第6世代iPadを購入して2ヶ月が経ち、生活にもすっかり馴染んできました。
私は今まで第5世代iPadを利用してきてそこまで不満は感じていなかったのですが、第6世代のiPadでついにApple Pencilに対応したことから、iPad Proまでは必要ないという私でもこれが利用できる、価格もそれなりに安いということで、購入してみました。
結論から最初に述べておくと、よほど凝った用途やこだわりがなければ、これで十分満足できるデバイスです。
今回は第6世代iPadと購入に至る前の決断など、Apple Pencilにまつわる自分の思いを中心に書いていきたいと思います。
▲今回はiPad第6世代Wi-Fiモデル(シルバー・128GB)とApple Pencilをセットで購入。第5世代はセルラーモデルにしていたが、経験上タブレットはカーナビ利用をしなければ、セルラーは特に必要ないという考えからこちらを購入。第5世代iPadはカーナビ専用に利用することにする。
もくじ
とにかくApple Pencilが使いたい

私は、冒頭に書いたとおり元々第5世代iPadを利用していました。正直自分の用途としては第5世代で十分だったんです。その用途とは主に以下の通り。
- ちょっとした打ち合わせ時のメモ
- サクッと考えを整理するためのテキスト打ち、ラフスケッチ
- ブログの下書き用途としての超軽量モバイルPC利用
- Lightroom mobileで簡単な画像編集
- 電子書籍
- 動画垂れ流し
- カーナビ
こんな感じです。正直iPadについては特に使い込んでいるといった感じでもなく、ごくごく普通の使い方。せいぜい「あれば便利」程度のものでした。
ただ、前々からiPadを利用する上でどうしても使いたかったものが、「Apple Pencil」。タブレットの使い道を広げるという意味では、これは絶対的に必須。
かのスティーブ・ジョブズは、最高のポインティングデバイスは人間の生まれ持った「指」であるとして、長らくスタイラスに相当する製品を導入してきませんでした。
確かにその考えはわかります。操作するのにマウスやスタイラスなど別の道具を持たなくていい。これは、コンピューティングをより身近した非常に画期的な考え方だったと思います。
これはサイズの小さいスマートフォンではよかった。しかし、広大な画面を有するタブレットでは物足りなかった。動画を垂れ流す際に、電子書籍を見る際に画面が大きい方がもちろんいい。ただ、それはあくまで情報を得るという意味でのインプットデバイスとして捉えたときの話。これらはスマートフォンで大抵事足りる。
やはりこれだけ広大な画面を有するのであれば、アウトプットデバイスとして使い、スマートフォンと用途を分ける意味で差別化したい。
この「パソコンほどのアウトプット端末にするわけではないが、スマートフォンのインプット端末よりは拡張的な使い方をしたい」という私の隙間ニーズを埋める、Apple Pencilを利用することこそが自分にとってのiPadの真の使い方であり、そのためにはスマートフォンでもMacでも利用することのできないアウトプット系デバイス、Apple Pencilが使いたかったのです。
でも、iPad Pro×Apple Pencilは自分の用途には贅沢すぎる

だったら、とうの昔にiPad Pro×Apple Pencilを買ってればよかったんじゃないの?という話はあるかもしれません。実際、iPad Proの方が新しく出た第6世代iPadよりもスペックはよく、店頭で触れても確かになめらかな書き心地はありました。
iPad第6世代におけるApple Pencilの利用は、基本的に優れていますが、やはり若干の遅延があります。もう多くのレビュー記事で出ているので、いちいち比較検証やベンチマークテストなどはしませんが、後からインクが追いついてくるような書き心地でその性能差は確かにある。がっつりイラストを書いたり仕事で使う方にはiPad Proを購入するのが吉でしょう。
でも、上述したように私にはそんな高度な用途を必要としなければ、そんなスキルもありません。ただ字がそれなりにちゃんと書ければよいという用途。なので、自分にとってはiPad Proのようなデバイスを買うにはあまりにも高額で手が出ませんでした。
経験上、将来的に使うかもと背伸びして購入するものは、9割宝の持ち腐れになる。
どんなに魅力的で美しいデバイスでも、所詮はただの道具。今の自分に合うか合わないか。とするとiPad Proは必要ない。でもApple Pencilは使いたい。このような板挟みに合い、第5世代iPadを使いながらも悶々としていました。
何故iPad×Apple Pencilでないとダメなのか
ここまで見ると、タブレットでスタイラスを利用するという点に絞れば別に他に選択肢はあります。ここで、個人的にiPad×Apple Pencilじゃないとダメな理由を改めて整理してみます。
単純に環境がAppleに囲い込まれているから
まず前提として、私が現時点で所持しているPC、スマートデバイス周りの環境となります。半分コレクションを兼ねています笑
- iMac Late 2015
- MacBook Pro 2017
- MacBook 2015
- 第6世代iPad→New!!
- 第5世代iPad
- iPhone X
- Apple TV
- AirPods
他にもAndroidスマートフォンとかをいくつか持っているのですが、メインとしているのはあくまでApple製品。
特にApple信者というほどAppleにこだわりがあるわけではないのですが、気に入ったものを買い集めていった結果、自分の環境は気がついたら全てがApple製品という感じに。
とすると、これら周辺の製品を含め快適に運用するためには、主に以下の理由でタブレットを購入するなら、iPadしか選択肢がない状況に。
- iCloudでシームレスなデータ同期
- ユニバーサルアプリの利用
- 統一感のあるデザイン性とUI
- W1チップなどによる快適なペアリング
ということで、iPadをチョイスしています。
圧倒的存在。「純正メモアプリ」をフル活用したいから
私はいわゆるメモ魔でして、過去約8年間、多くのノート系アプリを試しています。たぶんこのような記録系アプリだけに累計5万くらいは投資していると思います。笑
その上で、最終的にたどり着いたメインアプリは、超プリミティブ。Apple純正の「メモ」アプリでした。
このApple純正のメモに感じているメリットは以下のとおりです。
- やりすぎない機能性。シンプルなデザインで一切迷わない
- でも、必須なものは全て揃っている(表まであるのがありがたい)
- Appleデバイスを買い直したときに何の再設定をする必要もなく、いつものメモ環境が再現される(頻繁に買い換えするので)
こんな感じで、所持しているあらゆるApple系デバイスから純正メモアプリにどんどんメモが書き込まれていき、気がついたら純正メモアプリから離れられなくなりました。
ただ唯一足りない要素がありました。それは、「手書きメモを共存させること」です。結局何か思いついたときにパッと書き残せる手書きというのは自分にとってどうしても必須で、ここだけ紙とペンを使っていました。
ここで純正メモアプリとApple Pencilの組み合わせが最高な点は、Apple Pencilでロック解除すれば、即座にメモアプリが立ち上がる点です。
▲ロック画面をペアリング済みのApple Pencilで2回「トントン」と叩くと・・・
▲即座にメモアプリが立ち上がり、メモが取れるようになる。
これが、手書きでパッと速記するという用途としっかりマッチします。他のサードパーティ製アプリやスタイラスにはない最大のメリット。
他にもApple系デバイスでしか利用できないユニバーサルアプリとか色々理由はあるのですが、この純正メモアプリを頻繁に利用すること。これがiPad×Apple Pencilでないとダメな理由です。
サードパーティ性スタイラスは使い物にならないから
▲以前利用していたiPad5thとサードパーティ製スタイラス。購入当時は高額だった「BAMBOO Fineline 3」
単に手書きがしたいというだけなら、第5世代iPadのままでもサードパーティ製のスタイラスを使うという方法があります。もちろんこれはいくつか試しました。
しかし、これは遅延が多すぎる。特に小さい文字を書くときは使い物になりません。
▲まずは第5世代iPadとFineline 3で書いた文字。遅延が相当ある書き心地で細かい文字だと印字が切れてしまい、なんかデジタルのようなカクカクな文字になる。おまけに手のひらを画面上に乗せたときに、青のインクに触れてしまい、iPadの「ad」が青文字になってしまった。相当なストレス。
▲Apple Pencilであれば、漢字のハネなど細かい部分もしっかり反映される。遅延も少なくストレスのない書き心地。手のひらを画面上においても、誤動作がなく、書くのに力を入れやすい。
Apple Pencil×第6世代iPadのような、「ほどほどに繊細な書き心地」は、サードパーティ製スタイラスでは実現できませんでした。
第6世代と第5世代で変わった点は?
第6世代と第5世代はカタログスペック上、それなりの正統進化を遂げています。Apple Pencil以外で言えば、A8チップ→A10チップにスペックアップしたのは大きいですかね。
私はどちらも持っているので、様々な比較検証をしたいところですが、実用面での結論だけ言ってしまいましょう。この性能差を劇的に体感できたシーンは特にありません。 よほど重たいゲームとか動画編集とかをしなければ、あまり体感できるものではありません。
よって、基本的に違いとしてはApple Pencilが使えるか使えないか、それだけと思って良いです。
よって、Apple Pencilは別に利用しないよという方は、お求めやすくなっている第5世代iPadを購入するのもありかもしれません。整備済み製品とかでお得に新品相当のものも買えます。
どちらかというとライフサイクル的問題(アップデートの保証期間など)を気にしたほうがよいかもしれません。将来的に重いアップデートが来たときに第5世代iPadだと推奨から外れるのが速く来るのは間違いありません。
よって、長期利用前提であれば、できれば第6世代のほうを購入したほうが良いかと思いますが、大きな違いがApple Pencilしかないので、こういった選択肢もあります。
iPad Proとの違いをどう妥協するか
これまで結構割り切った書きっぷりをしてきましたが、購入に当たっては、整備済み製品まで見通すと、型落ちして若干安くなっている9.7インチiPad Proと最後に悩みました。iPad Pro 9.7インチは、第6世代iPadと異なり、純粋な性能差以外にも以下が搭載されています。
- 反射防止加工、フルラミネーション、P3、TureToneなどディスプレイがより良い
- Smart Connector搭載(Smart Keyboard、充電ドックが使える)
- 4スピーカー搭載(第6世代iPadは2スピーカー)
- 重量が若干軽い
- カメラ性能が良い
- ベゼルが若干細い
これらは、私にとって大半は妥協できるものでした。スピーカーはどうしても必要な場合はBluetoothスピーカーを利用すれば良いし、iPadで写真を撮ったりしないため過度な性能は不要。ベゼルは細くなっているとはいえ、ベゼルレスっていうほどでもなく驚くべき違いでもない。
しかし、ディスプレイとキーボードはやや不安でした。
ディスプレイは保護シートの活用でカバー
ディスプレイの違いの中でも、特に反射防止加工がされているところは大きかったです。映り込みは照明などが重なったりすると、かなり視認性を妨げる要素。
これは、シンプルに反射防止加工の保護シートを貼ることで解決しました。ちなみに私が利用しているのは、Apple Pencilの利用を考え、ペーパーライクフィルムという、表面にザラザラとした特殊加工が施されたフィルムを使用しています。
これが、反射防止も兼ねており、フルラミネーションのない第6世代iPadの書き心地の悪さ(書くときのコツコツとした音や滑り)を軽減してくれたりもします。
キーボードは純正のMagic Keyboardを利用した方がむしろ良い
第6世代iPadのもう一つの欠点は、Smart Keyboardが使えないことです。これのメリットは大きく2つあります。
- iPad Proとセットで考えたときの本体重量が軽い(一体型として利用できるキーボードの中では圧倒的に最軽量)
- JISキーボードが使える
特に2番目のJISキーボードが使えるのが大きなメリット。実はiPad専用のサードパーティ製のものってほとんどUSキーボードが多いんです。
私は仕事で利用しているPCがJISのものしか利用できないため、タイピングのしやすさでJISキーボードは必須でした。
で、これに代替できるものはなんだろうと考えていたときにふと目にしたのが、普段Macで利用していたMagic Keyboard。その時瞬間的に思ったんです。あ、これでいいじゃん。と。笑
むしろなんで気が付かなかったのか。。。これまで第5世代iPadでLogicoolのiK1052という製品を利用していたので思考停止していたのかもしれません笑
Magic Keyboardであれば、フルピッチのJISキーボードが使えるし、持ち運びにも軽い(Smart Keyboardとほとんど変わらない220g)ので、ここまでSmart Keyboardとほとんど変わりはない。
ただ、Smart Keyboardのように一体として持ち運べないという欠点があったのですが、これはむしろバラバラに持ったほうがスタンドを柔軟に選べ、角度・高さ調節ができるので良いという結論になり、もう第6世代iPadで問題ないやということになりました。
実際利用してみても、第6世代iPad×Magic Keyboardはチャタリングなどもなく、全く違和感なく使えますし、スタンドも選べるのでいい感じです。
▲家で場所を変えて利用したいときには、このスタンドを使っています。高さを上げられ、角度調節も可能なので首も疲れにくくおすすめです。以下にリンク貼っておきます。
▲カフェに持ち運んで利用する際には、持ち物を減らしたいので、純正Smart Coverをスタンドに利用しています。
おわりに
今回は第6世代iPadのレビューというよりも、何故コレを選んだのかという視点が多くなりましたが、iPadはもうほとんどタブレットとして完成されていて、廉価版とは言え全く不自由なく利用することができます。
総じて言いたかったのは、私のようにiPad Proを購入するほどでもないが、タブレットとして手書きはある程度満足にできるようにしておきたいという方にはベストなチョイスといえるでしょう。このApple Pencil対応を以てで、ようやく無印iPadが完成されたといっても過言ではない感じ。
もちろんとりあえずiPadが欲しいという入門用の一台してもベストな選択肢の一つです。よほどこだわりのある方やプロ仕様を求める方でない限り、多くの方におすすめできる、ちょうどいいiPadと言えそうです。