この記事は、2017年11月に書いた記事です。Google Homeが日本で発売された当時、その使い方に試行錯誤した過程を書いた記事となっています。
スマートスピーカー。目新しいガジェットで一体何に使うものなのか、何が便利になるのかイマイチわからないという方は多いかと思います。
かくいう私も以下にこれを使いこなすかに日々奮闘中です。
そんな中、Clova WAVEに続き日本へ投入された、「Google Home」はできることが多く、ここ最近はどんな活用方法があるか、仕組み作りができるかをひたすら考えています。
その中で一つ実用性が高いものを見つけたのが、Google Homeに話しかけてメモを取るという行為。
メモ魔な私は、仕事であろうとプライベートであろうと、思い付いたアイデアや予定、覚えたことをいかにスムーズにメモするかということを頻繁に考えたりしています。
それは手帳(メモ帳)×文房具のアナログ手法に始まり、PCのタスクリスト、PDA、ボイスレコーダー、ガラケーのメモ機能や伝言メモ、最近ではスマホアプリ、タブレット×スタイラスなど様々探し求めてきました。
そしてこのスマートスピーカーを手に入れた2017年、家の中限定であるものの、メモ魔な私にとってiPhone3GS×Evernote以来8年ぶりにパラダイムシフトが起こったのであった…
今回は、そんな私がこの新しい時代の到来を予感させるガジェット:Google Homeに話かけてメモを取ることの素晴らしさを語りたいと思います。
さて、Google Home(Clova WAVEも同様)には現時点でメモ機能が存在していません。いずれはGoogle Keepとかと連携したりできると思うのですが、現時点では直接的に「メモして」で反応することはないのです。
そこでGoogle Homeを使って、ちゃんと後で読み返せるメモをとるための方法を考えてみました。方法論としては大きく以下の4つ。
- ショッピングリストを活用する。
- マイアクティビティをメモ帳代わりにする。
- IFTTTでEvernoteやiOSリマインダなどと連携する。
- 「覚えておいて」コマンドでGoogle Homeに覚えさせる。
これらの利用方法と、何が便利であるのかを述べていきたいと思います。
もくじ
まずは基本から。Google純正ショッピングリストの活用。
Googleには「ショッピングリスト」と言われる、Google NowやGoogle HomeなどからアクセスできるWebベースのページが存在します。

これは、通常買い物リストとしての利用が想定されているのですが、UI自体がTodoリストのような形態をとっています。
これを文字通りのショッピングリストとしての活用を超えて、メモ帳として機能させるのです。
音声コマンドをどのように言うかというと、以下の通りです。

OK Google、旅行の写真加工を後でやるをショッピングリストに追加して!
わかりました。「旅行の写真加工を後でやる」をショッピングリストに追加しました。

さすがGoogle純正としての機能だけあって、比較的長い文章でもはっきりと認識するのがメリット。
さらに「ショッピングリストを開いて」というと、そのメモを読み上げてくれるという機能もあります。これでスマホを開いて見る必要すらない。
一方で難点としては、検索機能がないため、どんどんメモをとっていくと、探すのに時間がかかってしまうこと。
後述しますが、Google Homeでメモを取るという行為はあまりにも手軽すぎるので、メモが埋もれてしまうという事態になりかねないです。
あくまで一時的なメモであればこれでいいのですが、デジタルなメモとしてはやや機能不足。そこで、次に述べる方法を取ります。
「マイアクティビティ」のログをメモ帳がわりにする。
Google Homeアプリには、「マイアクティビティ」というページにGoogle Homeを操作した履歴が残っています。このマイアクティビティをメモ帳として代用するのです。

ここで大きなポイントは、このマイアクティビティには「検索機能」があることです。これにより、メモを簡単に探すことができます。
しかも話し言葉が割とちゃんと漢字になっていたりして、自然な日本語になっていることも高ポイント。
もちろんタグ付けやフォルダによるメモの分類はできないですが、検索があるのとないのでは、探すのにえらい違いがあります。
ちなみにこのマイアクティビティはリンクをタップするとそのままGoogle検索に飛ぶことができます。これが中々Good。キーワードだけ言っておけばあとでスマホで簡単にググることが可能です。
ただこの方法の欠点として、ほぼ必ず、「すみません、お役に立つことができません。」と言われるので、ちょっとウザいこと。(利用し続けてると毎回Google Homeに謝罪させていることになり、イジメているようでかわいそうにもなる…笑)
その他実用面での欠点として、他の音声操作の記録まで残ってしまうため、一覧性に優れないこと、あとでメモを加筆修正できないことからちょっと使い勝手が悪いということが挙げられます。
この欠点を、次に述べるIFTTTと各サービスの連携によって回避することができます。
IFTTTでGoogle Home(Assistant)とサービスを接続させる。(例:Evernoteの場合)
Google Homeの大きな特徴の一つとして、IFTTTに対応していることが挙げられます。
Amazon Echoもこれに対応しているのですが、現時点では日本未発売。日本では唯一の比較対象であるLINEのClova WAVEは、これに未対応だったのでできることが限られていました。
ちなみにIFTTT(読み:イフト)を簡単に解説すると、複数のWebサービスを連結させて「もし○○(状況・時間等)の場合、○○する」をノンプログラミングで実現できるサービスです。
元々簡単便利で多くの方に利用されていましたが、Google Homeの登場により一層利用が増えると思われます。
さて、今回やりたいことは、Google Homeに話しかけてメモを取るという行為。それをGoogle Homeの頭脳であるGoogle Assistantと、「すべてを記憶する」でおなじみ「Evernote」を連結させるということをやっていきたいと思います。
IFTTTの設定手順(Google Assistant×Evernote)
▲まず、IFTTTにログイン後、ヘッダの項目から「My Applets」をクリック。
▲この画面に遷移し、「New Applet」を選択します。このNew Appletで連結方法を自作することができます。ちなみにここでいう「Applet」とはサービスとサービスを連結させるためのルール設定と理解してください。
▲すると、このような形で新しいAppletを作成する画面が出てきます。「+this」と青くなっている部分をクリックして、「〇〇をしたら」を設定するようになっています。
▲次の検索画面が出てきます。ここにまずGoogle Homeをトリガーとするために、その頭脳たるGoogle Assistantを選択しましょう。
▲ここでどのような種類の話し言葉を設定するかの選択を求められます。今回は「Say a phrase with a text ingredient」を選択します。
▲すると次の項目が出てきます。ここでの設定が重要です。以下に解説します。
What do you want to say?
ここには、「◯◯(呼び出したい名前) $ 」と入力してください。$はテキストをインプットするための変数的な位置づけ。$の前後は半角スペースで開けます。◯◯はメモを取る際の呼び出し方、$はメモの中身を示すと捉えてください。
ここでのポイントは、$を助詞(てにをは)で挟まないこと。例えば「Evernoteに $ をメモして」としないことです。
日本語の文脈として、まだ助詞を認識しにくいのか、この設定をしてしまうと比較的長い文が認識されなくなってしまいます。私はよりシンプルな呼び出し方にしたいので、「メモ $ 」と設定しました。
What another way you want to say?(Optional)
この欄は、このメモを取るというコマンドの他の呼び出し方について入力します。私は同じように入力していますが、例えば「Evernote $ 」と設定するならば、「エバーノート $ 」も設定しておくと認識精度が高くなります。
And another way?(Optional)
ここでも他の呼び出し方を設定できます。私は空欄にしています。
What do you want the Assistant to say in response?
この欄では、Google Home(Assistant)の回答として、どんな話し言葉を返してほしいかを設定します。私はシンプルに「メモしました。」と言ってもらいたかったので、そのようにしました。
最後に「Create trigger」を押して次の画面に進みます。
▲これで最も重要なGoogle Assistant側(this)の設定は終わりです。
▲次に「◯◯をする」のthatの部分を設定していきます。
▲Choose action serviceからEvernoteと検索してアイコンを選択。
▲Evernoteとの連携画面。「Connect」ボタンを推してEvernoteのログイン認証画面へ。自分のアカウント情報を入力していって下さい。
▲次にEvernote側の設定ができます。To-doリストや画像、音声など様々可能ですが、まずはシンプルにテキストノートを想定しているため、「Create a note」を選択してみましょう。
▲Evernoteのノートの作成方法を指定できます。基本的には英単語の意味そのままですが、ざっと以下に解説します。
Title
ノートのタイトルです。ここは基本固定のワードとなります。私はとりあえず「メモ」に設定しています。
Body
ノートの中身です。ここは{{TextField}}となっていますが、Google Assistant側で設定した「$」のワードがそのままテキストとして取り出されます。よって、このままでよいです。
Notebook
ノートを入れるノートブックの名前を指定できます。
Tags
タグを指定できます。初期値ではvia Googleとなっていますが、特定のタグで分類したい場合に入力してください。
▲この設定を終えたら、「Create action」を押して最後の画面に移ります。
▲これで完成です。「Receive notifications when this Applet runs」はこのフローが動作したときに通知が流れます。最初はテストも兼ねてオンにしておくとよいかと思います。最後にFinishボタンを押して、おしまいです!
ここまでコマンドを打つなどプログラミング的なことをせず、画面の案内に従って簡単な設定をしていくだけです。とても簡単ですね!
今回はEvernoteと連携させて見ましたが、IFTTTとして他にiOSのリマインダやGoogleカレンダー・スプレッドシート、OneNote等にも連携させることが可能です。普段使いのサービスや記録の撮り方に合わせて作り方を変えましょう。
ちなみに現在私は、IFTTT×Google Drive連携(スプレッドシート)で簡易家計簿をつくるということを試しています。
家計簿って記録するのがめんどくさいものの一つですが、家に帰ったらその日使った大体の金額をしゃべるだけ、で記録を取る手間を極限まで省くという仕組みです。うまくいったら記事にしますね!
また、ほぼ同様の方法でTwitterやLINEなどのSNSでメッセージを送信するなんてことも可能です。
ただ私としては、SNSというようなパブリックな場に音声認識のワードを送信するのは、例え友達とのやりとりといった場面でも誤認識が怖いので、メモのような自分だけのための記録用途に使うのが合っていました。
メモなんて自分さえ理解できれば、多少の誤字なんてどうでもいいですからね。
テストしてみた
上記IFTTTで作成したワードを早速試してみましょう。試しに本記事の主張、「Google Homeに話しかけてメモを取るのが便利」をしゃべってみました。

OK Google!メモ。Google Homeに話しかけてメモを取るのが便利
メモしました。

そして、実際に作成できているのかどうか、Evernoteへ見に行ってみましょう。
▲漢字とかにもしっかり変換してくれていたりします。
最初は「OK Google メモ」を枕詞にしてIFTTTのコマンドを意識的に走らせる必要があることにストレスを感じましたが、しばらく使っていると慣れてきました。
IFTTT連携の欠点は?
上述したマイアクティビティを利用したメモと合わせて使った感じでは、全般的にEvernoteと連携させるほうが一覧性も高く、そのままEvernote側でメモの加筆修正やタグ付けによる分類ができるのでオススメです。
ただ欠点としては、IFTTT(及び別サーバにあるWebサービス)を中継しているからなのか、ショッピングリストやマイアクティビティの方が、比較的長文メモの認識率が高かったです。
Evernoteへのメモはエラーを吐くときがそれなりの頻度であります。そこで、上述したマイアクティビティを組み合わせるとよいかと思います。エラーが出ても、アクティビティ側にメモしようとした内容が残っているためです。IFTTT×Evernoteを走らせるコマンド「メモ」をマイアクティビティで検索すれば、メモしたものを全部引っ張り出せます。
このへんは、今後のアップデートなどでさらに精度が上がることに期待したいです。
「覚えておいて」コマンドで、メモ帳すら見る必要がなくなるが、難点アリ。
Google Home(Google Assistant)の機能として、「◯◯を覚えておいて」と伝えると、「わかりました、次のように覚えておきます、◯◯」と話し、その◯◯を質問すればそれを回答してくれるというメモ的な機能があります。
例えば、次のような会話の流れです。

OK Google!私は古いパソコンをクローゼットの下の段にしまったと覚えておいて!
わかりました、次のように覚えておきます。私は古いパソコンをクローゼットの下の段にしまった。

これによって、リマインダとしてメモした内容を質問すれば、Google Homeが返答してくれます。

OK Google!私の古いパソコンはどこ?
私が伺っている情報はこちらです。2017年10月14日、私は古いパソコンをクローゼットの下の段にしまった。

これにより、あとでスマホを見たりしなくとも、Google Homeだけでメモを取る行為が完結します。
しかし、このメモした内容を質問は、実際に利用してみると正直そこまで実用的ではありません。回答の精度があまりよろしくないことと、覚えてもらった内容を返してもらうための質問を考える手間がかかるためです。
この機能は今後のアップデートにより、より自然な会話の流れで、覚えてもらったことを取り出せるよう期待したいところです。
やり方はわかったけど、結局何が便利なの?てかスマホでメモればよくない?

さて、上述の通り、今回大きく分けて4つの方法を解説したのですが、冒頭で述べたようにメモ魔である私が、スマートスピーカーを使ってメモすることになぜメリットを覚えているのかを述べていきたいと思います。
なお、ここで掲載することは、「メモを取る」という行為によらず、スマートスピーカーそのもののメリットも含まれていますので、メモ魔な方にかかわらず見てみてください。
メモを取る前にメモ帳×ペンやスマホを「探して手に取る」必要がない
まずこれの一番のメリットは、ハンズフリー操作であることによって、メモをとるための道具すら探す必要がないということです。
アイデアをひらめいたその瞬間から、「OK Google」とつぶやいてから独り言をいうだけで記録に残すことが可能です。
もちろん部屋の中限定なのですが、外ではもつ道具が限られているのに対し、部屋の中は相当なミニマリストでない限り様々なものが散財している状況にあるという場合がほとんどだと思います。また、外に比べると、肌身離さずスマホを持っているという状況は少ないと思います。
そんな時にメモをとるという行為をすると、一手間かかることが意外と面倒で、せっかく思いついたことがそのまま忘却の彼方に流れていってしまうということがあります。
そんな時に、Google Homeに声でメモを取るという行為が手間いらずなのでおすすめです。
部屋の中ならどこにいてもメモが取れる
これは、同じく音声でメモを取れるスマホとの比較です。
例えばSiri×iPhoneはGoogle Homeほど集音力に優れていません。
よって、ハンズフリーで操作するためには、スマホが近くにある必要があります。
以前Google Homeのレビュー記事で述べましたが、この製品は集音力に非常に優れているため、多少離れていても割りと認識します。
よって、部屋の端から端までの距離でも割りと認識します。同様に高低差にも大きく依存せず、立っていようが寝っ転がっていようがメモがとれます。
そんな中でハンズフリーで操作できることが、手間がなく大きな便利ポイントなのです。
私の部屋(8畳)の大きさ程度なら、たとえGoogle Homeと対角線上の位置関係に居て話しても普通に認識するため、もっと大きな部屋でもいけるのではないかと想定します。
仮眠時や就寝前に効果絶大!目をつぶっててもメモが取れる。スマホを近くに置いておく必要もない。
これまでメモを取るという行為は、ほぼ必ず「対象物を手にとって、それを見ながらメモを取る」必要がありました。メモ帳とペンしかり、ガラケーやスマホなどの文字打ちや音声メモしかり、「対象物を持ってそれを見ながら」いうのが大半の行動です。
しかし、Google Homeはそもそもが設置型端末であり、集音力も360°非常に優れているため、何かを持つ必要も無ければ、対象を見る必要がありません。
つまり、目をつぶってでも容易にメモがとれるということです。
このメリットを享受できるシーンがあります。それが、ちょっとした仮眠時や就寝前。
寝に入って静まり落ち着いた状況となると、あれこれ考えだしたり、いいアイデアが浮かぶことがあったりします。
そんな時すらメモを取るグッズとして最適なのが、Google Homeです。
例えば、就寝時に気になることを思い浮かべてしまい、どうしても寝れない。我慢できずついついググってしまう。スマホからはブルーライトがたっぷり差し込み目が覚める。気がついたら記事に読みふけたり、色々ググったりして結果寝不足に陥る…
いわゆる寝スマホは私もよくしてしまうのですが、これが非常に目に悪い。。。寝スマホが原因で仕事に支障をきたしたこともある私です。
これを例えば上で紹介した、マイアクティビティの機能を利用するとすると、Google Homeにとりあえずキーワードだけ喋りかけておく。浮かんだ考えも全部Google Homeにメモをしておく。それでとりあえず頭の中をスッキリさせる。
朝起きた時にアクティビティログを開いてタップしていくだけですぐにググれる。アイデアも全部記録されている。こんなことが可能になるのです。
もちろんこれは例えばiPhone×Siriでも可能なのですが、Google Homeほど集音力に優れていないスマホは、常に手に取れるほどの位置においておく必要があります。
すると、気になることがあるとすぐにスマホを手にとってしまうんですよね。しかし、Google Homeならその心配はありません。
音声操作という利用前提が、ディスプレイに溢れ、慢性的な眼精疲労患者が増加する現代社会を少しでも救えるのではないかとちょっと思ったりしています。。。
手で何かを持ったり、書いたり、操作する必要がないので疲れない
メモを取るという行為は大抵の場合、手を動かす必要があります。手を動かすということは、ある程度固定的な体勢を取る必要がありますよね。
例えば、何かを書くなら座る必要がありますし、スマホを操作するなら、顔の正面でスマホを持つということが必要。手が疲れたり、肩が凝ったりするわけです。
これが、スマートスピーカーによる操作の場合、上述したように立っていようが寝っ転がっていようがメモをとることができます。
家はリラックスできる場でもあるので、こういった場面であらゆる姿勢でもメモをとれるというのは実に快適です。
Google Homeはメモ魔に最適なツールなのかもしれない。
さて、メモ魔な私が「Google Homeでメモを取る」という行為を無駄にアツく語ってしまいましたが、実際慣れると結構便利なので、もし購入する機会があればぜひ試してみて下さい。
個人的にスマートスピーカーは2017年最注目のガジェットなので、今後も徹底的に使い込んでいき、何かよい利用方法などあれば記事にしていきたいと思います。
そのスマートスピーカーの活用方法を漏れなく記録するためにも、Google Homeにガンガンメモしていくかな…