるのではないかなと思っています。まぁガイドライン規定の関係上、難しいですかね。。。

結論として、この章で何が言いたかったのかというと、「奇妙な形をしている割に、それを活かせる機能性をほぼ持ち合わせていない。結果として、ただ不気味で視認性を悪くしているだけ」ということです。

全般的にその大画面を活かしきれていない。無駄な領域が多い。

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まだまだアプリが未成熟なのか、それとも「ゆとりあるUI」を体現しているのか、よくわかりませんが、私としてはその大画面を十分に活かしきれているとは感じられません。

特にキーボードがネック。

確かにキーボードを利用するときには、やや上部に配置されていたほうが操作がしやすいのは確かです。

しかし、そのせいか、キーボードとの余白が大きすぎで、無駄になっている感が否めません。

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▲画面の端を支点にすることができず、若干ブラインドタップがしにくい。デザイン的にも余白が気になる。

「ゆとりあるUI」と言われるとそうなのかと言うしかないですが、であれば操作面の都合上、まず指が届きにくい左端に、従来通りの小さい地球儀マークを配置するなんてことはしないでしょう。

私としてはただ大画面を活かしきれていないだけな印象です。

この大画面を活かす手段ならではの機能としては、例えばiPadにある「Split View」をできるようにしてもらいたいです。AndroidでもGalaxyシリーズが最初にこの機能を有し、Android 7.0でOS標準になったマルチウィンドウのような機能です。

これは、例えば動画を見ながら他の画面を操作できるようになったり、ブラウザで調べ物をしながらメモをとれたりするもの。

私がかつてGalaxy Note 3やNexus 6Pを利用していた時は、YouTubeで動画をながら視聴しながらブラウジングをすることは快適でした。

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▲左がNexus 6P。YouTubeとブラウザのマルチウインドウ。やっぱりこういう大画面ならではの機能、欲しいよね。

こんな感じの機能があれば、もうちょっと大画面を活かせると思うのですが、現状ではただ画面が大きく綺麗になっただけという印象を持たざるを得ません。

スマートフォンは小型派の人にはそもそもiPhone Xは対象外となると思いますが、小型派の人も「その大画面を受け入れざるを得ないほどの魅力的な機能やUI」を持ち合わせてはいなかったのです。

Face IDによる認証は革新的だがTouch IDを代替できない

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Face IDについては、私の中では非常に評価が難しかったのですが、微妙な点のところに記載しました。いずれ使っていくうちに評価が変わるかもしれません。

iPhone Xの中で最注目されている機能であるこのFace ID。実際のところ使い勝手はどうなのでしょうか。

その性能自体は期待以上です。多くで語られているように、レスポンスも思ったよりよいです。

Touch IDと比較すると遅いと言えますが、少なくともこれまでのAndroid端末に搭載されてきた顔認証よりは、圧倒的に優れています。

また、手汗を書きやすい私としては、指紋認証よりも顔認証の方が正直嬉しいです。

では何故微妙な点に記載しているのか、以下に述べていきます。

ちょっと体勢や角度を変えるだけでロック解除がされにくくなる。

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これはFace IDを全面に押し出すには致命的。特に寝っ転がったときに認識されにくくなるのは辛かったです。いちいち身体を起こしたりしなければならないからです。

パスコードで解除すれば別によいのですが、これまでTouch IDが便利と感じていた人にはちょっと厳しいかもしれません。

これは持ち前の機械学習で将来的に何とかなっていくのかもしれませんが、現時点ではTouch IDに劣ると思います。

私が不便だなと感じたことは、勉強中に卓上にあるスマホの通知を見たい時。

これまでは卓上に置いてあるiPhoneに指を置き、ロック解除をして卓上に置いたまま操作することができました。

しかし、今はiPhoneを手に持ち、顔の正面に向けなければなりません。こんな手間はかけたくないです。これは、新しく追加されたワイヤレス充電とも相性が悪いです。

iPhoneをちょっと傾けて、正面でなくてもロック解除できればよかったのですが、そこまでの性能はない様子。かつてこれができていたと思うと、少なくとも実用面ではTouch IDから劇的に進化したとは思えません。

ロック画面の解除に難あり。

ロック画面の解除方法については、改善してもらいたいです。その順序は以下の流れです。

*「iPhone Xを持つ→認証される→画面をスワイプする。」

Face IDは顔認証できたらそのままロック画面解除されるのかと勝手に思い込んでましたが、実際には画面をスワイプする必要があります。

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▲この上にスワイプして開くが画面下からの動作であることもあり、手間。

何故Face IDでスクリーンに触れる必要すらない、というシームレスさを体現できたのに、画面をスワイプする必要があるのか。

同様にApple Payでも支払いをするために、電源ボタンをダブルプッシュしなければなりません。

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▲必ずダブルプッシュして決済する必要があり、結局手間がかかる。

あまりにも簡単に解除されることで、誤決済を防ぐための安全策など色々考えられているのかもしれませんが、実用面では納得が行きません。結局のところ指で操作する手間という意味では、Touch IDと変わらないからです。

マスク文化の日本人には合わないかも

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このFace ID。メガネ姿とかでは認証できるのですが、その特性上、マスク姿ではやはりNGでした。いちいち外さなければなりません。

かといってマスク姿で、このFace IDを登録できるわけではありません。

私はこれから来る寒い冬にはマスクをするので、めんどくさいなぁと感じる点です。ヒゲ隠し(笑)にも使っていたりするので、店員が目の前で思いっきり見ているときにマスクを外してというのは、誰も気にしてないだろうと思いつつも、やはり嫌ですね。

このマスクを外すというのは、女性には中々厳しいんじゃないでしょうか?どうしても実用面でのネックになる気がします。

マスク姿でも登録できるようになればいいんですが…またはGalaxyシリーズのように搭載されている赤外線センサーに虹彩認証機能を持たせるなど。。。まぁ現状では難しいですかね。。。

Face IDは革新的だが、Touch IDを代替できているとは言い難い

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上述してきましたが、これまでのTouch IDを代替できているかというとそうではなく、むしろ不便になる部分が多いです。

今までAppleは様々な技術を切り捨て、自分たち技術や都合にユーザを合わせさせる、という印象を持たざるを得ないことをしてきました。直近で言うと、Macbookでは全てがUSB-Cになり、iPhone 7からヘッドホンジャックも切り捨てられましたね。

これらは、USB-C対応コネクタやBluetoothイヤホンを別途購入することで、何とかそれに合わせることができたのですが、このTouch ID切り捨てだけはどうにもなりません。

なぜかというと、人間の胴体を認証に使っているので、使えないとなった際に周辺機器をiPhone Xに合わせて買い直すといったような、代替手段を取るのが無理だからなんですね。

持ち前のA11 Bionicの機械学習を活かし、アップデートも含めFace IDがどんどん進化してくれれば良いのですが、現状ではTouch IDの利便性を代替できているとはいえません。

このタイミングでTouch IDを切り捨てFace IDに切り替わったことは、その革新性は体感できるものの、ただ利便性を捨てる結果になってしまった気がします。せっかく縦列配置のカメラなので、このカメラに合わせて指を置き、生体認証できたりすれば良かったんですがね。

つまり、ここで言いたかったこととしては、FaceIDの性能そのものは素晴らしいが、代替の効かないその欠点を補完できるような手段は、さすがに残しておいても良かったんじゃないか?ということです。

とはいえ、無くなったものをいつまでも嘆いていては仕方ありません。

これは上述したようにFace IDの進化に期待したいところです。少なくともちょっと角度がついている配置でも認証解除できるようにすれば、だいぶ変わってくることでしょう。

対応アプリがかなり少ない

これは時間の問題とも言えますが、iPhone Xに対応していないアプリはかなり多いです。

現状では例えばLINEが対応していません。そのくらい大手のアプリですら対応していないという現状なんです。

iPhone Xに対応していないアプリだと、デッドゾーンが表示され、使えないとは言わないまでも、視認性が非常に悪くなります。

特にGoogle系のアプリはほとんどが現時点で未対応なのは痛い。

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▲Google Mapを表示。このデッドゾーンは最悪。使う気にならない。

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▲Appleのマップを表示。広々使えて今のところメインで利用中。

これが実用面では1番クリティカルな問題とは思うのですが、かつてのRetina対応のときのように、いずれ対応してくると思いますので、そこまで多くは語りません。

iPhone Xの示す未来を体感できるのはいつなのだろうか。

ここまで見てきて、iPhone Xは期待外れの製品だったのか?と思われるかもしれません。たしかに、正直13-14万ものお金を払って何か価値があるものには感じられないというのが現状です。

しかし、私は明らかに全てを引き出せていないiPhone Xが逆に魅力に感じます。進化の余地が大いにあるからです。

ではその未来に向けての重要なポイントは何なのでしょうか?私にとって、それは次の2点です。

形成されつつあるエコシステム。iPhone Xの最大の価値は「AR」

ARアプリを試してみましたが、没入感がかなり高いです。iPhone Xの特徴は、ほとんどがARに最適化されています。主に下記のとおりです。

  • A11 Bionicによる圧倒的処理能力と機械学習による画像認識。
  • 画面四隅すらベゼルレスにした外観により、まるで現実世界をそのままiPhoneに取り込んでいるかのような錯覚。
  • True Depthカメラシステムによる高精度の深度認識。
  • 縦列配置のカメラにより、横向きにした際に対象物を左右角から奥行きが捉えられ、深度がより認識されると見られる。
  • 色彩表現優れる有機ELディスプレイの表示

iPhone Xのハードウエア的な特徴は、どれもARのためにあるようにも見受けられます。そしてiOS 11から、開発ツールとしてARKitを利用することができるようになりましたね。

上記の特徴から表現されるiPhone XのARの世界、やはり普通のiPhoneと比較すると没入感がありました。

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▲家具を置いてみた。by Roomle

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▲家で恐竜を飼ってみた。by Monster Park

この写真だとわかりにくいかもしれませんが、ベゼルレスな外観により、現実世界をそのままiPhoneの中に取り込んでいるかのようです。

個人的にはARアプリの本命の一つである、「IKEA Place」が未だiPhone Xに対応していなかったのは残念なところでした。

このような感じで、iPhone XのAR体験は素晴らしいものがありましたが、まだまだ未成熟でキラーとなるアプリが少ないのが現状。

もっと現実世界とテクノロジーの世界をシームレスにし、かつ利便性に優れ、より楽しめるものが増えていって貰いたいです。

それに向けた第一歩として、私はAR地図に期待しています。

www.gizmodo.jp

さて、このポストスマートフォンを担う主役の技術の一つであるARは、iPhone Xの大きな特徴の一つといえます。

iPhone自体の性能も去ることながら、ARKitの恩恵もあるのか、より多くの人にリーチできるエコシステムを形成しているのは、Apple以外に知りません。

Googleの「Tango」は要求スペックが非常に厳しく、より一般ユーザにも普及するようARCoreを発表し、同様のアプローチでの舵を切りましたね。

developers.google.com

ただ、スマートフォンにおけるARでは、革命が起こるとまでは言えないでしょう。少なくともかつてのセカイカメラと同様の失敗をたどる可能性は高いです。

何故かというと、スマートフォンを「常にかざす」必要があるという課題を本質的に改善できないからです。

実際iPhone XでARを利用していても、iPhone 7と比較して本体重量が増加していることも起因となり、あまり長時間の利用は難しそうだなという印象。

しかし、徐々にARが世に浸透していくことでしょう。これによって、Appleも様々なノウハウをもつはずです。

それが次のポストスマートフォンと称される未来の端末に活かされることは間違いないです。

私は、AppleのARへの姿勢が好きです。使ってきた中で改めて感じたのは、Appleの示す未来のスマートフォンの正体とは、現実世界とテクノロジーの世界の境界線をなくすものと思いました。

その入口という意味ではiPhone Xは十分に機能していると思います。

ソフトウェアが未成熟であることにより、逆に進化が楽しみなスマートフォン

最近のスマートフォン市場は成熟期にあり、特にiPhoneは長らくその外観も変わらなかったことから、新しいiPhoneが出てきても何か物足りないなという印象でした。それらは他のスマートフォンでも同様です。

そして私が上述で指摘してきた欠点のほとんどは、ソフトウエアの機能に依る部分がほとんどです。

つまり、逆を言えば、その欠点は今後のアップデートにより進化・改善される可能性が高いということです。

ともすると、これまで正統進化ばかりでスマホマニアとして退屈だった私からすると、とても面白く興味深いスマートフォンと思っています。

おわりに:iPhone Xは未来への階段を登ることを楽しむためのスマートフォン

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私がiPhone Xを利用して得た現時点での結論は、誰もが分かっているように、ソフトウエアが未成熟で、ハードの良さを引き出せていないことです。

Apple製品の良さであった、ハードウエアとソフトウエアがシームレスに結びついているものとは言い難い。

現時点では「未来そのもの」であるとは言えない。洗練されていないんです。

よって、現時点でiPhone Xを万人にオススメできるかというと、正直微妙です。

上述の通り正統進化は確実にしているものの、14-15万ものお金を払って文字通り「未来のスマートフォン」を体感できるほど、何かができるようになっているわけでもなく、むしろこれまでよりも不便になる部分があるからです。

手に入れたら素晴らしい体験ができるだろうと思いつつも、「買うのは今じゃない」と言ってしまうかもしれません。

しかし、未来に向けては、とても楽しみなiPhoneです。私がこれだけあーだこーだ言っているのは、逆に期待の裏返しでもあります。

いずれアップデートでされていくでしょう。よって私のような、新しいもの好きでテクノロジーの進化を体感したい、Apple製品が好きでたまらない方にはとてもオススメできる製品です。そもそもそういう層の方は、私なんかがこんだけダラダラ説かなくても、iPhone Xにすぐ飛びついているかもしれませんね。

まとめると、「そろそろ機種変したいんだけど、iPhone Xでよいか?」という質問をされたのであれば、新しいもの好きな方には「今買い」、そうでない方には「iPhone 8を買うか待った方が良い」という、長々述べてきた割にはごく普通で当たり前の結論に達しました。

Appleの示す「未来」を真に体感できるのは、まだ先の話と言えそうです。ただどのように進化していくのか、ワクワク感のある非常に楽しみな製品。今後に期待しています。

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