ラトックシステムのスマート家電リモコン:RS-WFIREX4をレビューします。
ラトックシステムのRS-WFIREXシリーズは、スマートリモコンとして比較的に有名な製品であり、有用なアップデートもどんどんされていき、その決定版の一つといえるものでした。
今回、新作RS-WFIREX4が発売されたので、前作との比較とその特徴について、実機を利用した所感交え、改めてレビューをしていきたいと思います。


レビューポイント
- 壁掛けでも違和感なく
- 初期設定が簡単・マニュアルがかなり充実
- AIアシスタントへの対応に非常に優れる
- 照射範囲がかなり広い
- 必要不可欠な機能が備わっている
- もう一歩IoTの流れに踏み込んだ機能があると嬉しいかも(家電の自動制御など)
目次
前作RS-WFIREX3との変更点
まずは、変更点から見ていきたいと思います。
なお、RS-WFIREX3については以下の通りレビューしていますので、こちらも合わせてご参考にしてください。

外観がコンパクト&白素材に。壁掛けの利便性向上!

前作RS-WFIREX3の筐体はオシャレという感じではなく、いかにも制御装置感が強いものでした。
その分赤外線の照射範囲が広いというのが強みでしたが、家に設置するとなると、インテリア面でやはり部屋の景観を崩さない、さりげないデザイン性は大事にしたいところ。
今回RS-WFIREX4では、外観に白のプラスチック素材が使われており、壁掛けなどある程度部屋の目立つ位置においても、そこまで違和感のないものに仕上がっています。









しかも驚きなのが、このコンパクト・白い素材にも関わらず、赤外線範囲の届く範囲が向上していること。
通常、赤外線を発信する装置では、黒い素材の方が通しやすい性質を持っています。
それは内部に複数の赤外線モジュールを搭載しているスマートリモコンも同様で、外観が白いものといえば他にNature Remoくらいでした。
それがRS-WFIREX4によって、壁面という各家電に赤外線を通しやすい部屋の景観を崩さずに設置できるのはとても大きなポイントと思います。
スマートリモコンは部屋の各家電に赤外線を届かせるといった性質上、ある程度部屋の目立つ位置に置く必要があります。
よって、この外観の変更点は実はかなり重要なものと思っています。
ソフトウエア面の進化はほんのわずか
外観に大きな変更があったRS-WFIREX4ですが、実はアプリ側は従来のRS-WFIREX3と同様のものを使います。
唯一変更があったポイントは、部屋の照度を「明るい/やや暗い/暗い」という三段階で表示するようになったこと。

これでもいいのですが、数値よりもこのような表示の方がパッと見でわかりやすいのが良い点。
これは、スマートスピーカーでカスタムスキルを利用した時に、ぱっと見の表示がわかりやすいというメリットもありました。
ただ、基本的に同一のアプリで利用するため、できること・できないことは大きく変わっていません。
実際に利用してみたところ、性能差もわずかな差ですので、大きな違いは外観。ここに特にこだわりがなければ、型落ちして若干安くなっているRS-WFIREX3を選択肢の一つにするのも良いのではないかと思います。
RS-WFIREX4の特徴

さて、ここまでは前作RS-WFIREX3との違いを見てきました。
ここからは、前作とかぶる部分もありますが、RS-WFIREX4の特徴を改めて実機を交えレビューしていきたいと思います。
初期設定が簡単、Webマニュアルも極めて充実。スマートリモコン初心者向けとしてベスト!
ラトックシステムのスマートリモコンで個人的に優れていると思う点の一つとして、各種設定周りの導線がわかりやすく、初心者にも優しい気遣いがいくつもあること。
まず大半のスマートリモコンは初期設定時に「機器のSSIDを指定してスマホに登録」→「機器用のWi-Fi設定」といった工程があります。
つまり、2重でWi-Fi設定をする必要があり、画面遷移やWi-Fi接続で手間が発生します。
この手のデバイスに扱い慣れていない方だとこういった細かい点が何気にハードルになっているんじゃないかなと思っています。
その点、RS-WFIRIEX4(RS-WFIREX3も)は、QRコードでデバイス登録ができることにより、このWi-Fi設定の行ったり来たりといった手間を省いて設定可能です。

さらに素晴らしい点が、Webマニュアルもかなり充実していることです。
参考 SUPPORT & FAQ RS-WFIREX4ラトックシステムスマートリモコンでありがちなのが、接続がうまくいかなかったりすることですが、この点のFAQが豊富だったり、Wi-Fiルーターとの互換性情報が掲載されていたりと非常に充実しています。
メーカーのラトックシステム社は元々パソコン・スマホ周辺機器メーカーとしてこの手の運用保守まで含めた制御機器の扱いに強みがあるのではないかと思っています。
これが、私が数あるスマートリモコンの中でも最初の一台、初心者向けとしてベストであると考える理由です。
AIアシスタントへの対応はスマートリモコンでも1、2を争う充実っぷり

現在トレンドとなっているAIアシスタントとの連携。
スマートリモコンを購入される方はスマートスピーカーとセットで用い、音声で家電を操作したい!という方もかなり多いのではないのでしょうか。
私はこのスマートリモコン界隈を約2年ほどリアルタイムに情報を追ってきていますが、特にAIアシスタント側がまだまだ発展途上なこともあり、頻繁に仕様変更が起こります。
この点、RS-WFIREX4は各社スマートリモコンの中でも、1,2を争うほどの対応力であり、AIアシスタント側の対応に合わせてかなり早いタイミングで新機能をリリースしています。
さらに、主要AIアシスタント:Amazon Alexa/Google Assistant/Siriにも全対応しています。(Homebridgeを無視すると、Siriまで正式対応しているのがすごい)
実際に利用してみたところ、どのアシスタントでも話しかけてから平均2-3秒程度で家電操作することができ、ユーザビリティも非常に優れています。
それぞれの連携方式について所感交え詳細を述べていきたいと思います。
Amazon Alexa(Amazon Echo)との連携
Amazon Alexaとの連携では、スマートホームスキルとカスタムスキルに両方対応しています。
特に重要なのは、Alexa側で2018年10月、2019年1月にリリースされた、スマートホームスキルでテレビ(エンターテイメント)、エアコン(サーモスタット)に正式対応していることです。
従来のカスタムスキルでの方式は、テレビのチャンネル変更やエアコンの温度変更など細かい操作をする場合、冒頭に「家電リモコンで」という冗長なセリフを言って操作しなければなりませんでした。
カスタムスキルの場合上記スマートホームスキルの方であれば、シンプルに柔軟な操作ができるので、この対応は音声操作をする上では非常に大きいです。
これにより、操作の際は、スマートホームスキルの方をメインにすると使いやすいです。
現状、カスタムスキルを利用する場合は、センサー情報を使って部屋の温度・湿度・明るさを確認するくらいではないかなと思います。
上記のように、RS-WFIREXシリーズはAlexaの仕様変更・機能追加にいち早く対応してきています。
よって、今後のAlexaのアップデートにも期待が持てるでしょう。
以下に簡単な操作用例を掲載します。
参考:スマートホームスキルでの操作用例家電 | 操作 | 発話例 |
テレビ | 電源 | テレビをつけて/消して |
チャンネル | 4チャンネルにして | |
ボリューム | ボリュームを3上げて/下げて | |
エアコン | 電源 | エアコンをつけて/消して |
温度設定 | 24度にして | |
モード設定 | 暖房にして/暖房24度にして | |
モード確認 | エアコンの”モード/設定温度”は何 | |
照明 | 電源 | 電気をつけて/消して |
照度 | 明るくして/暗くして | |
その他 | 電源 | 〇〇をつけて/消して |
Google Assistant(Google Home)との連携
Google Assistantで操作する場合、Direct Actions方式とConversation Actions方式にそれぞれ両方対応しています。
基本的にはAlexaと同様な操作方式です。
これも、Google Assistant-スマートリモコン間でおよそ想定されうる操作に全て対応しています。
ちなみに、Alexaと違いGoogle Assistant側ではDirect Actions側でテレビの細かい操作の仕組みを持っていないため、このような細かい操作はConversation Actionsを利用しましょう。
この場合、「家電リモコンで」というセリフをつけなければなりませんが、Google Homeアプリのルーティン機能を絡めれば、それを省くことができます。
Siri(ショートカット機能)との連携
この製品の大きな特徴は、さらにSiri(ショートカット機能)にまで対応しているということでしょうか。
他社製品では、これに対応しているものは現状なく、Homebridgeなどを絡めた開発が必要になったりするので、正式対応しているというのがありがたいポイントです。
Siriに対応していれば、例えばAmazon EchoやGoogle Homeを持っていない人でも、iPhoneやApple Watchユーザーであれば、家電の音声操作をすることができます。
詳細の設定については、Webマニュアル詳細版の該当箇所を見てみてください。
ここでは特徴的な部分をご紹介します。




これは、iPhoneだけでなくApple Watchからでも操作できるので、出先からでもサクッとSiriを呼び出して家電操作できるのが実際に使ってみて嬉しかった点。
音声アシスタントといえばAlexaやGoogle Assistantが最近の主流ですが、Siriでの操作もかなり良い感じですよ!
こちらも詳細は、Webマニュアル(詳細版)に詳しい説明がありますので、合わせてご参考まで。
参考 SUPPORT & FAQ RS-WFIREX4ラトックシステムとにかく照射範囲が広い
これは先述していますが、RS-WFIREXシリーズは家電制御の範囲が広いことが大きな特徴です。
RS-WFIREX4は有効範囲(半径)がスペック上、最大30mの範囲で届くとのこと。ここまでの広範囲で届くスマートリモコンは現状ありません。
実際に私の家でも試してみましたが、リビング(14畳)で部屋の端から端まですべての家電が届きました。
さらに、自宅で計測できる限界地点:15m先にあるエアコンが操作できるのか?検証してみましたが、こちらも難なく家電操作できました。すごい!
正直これ以上の性能がいるのか?というほどのもので、この点からも家電操作が本当にできるのかという不安を解消することができるかと思います。
センサー内蔵で見守り用途にも使える
RS-WFIREX4は温度・湿度・照度センサーを搭載しています。
これがあると、室内をより快適にするための指標になったり、ペットや高齢者の見守り用途にも使えるので嬉しい点。


ただし、他のスマートリモコンと比較してしまうとややネックなのが、このセンサー情報を使って家電制御をすることができないといった点です。
例えば、「部屋の温度が10度以下になったら、暖房をつける」とかそういった機能もほしいなあと思っています。
また、他のスマートリモコンにある比較的便利な機能:ジオフェンス(スマホの位置情報を元に外出/帰宅時に家電を自動制御)ができないのが残念なところですね。
せっかくのセンサー内蔵であり、スマートリモコンというデバイスの性質上、やはり環境情報を元に、実際の家電操作まで自動実行するといった機能があると、もっとIoTデバイスらしく、利便性が上がるポイントではないかと思います。
これは今後のアップデートに期待したいところですね。
マクロ機能が便利
RS-WFIREX4ではマクロ機能を搭載しています。これがこのような学習リモコン導入のメリットの一つです。
これは、簡単にいうと、任意のボタンを指定した順番に自動実行できる機能のことです。

画像左ではテレビのザッピング処理を、画像右ではシーリングライトの調光を設定。
これによって、簡単な設定でボタンを1回押すだけで、自分の好きな操作を自動化できるので、とても楽ちんです。

一つ欠点として、マクロボタンはAIアシスタント側から実行することができないのがデメリット。
例えばAlexa側の定型アクションを組んだり、上記のSiriショートカット機能を駆使すればマクロ機能を実現できるのですが、アプリ側と設定を同期させたい(ルール変更する際に2つ変更するのが面倒)ですし、アプリ側のマクロ機能の方が遅延時間を細かく指定可能なので、これはAIスピーカー側からもできるようになればなぁと思っています。
とはいえ、ワンプッシュで色々できるので、普通にアプリから使うにはとても便利な機能です。購入されたらぜひ試してみてください。
おわりに
RS-WFIREX4は前作であった外観のクセもなくなり、マニュアルも非常に充実、価格もそこそこ、スマートリモコンとして実用性が高い機能を厳選して揃えている感じで、最初の一台・ホームIoT初心者にふさわしいデバイスです。
今後はより家電の自動実行などができるようになっていくとうれしいなと思っています。
本日(2019/2/18)IFTTTに対応したとの発表がありました。
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https://www.ratocsystems.com/info/news/2019/0218.html