我が家のスマートホームを公開!

スマートホームとは?|実現へのアプローチや国内外の最新市場動向を解説!

「スマートホーム」という言葉、最近耳にする機会も増えた方が多いのではないかと思います。

特に、2017年にスマートスピーカーが日本で発売開始となってから、ちょっとしたムーブメントとなり、徐々にその存在が一般化しつつあります。

よく言われるのは、照明やエアコンなど、家電の「音声操作」や「遠隔操作」というものです。

ただ、いまいちフワッとした、バズワードに近い概念であり、一体何ができるのか・どんなメリットがあるのか、曖昧な方も多いのでは無いかと思います。

そこで今回は、ユーザーとして日々スマートホームを研究し、利用している私が、スマートホームとはどのような概念か、最前線の動向とそこから類推できる未来について、利用者視点を交え解説させて頂きます。

Kou

スマートホームという概念は、国策やメーカ側の思惑で定義されることが多いのですが、この記事では利用者観点から、よりフラットかつ実態に即した内容を意識して解説します。

スマートホームとは?

そもそもスマートホームとはどのような概念を示すものなのでしょうか。

スマートホームとは、家の中のモノを「インターネット」に接続し、生活を便利で快適にする概念を指します。

ただ、インターネットにつながったからといって、果たして何ができるの?と疑問に持つ方は多いかと思います。

ということで、まずはスマートホームのメリットについて述べていきます。

メリットは?

今一番のムーブメントとなっている例は、「スマートフォン」や「スマートスピーカー」をハブとし、家電の「音声(ハンズフリー)操作」や「遠隔操作」といったことが可能になります。

実生活レベルまで落とすと、例えば以下のとおりです。

  • スマートスピーカーに話しかけて声で家電を操作(ハンズフリー操作)
  • 寒い/暑い、外出先からエアコンを操作し部屋を暖めて・冷やしておく

さらに極めて行くにつれ、こんなこともできます。

  • カーテンを日の入/出に合わせて自動操作
  • 外出・帰宅時に家電を自動でオフ・オン
  • 自宅の鍵をハンズフリー解錠・オートロック
  • 空調の自動制御
  • 不在時の防犯・見守り

仕事や勉学、家事で忙しい会社員・学生・主婦の方や、高齢者の方、ペットを飼っている方など、あらゆる方を対象とし、生活の利便性や快適性を向上してくれます。

つまり、スマートホームは、「生活の質(Quality of Life)を上げる概念」と言えます。

▲筆者自身もこんな感じで便利に利用してます!!

スマートホームを実現するには?

スマートホームを実現するためには、主に以下3つのアプローチを取ることができます。

スマートホームデバイスを取り付けて既設の家電を制御する

最も簡単にスマートホームを導入できるのがこのアプローチです。

既設の家電操作をこのWi-Fi対応のスマートホームデバイスが代替してくれるものです。

最も簡単な例は「スマートリモコン」と呼ばれるデバイス。

これは、「インターネットに接続する学習リモコン」であり、スマートフォンやスマートスピーカーから司令を出し、リモコンの代わりに、操作してくれます。(IRリモコン限定)

▲こんな感じでリモコンを遠隔操作することで、家電を制御できます。

これによって、リモコンをスマホにひとまとめしたり、外出先から家電を操作したり、スマートスピーカーを経由して家電の音声操作ができるようになります。

このように、家電自体は従来のものでも、デバイスを外付けするような形で家に設置することで、様々な制御が可能となるアプローチです。

これは、日本では2017年にスマートスピーカーが発売開始となってからできたムーブメントとなっており、現在の主流となっています。

これは高額かつ大型の家電をわざわざ買い換える必要なく一通りのことができるので、スマートホームを体験したい方にはまずはここから始めるのが良いでしょう。

Kou

一般的には「スマートホーム化」と呼ばれています!

それ以外にも、以下のようなものがあります。

  • スマートロック:家の鍵に取り付けて、スマホで開け締めや自動制御を可能とする
  • スマートライト:Wi-Fi対応の電球で、照明の遠隔操作や音声操作を実現する
  • スマートプラグ:コンセントとの間に噛まして主電源のオン・オフを実現する

メジャーどころはだいたいこんな感じです。

詳細は以下の記事にまとめています。

smarthomeスマートホーム化におすすめのデバイス30選|IoTのある生活を簡単実現!

スマート(IoT)家電を導入する

これは、家電自体がインターネット(Wi-Fi)対応しているものですね。

最もわかりやすい例は、ロボット掃除機です。

本体のボタンだけでなく、スマートフォンをリモコン代わりにして制御することができます。

他にも、例えば以下のようなものです。

スマート家電の例
  • 音声アシスタント内蔵スマートテレビ
  • 音声アシスタント対応シーリングライト
  • AIoT対応ヘルシオ・ホットクック
  • スマート洗濯機
  • スマート冷蔵庫
  • スマートエアコン・冷暖房機

▲シーリングライトは導入も手軽で利便性が高いです。

最近は、IoTな時代の流れから、スマート家電も多くのものが増えてきていますね。

これらスマート家電は、上記スマートホームデバイスと比較すると、家電そのものがインターネット対応していることにより高度なことが可能となります。

後付けで取り付けてもどうにもならないもの(調理家電など)や、AI対応など、より多機能であることが特徴です。

IoT住宅(マンション)

最近では、住設自体がIoT対応しているものもあります。

これは、予めスマートホームを実現するためのセンサーや電子ドアロック、防犯カメラ等が住設として備わっており、別途デバイスを準備してといった必要もありません。

また、住設自体がインターネット対応していることによって、さらに高度な自動制御・セキュリティや安全性の担保がされることでしょう。

徐々にこのような住設も増えてはいますが、2019年現在まだ戸数も相当限られており、発展途上にあるものです。よって、スマートホームを検討する場合、1・2のアプローチで考えると良いでしょう。

一方このアプローチに近いものとして、「HEMS住宅」というものがあります。

これは省エネ・エコの促進といった「エネルギー」分野向けの住宅のマネジメントシステムを指しています。

このアプローチは、HEMS(戸建て向け)、MEMS(マンション等集合住宅向け)と大別され展開されており、政府は「2030年までにほぼ全ての住宅への普及を目指す」としています。

これもEchonet Liteという家電制御のプロトコルにより、家電の遠隔操作は可能となっていますが、どちらかというとZEH(ゼロエネルギーハウス)事業に用いられるもので、現代のIoT基軸の概念とは志向が少し異なります。

この住宅は、従来「スマートハウス」として定義されており、現時点ではスマートホームとはまた別の概念と考えると整理がつきやすいです。(将来的に統合される可能性はあります。)

スマートホームの市場動向

さて、ここまでスマートホームとはどういうもので、どういった種類があるかということを紹介させて頂きましたが、現在の日本におけるスマートホーム市場はどういったものとなっているのでしょうか。

ここでは、各種レポートを通じた動向を元に、取り巻く環境とそれに対する見解を以下に述べさせていただきます。

補足

世界的にはA・T・カーニーが2017年に発表した「The Battle for the Smart Home: Open to All」が最もわかりやすく定義しています。本記事では、日本における実態の流れに即し、簡便にまとめます。

GAFA(特にGoogleとAmazon)の台頭

▲スマートスピーカーとスマートディスプレイはその代表例

スマートホームという概念は、日本においては、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)事業がその根幹として捉えられていました。上述の「HEMS」がその中心です。

そのころ海外では、2012年のApple HomeKit、2014年のAmazon Echo(Alexa)発売を皮切りに、徐々にIoTを根本概念においた、スマートホームが徐々に謳われるようになってきました。

元々、日本でもApple HomeKitはすでに世に出ていたのですが、HomeKit対応製品は、HomeKitの厳しいMFi認証(後にiOS11にて緩和)への対応のハードルが高く、ほとんどないような状況でした。

よって、ある程度のことを実現する場合、オープンソース実装である、「Homebridge」を中心にこれに近いことが実現されていましたが、あくまで開発者の間で広まっていた印象を受けます。

日本でも一般化したのは、このムーブメントにやや遅れる形で、2017年のLINE Clova・Google Home・Amazon Echoが発売されたのが契機でした。

2017年〜2018年にかけて、それらと連携できるスマートホームデバイスが多く発売されました。

スマートホームデバイスの代表例

これらにより、主にAmazon Echo・Google Home・Clova Friendsを中心とした、「家電の音声操作」という概念が注目を集めました。

これらは、Apple HomeKitの欠点でもあったクローズド(その分セキュリティは担保される)さとは真逆のアプローチがとられており、よりオープン性が高かったために普及した経緯があるものと見られます。

このように、スマートホームはいわゆるGAFA※を中心に発展していっています。※Facebookは除くが俗称としてGAFAと記載。

この状況の中、国内の行政やメーカーの動向はどうなっているのでしょうか。

国内の動向

国内メーカーは、これまでスマートホームに近い概念として、ZEH事業を根幹に据えたスマートハウスを展開するアプローチが主な流れでした。

これは、政府がその中心を司るHEMSに対し補助金を出しており、それに合わせて推進されてきましたが、あまり普及するには至りませんでした。

そして、2017年のスマートスピーカー日本発売を景気に、上述のGAFA(及び関連するスマートホームデバイス)が日本に普及していくにつれ、IoTによるデータ利活用の軸として、「スマートホーム」という概念が新たに定義されたという流れになっています。

経済産業省のレポートでも以下の通り定義されており、よりIoTによるデータ利活用に重きをおいた呼称として、その時代の変遷が伺えます。

本検討においては、家電製品・住宅設備機器をネットワークに接続した「スマートハウス」から、家電製品・住宅設備機器に加えて、様々なセンサー・通信機能を有する機器(以下「家庭内機器」と呼ぶ。)をネットワークに接続することで取得できる家庭内データの利活用により、生活空間(暮らし)をカスタマイズ可能となる将来の状態を「スマートホーム」と呼称することとした。

「スマートホームの実現に向けた機器接続・データ利活用等の検討事項」報告書|経済産業省 平成 28 年度 IoT 推進のための新産業モデル創出基盤整備事業(家庭内機器のネットワーク連携等調査)

これにより、スマートホームという概念が日本でも明確に定義されていくこととなりましたが、国内としてエネルギー事業というよりも、より全体最適化されたデータ利活用軸というアプローチが明確に動き始めたと言えるのが、2019年10月に経済産業省が発足した、「Life UPプロモーション」というものです。

これは、IoT家電の販売事業者・利用者に対し、補助金や利用金免除・ポイントなどといった一定のインセンティブを与えるものです。

これによりIoT家電導入が推進されるだけでなく、今後、情報銀行やスマートシティ化(Society5.0)といった、より社会全体に影響する高度な施策に向け、データ利活用のアプローチも活発化することでしょう。

参考スマートシティの実現に向けて(国土交通省)

ただし、現時点ではGAFAを中心とした海外勢に圧され気味な状況です。GAFA以外にも以下の流れがあります。

他国のスマートホーム市場

GAFA(米国)以外にもスマートホーム(IoT)が盛んな国として、「中国」があります。

中国は日本市場以上にあらゆる製品がスマート化され、一般にも発売されています。例えば、冷蔵庫やトイレがそれにあたります。

日本でもスマートスピーカーが市場に投入された初期には、中国のIoTプラットフォーム提供の「Tuya Smart」(Smart Lifeアプリで有名)のエンジンを根幹にしたデバイスが多く投入されていました。

その後、純国産のデバイスが増えてきたり、海外で人気となった製品を代理店が日本市場向けに最適化されたデバイスを次々に導入したことで発展してきましたが、今後日本においてスマートホーム市場を活性化させそうなのが、中国の「Xiaomi(小米科技)」です。

すでに、「Mi Home」と呼ばれるプラットフォームにて、中国のスマートホーム市場を牽引しており、非常に多岐にわたるデバイス・家電の選択肢、またスマートホームライクな機能性を持っています。しかも価格は圧倒的に安く導入もしやすいです。

このように国内で行政やメーカーが推進していることとはまた別の流れで、海外勢が多く侵攻してきているのが、現在の市況となります。

Kou

日本はその商習慣から、既設家電をIoT化するといったDIY的なアプローチを取るメーカーが少ないので、それが(低コストに実現できる)海外勢の侵攻を招いていると感じています。

スマートホームの課題

ここまでスマートホームのメリットや動向といった点を中心に見ていきましたが、スマートホームが世に浸透してきたのは、つい最近のことであり、多くの課題も残っています。

ここでは、スマートホームの課題を以下に整理し、述べさせて頂きます。

セキュリティ・プライバシーへの整備が急務

スマートホームを構成する機器群は、そのほぼ全てがインターネットに接続されていることが前提となるものです。

よって、PCからWebサイトを見るのと同様に、ウイルス・ハッキング問題といった側面はどうしても課題として出てきます。

特にスマートホームの場合、PCのようにその中の情報に留まるもののみならず、家の中というリアルな生活に密接に影響してくるので、この問題が発生すると、家電の誤動作や(カメラなど)家の中の生活が外部公開されたりと多大なる悪影響を及ぼします。

同様に、スマートホームデバイスは大半がクラウドサービスにより稼働しており、収集されるデータの扱いなど、プライバシー上の問題はどうしても課題になってくることでしょう。

過去には、IoT機器をターゲットとする「mirai」というマルウェアが出たりなど、徐々にこれらを対象とするものも増えてきました。

このスマートホームにおけるセキュリティ対策としては、経済産業省・総務省が中心となり「IoT推進コンソーシアム IoTセキュリティワーキンググループ」で取り纏められており、「IoTセキュリティガイドライン ver1.0」が公表されています。

それ以外にも、より具体的なサービスレベルまで落とすと、ルーターに入れられるアンチウイルスソフトなどは、IoT向けの侵入防止システムでエンドポイントとなるIoTデバイスを丸ごと管理できたりと、このようなIoT向けのセキュリティという概念はますます増えています。

このように、スマートホーム導入の上では、こういったセキュリティ・プライバシーへのリスク対応も見逃せません。

規格が乱立している

スマートホーム化をする上で、各団体やメーカーから、それらの制御のために多くの規格が出ています。

ざっと上げていきます。

ネットワーク関連
  • Zigbee
  • Z-Wave
  • Bluetooth
  • Wi-Fi(モバイル回線)
プロトコル関連
  • Amazon Alexa
  • Googleアシスタント
  • Siri
  • Clova
  • Echonet Lite
  • IFTTT
  • その他メーカー独自のサービス

中には相互連携できるものや、必ずしも並列に語ることはできないものも含まれていますが、自宅の家電や設備の制御という観点では、基本的には分断されています。

それぞれのサービスで囲い込みのような状況にあります。

2019年現在は、これらが「音声アシスタント」に統合されていっているのが潮流であり、特にAmazon AlexaとGoogleアシスタントを中心としたムーブメントになっています。

この音声アシスタントは、単に話しかけて操作できるだけでなく、スマートホームを制御するためのインターフェースが多く内蔵されています。

スマートホームデバイスはこれらに対応する流れになっているので、ますます集約されていくことでしょう。

よって、スマートホームはこの「音声アシスタント」が事実上のコントロールセンターのような役割として位置付けられており、長きにわたり規格が乱立しているスマートホーム分野において、一定以上の存在感を示し続けることになるでしょう。

この音声アシスタントは、いずれ音声(VUI)だけにとどまらず、あらゆる制御インターフェースを司るものに進化する可能性も含んでいます。

スマートホーム機器の断片化

現状、スマートホーム分野は、スマートスピーカーをプラットフォームとして、単品デバイスが売切で展開されている動向であり、半ば実験段階にあると言っても過言ではありません。

しかし、これらは断片化が進むことから、実利用でユーザー側が運用・保守がしにくいという欠点があります。

簡単な例で言うと、季節替わりの設定変更。これをするために、ユーザー側が各メーカーが提供する多くのアプリを設定変更しなければならなくなります。

スマートホーム化が進むに連れ、機器が断片化しており、管理が難しくなっていくというのが課題です。

おわりに

スマートホームについて一通りまとめさせて頂きました。

未だ発展途上な市場ではありますが、今後ますます製品・サービスが充実し、私達の生活を豊かにしていくことに期待ですね。

Kou

上記の動向や課題から、どのような未来が想定されるかは、別途記事にまとめたいと思います。