Fire TV Cubeは、Amazon EchoとFire TV Stickが合体したようなデバイスです。
従来のFire TVシリーズのように、プライムビデオなどが楽しめるだけでなく、アレクサによる音声(ハンズフリー)操作や、家電コントロールといった機能がこれ一台でできるようになります。
その特徴は以下の通り。
- アレクサが使える:アレクサを内蔵しているため、音声コマンドでTVの操作や音楽再生、スマートホームデバイスの操作などが行える
- 豊富なストリーミングサービス:Amazon Prime VideoやNetflix、Huluなどの主要なストリーミングサービスが使える
- 高画質再生:4K Ultra HD、HDR、Dolby Visionなどの高画質再生に対応
- HDMI CECの制御:TVやサウンドバーの電源や音量の調整ができる
- 赤外線によるデバイスの操作:IR Blasterを内蔵しているため、テレビ、AV機器、ケーブルボックス、オーディオ機器などを音声操作
- 外部スピーカーとの接続:外部スピーカーと接続することができ、Bluetoothまたは3.5mmジャックで接続可能
スペックも、Fire TVシリーズの中では最上位モデルと位置づけられており、サクサク動作・Fire TVアプリもたくさん入れられます。
初期のFire TV Cubeは、主にアレクサ周りの機能が発展途上で、お世辞にも使い勝手が良いとは言えない状況でしたが、その後のアップデートにより大きく進化していきます。
そんなFire TV Cubeの最新、第3世代について、レビューを通じて詳しく解説していきます。

もくじ
Fire TV Cube(第3世代)の仕様と初期設定
Fire TV Cubeの外観をチェックしつつ、スペックの確認や初期設定をみていきます。
スペック
第2世代は光沢デザインでしたが、第3世代は、ファブリックで覆われたデザインとなっており、より馴染みやすいデザインになっています。


第3世代(左)はファブリックで落ち着いたデザイン

上部は、前作と同様に操作ボタンがついています。

背面は、各種ポートとなっています。
今作の特徴は、HDMIの入力(IN)があることや、USB Type-Aがついていることです。これの詳細については、後述します。

電源はACアダプターで、15W出力のタイプです。

リモコンも付属。Prime VideoやNETFLIXなど、各種VODサービスに直接飛べるボタンが搭載されているのが特徴的です。

スペック
項目 | Fire TV Cube (第3世代) | Fire TV Cube (第2世代) | Fire TV Stick 4K | Fire TV Stick |
---|---|---|---|---|
プロセッサ | ヘキサコア (2.2GHz×4コア + 1.9GHz 2コア) | ヘキサコア (2.2GHz×4コア + 1.9GHz 2コア) | クアッドコア (1.7GHz) | クアッドコア (1.3GHz) |
メモリ | 2GB | 2GB | 1.5GB | 1GB |
最大解像度 | 4K Ultra HD 最大2160p (HDR、HDR10、Dolby Vision、HLG、HDR10+) | 4K Ultra HD 最大2160p (HDR、HDR10、Dolby Vision、HLG、HDR10+) | 4K Ultra HD 最大2160p (HDR、HDR10、Dolby Vision、HLG、HDR10+) | FULL HD 最大1080p |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac/ax、2×2 MIMO | 802.11a/b/g/n/ac、2×2 MIMO | 802.11a/b/g/n/ac、2×2 MIMO | 802.11a/b/g/n/ac、2×2 MIMO |
イーサーネット | 別売 (10/100Mbps) | 同梱(10/100Mbps) | 別売(10/100Mbs) | 別売(10/100Mbs) |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 4.1 |
ストレージ | 16GB | 16GB | 8GB | 8GB |
アレクサ | ・内蔵 ・リモコン ・Echo連携 | ・内蔵 ・リモコン ・Echo連携 | ・リモコン ・Echo連携 | ・リモコン ・Echo連携 |
OS | Fire OS 7 | Fire OS 7 | Fire OS 6 | Fire OS 5 |
赤外線 | 内蔵 | 内蔵 | なし | なし |
本体サイズ | 86mm x 86mm x 77 mm | 86.1 mm x 86.1 mm x 76.9 mm | 99 mm x 30 mm x14 mm | 85.9 mm x 30.0 mm x 12.6 mm |
スペック面だけ見ると、第3世代の特徴は、Wi-Fi 6に対応したこと、ポートが増えたところくらい。
そのため、Fire TV Cube(第2世代)から買い替えるほどではないですが、Fire TV Stickからのアップグレードという意味では、買い替える価値があるので、以下のレビューをご参考ください。
初期設定
Fire TV Cubeを設定していきます。
Fire TV Cubeは、テレビスピーカーと30cm以上離して設置します。
Fire TV Stickは、テレビのHDMIポートに挿すだけですが、Fire TV Cubeは専用の設置台や必要なことや、上記の制約があるのがちょっと面倒なところ。
特にプロジェクターで利用する場合にネックになる点ですが、その分性能は良く、付加機能もあるので致し方なし。

接続したら、あとは簡単で画面の案内に従うだけ。
特に、Amazonのスマート系デバイスでは、簡単セットアップというものに対応しており、端末の初期設定時にAmazonのアカウント情報の登録が不要となります。
さらに、一度でも他のAmazonデバイスに自宅のWi-Fiパスワードを入力し、登録しておけば、面倒くさいWi-Fi設定すら不要でセットアップできてしまいます。

Kou
この手の製品はリモコンのキーボードでメールアドレスやWi-Fiのパスワードを入力するのがめんどくさい…それすら必要ありません!




細かい設定は、以下のレビュー内で述べていきますが、Amazonデバイスの初期設定は本当に簡単です。
Fire TV Cube レビュー
まずは、Fire TV Cubeを導入して良かった点についてまとめます。
動作が超サクサク!Wi-Fiの性能も向上
Fire TV Cubeは、Fire TV StickやFire TV Stick 4Kと比較すると、明らかに動作がサクサクです。
Fire TV StickやFire TV Stick 4Kであったような、ちょっとした画面遷移時の動作の引っ掛かりや、読み込みが若干もたつくといったことがありません。
私はすべて持っていますので、以下簡単に比較してみました。
このような形で、プライムビデオがよりなめらかかつ安定的に見ることができるようになります。
ちょっとわかりにくいかもしれませんので、定量的な指標として、再起動にかかる時間を計測しました。
この結果を見ても、Fire TV Cubeが圧倒的に早くそのサクサク感がわかってもらえるかと思います。
機種 | 再起動にかかる時間(※) |
---|---|
Fire TV Cube(第3世代) | 34秒 |
Fire TV Cube(第2世代) | 35秒 |
Fire TV Stick 4K | 53秒 |
Fire TV Stick | 1分10秒 |
なお、Fire TV Cubeの第3世代と第2世代は、画面遷移が少し変わる程度でしたので、乗り換えるほど大きな違いはありません。
ただ、Fire TV Cube 第3世代は、Wi-Fi 6に対応しているため、回線速度が第2世代と比べて、さらに速くなっていました。



加えて、ストレージも16GBと、シリーズの中で最も容量が多く、ゲームを含めた様々なアプリを入れたりできます。
このように、Fire TV内のコンテンツをより良く利用したい場合は、Fire TV Cubeがベストです。
アレクサ操作が柔軟|入力切り替えまで声で操作できる
Fire TV Cubeは、アレクサを内蔵しており、柔軟に操作できます。
2020年11月のアップデートによりさらに進化し、アレクサが「地デジのチャンネル変更」や「入力切り替え」等、テレビ本体のコントロールが大幅に増えたことにより、アレクサのコントロールがとてもしやすくなりました。
Fire TV Cubeのコントロール
できること | セリフ |
---|---|
Fire TVコンテンツの再生 | ・アレクサ、プライムビデオを見せて ・アレクサ、Amazon Musicを開いて |
テレビの電源オンオフ | ・アレクサ、テレビをつけて/消して |
テレビの音量変更 | ・アレクサ、テレビの音量を10下げて/上げて ・アレクサ、テレビをミュートにして |
テレビのチャンネル変更 NEW!! | ・アレクサ、テレビを8チャンネルにして ・アレクサ、フジテレビにして |
入力切り替え NEW!! | ・アレクサ、テレビをHDMI3にして ・アレクサ、Fire TVに切り替えて ・アレクサ、地デジにして |
これは、Apple TVーHomePodのSiriではできないため、アレクサの方がテレビの音声操作がよりしやすいです。
加えて、定型アクション機能でFire TVが利用できるため、自分好みのセリフで、操作を細かく定義することも可能で、きめ細やかです。
定型アクション(Fire TV Cube)
アクション名 | 解説と用例 |
---|---|
電源オン | テレビの電源をオンにできる。スマートリモコンと違い、 オンオフのボタンが分離されているのが利点。(トグル電源ではない) |
電源オフ | テレビの電源をオフにできる。スマートリモコンと違い、 オンオフのボタンが分離されているのが利点。(トグル電源ではない) |
コンテンツを再生 | 任意のフレーズでコンテンツを再生できる。お好みのコンテンツがある場合有効 (例:アレクサ、スパイダーマン→スパイダーマンが再生される) |
音量を上げる | テレビの音量を上げる。段階指定可能。 コンテンツの再生と合わせて利用すると良い |
音量を下げる | テレビの音量を下げる。段階指定可能。コンテンツの再生と合わせて利用すると良い |
ビデオを一時停止 | ビデオを一時停止する。定型アクション「待機」等と組み合わせて、指定のタイミングで一時停止する場合などに便利。 設定しなくとも「アレクサ、止めて」といえば一時停止する |
ビデオを再開 | ビデオを再開する。定型アクション「待機」等と組み合わせて、指定のタイミングで一時停止する場合などに便利。 設定しなくとも「アレクサ、再開」といえば再開する |
ホーム画面を表示 | Fire TVのホーム画面を表示する。例えば帰宅時に「ただいま」といって、 他の家電をつけるのに合わせてFire TVをすぐ見たい場合に有効。 |
この辺が、アレクサの良いところなんですよね。
これでテレビをほぼリモコン無しでコントロールできるようになったり、スマートホームで他の家電と合わせ一括操作したり、自分の好きなフレーズでプライムビデオの作品を呼び出すことができます。


このFire TV Cubeのテレビ操作は、Fire TV Cubeに搭載の赤外線(IR)によって、フルに利用することができます。


そのため、テレビの音声操作をフル活用したい場合は、Fire TV Cubeを選ぶのがベストです。
テレビと連携していることで、アレクサを操作する際に自動的にテレビがついてしまうことがあります。
これが嫌な場合は、Fire TV Cubeの設定にある「機器のコントロール設定」で、「その都度リクエスト」または「オフ」を設定すると、音声だけで視聴できます。

テレビやPCモニターをスマート化できる
Fire TV Cubeは、テレビやPCモニターのHDMIポートにつなぐだけで、様々なコンテンツを視聴できる製品です。
古いテレビやPCモニターにもつなげるため、それらを簡単にスマートテレビにできちゃいます。


Fire TV Cubeは、アレクサを内蔵しているので、テレビをEcho Showシリーズのように利用することもできます。

Fire TV Stickは、これをするためには、リモコンのアレクサを利用する必要があるため、シームレスで使い勝手が良い!


(クックパッド)

(Echo〜Fire TV Stick連携ではリモコンが必要)

Kou
詳しい方向けにいうと、テレビにFire HDタブレットの「Showモード」が搭載されたような感覚です!
プライムフォトを見れたり、Amazon Musicは歌詞付きで表示されるなど、Amazon系のサービスを柔軟にコントロールできて良いです。
細かい部分での、アレクサ操作も柔軟です。
特にこのプライムビデオ「ウォッチリスト」は、Fire TV Cubeだけ、以下のような番号が振られており、その番号をいうだけで再生できます。

しかもFire TV Cubeは、マイクが8つもついていることからか、普通のEchoと比較してテレビ視聴時の雑音環境下でも、ハッキリとアレクサへの命令を聞き取ってくれます。

Kou
しかもアレクサに命令している最中は、テレビの音量を自動的に下げてくれるので、聞き取ってくれやすいです!
このように、テレビやPCモニターを簡単にスマート化できるのが、Fire TV Cubeのメリットです。
デバイス・家電連携も柔軟|ホームシアターも作れる!
Fire TV Cubeには赤外線も内蔵されており、同赤外線リモコンで操作するサウンドバーやAVアンプも合わせてFire TV Cubeでコントロールすることができるようになります。
これは、スマートリモコンというデバイスを利用すれば可能ではありますが、それらをバラバラに購入&設置しなくても、Fire TV CubeでAlexaによるハンズフリー制御が可能となるわけです。


我が家は、Fire TV CubeとEcho Studio 2台で、ホームシアターを構築しています。
これで、Fire TVの映画をより臨場感を伴って視聴できますし、地上波のスポーツ映像や音楽番組でも音質がかなりアップして、最高です。

また、第3世代の特筆すべき点は、「HDMI入力」を利用できること。
これにより、BDプレイヤーやゲーム機を接続でき、かつ画質が4K相当のものにアップコンバートされます。
しかも、このHDMI入力に接続した機器は、アレクサの音声操作で、Fire TV CubeとHDMI接続機器との入力切替まで可能です。



HDMIパススルーも備えているため、Fire TV Cubeによって、HDMIポートが一つ塞がずにすみます。
このため、とりあえずBDプレイヤー・ゲーム機との中継に、Fire TV Cubeを中継しておけば、アレクサによる音声操作も柔軟にでき、かつ画質が綺麗になる、という使い方もできるのも地味に便利なポイントです。
他にも、スマートホームデバイスやアレクサ対応家電と接続した家電の音声操作も、Echoシリーズと同様に柔軟にできます。
このへんの外部機器連携の豊富さと操作のきめ細やかさは、Google HomeやApple(Siri)以上に優れているのが、アレクサ製品の良さですね。
レビューまとめ
Fire TV Cubeは、アレクサを内蔵しているため、簡単にテレビを音声操作できたり、外部機器連携も充実しています。
これ1つの導入で、テレビやPCモニターをスマート化できますし、いろんなコンテンツも楽しめるので、使い勝手は最高!
動作もFire TVシリーズの中では随一の性能となっているため、文句のつけようがない製品です。
最後に、この製品をおすすめできる人とできない人をまとめます。
- プロジェクターやテレビ台のないところでセットトップボックスを利用したい方
- 出張や旅行に持ち運びをしたい方
- プライムビデオやFire TV内のゲームをがっつり楽しみたい方
- アレクサによるハンズフリー操作をしたい方
- 家電コントロールや買い物メモ等をアレクサで管理している方
- テレビへの接続機器が多い方
Fire TV Cubeも第3世代となり、完成したとも言える使い勝手です。おすすめです!
Fire TV Cube レビュー
Fire TV Cubeは、Fire TV Stickシリーズとは違い、アレクサを内蔵しているため、より柔軟に操作できるのが特徴的。HDMIの入力を備えており、HDMIパススルーや4Kアップサンプリングも使えるので、中継機としても使い勝手が良い。本体はサクサク動作し、Wi-Fi6により、回線速度や安定性が向上した。シリーズ最高峰の性能で、テレビやモニターをスマート化できる!
メリット
デメリット