TP-Link Kasa KC 100を利用して3ヶ月程度経ちましたのでレビューします。
ネットワークカメラはこれまで色々利用してきたのですが、個人的な検討ポイントの一つである、スマートディスプレイと連携させられる製品となると、選択肢が限られていました。
ところが2019年6月に発売となったこの製品は、音声アシスタント等の外部連携性が十分であることに加え、ネットワークカメラとして欲しい機能を必要十分にそろえ、かつ価格が安いという点にひかれ、導入しました。
実際に利用してみても、かなり使いやすく、まさにネットワークカメラの決定版の一つとしておすすめできるものでしたので、レビューを通じて製品の特徴をご紹介します。
もくじ
Kasa KC 100とは?
Wi-Fiルーターで有名な、TP-Link社が発売している音声アシスタント対応のネットワークカメラです。インターネットに接続できることにより、以下のことが低コストで可能です。
- 外出先からスマホアプリで室内のライブ映像の確認
- スマートディスプレイからの音声操作
- クラウドへの映像保存
特にKasa KC 100は音声アシスタントに対応しており、スマートディスプレイから映像を確認可能なのが大きな特徴。これに対応しているネットワークカメラは他にArloというものがあるのですが、お値段はKC100の倍以上かかります。
そんな中で、KC100はトレンドを取り入れつつ、ネットワークカメラとして必要十分な性能・機能を備えつつ価格が安いのが大きな特徴です。
ちなみに同TP-Link社のラインナップには上位モデルの「KC120」というものがありますが、これの違いは主に「外観」と「802.11ac(5GHz)対応の有無」「クラウドサービスの無償プランのメニュー」が異なる部分です。
このうちクラウドサービスのメニューは分かりづらいので、以下の表にまとめます。
KC100
プレミアムプラン (30日間試用可能) | プラスプラン | 無償プラン (最大二年間) |
---|---|---|
月800円;年8,000円/台(税抜) | 月500円;年5,000円/台(税抜) | 無償* |
最大30日間の映像が保存 | 最大14日間の映像が保存 | 最大12時間の映像が保存 |
30GBメモリ容量が使用可能 | 14GBメモリ容量が使用可能 | 200MBメモリ容量が使用可能 |
128時間の1080pビデオが保存可能 | 60時間の1080pビデオが保存可能 | 0.8時間の1080pビデオが保存可能 |
KC120
プレミアムプラン (30日間試用可能) | プラスプラン | 無償プラン (最大二年間) |
---|---|---|
月800円;年8,000円/台(税抜) | 月500円;年5,000円/台(税抜) | 無償* |
最大30日間の映像が保存 | 最大14日間の映像が保存 | 最大2日間の映像が保存 |
30GBメモリ容量が使用可能 | 14GBメモリ容量が使用可能 | 1GBメモリ容量が使用可能 |
128時間の1080pビデオが保存可能 | 60時間の1080pビデオが保存可能 | 4時間の1080pビデオが保存可能 |
それ以外の差はありません。よって後述していきますが、ネットワークカメラとしてキーとなる機能は変わらないので、基本的にはイニシャルコストが安く気軽に購入できる「KC100」がおすすめです。自宅の環境や使い方によって、5GHz対応や、12時間のみ保存というのがシビアだと感じれば、「KC120」が良いと思います。
ことはじめ
まずは製品を使えるようにしていきます。
同梱品

設定
初期設定には、スマホアプリの「Kasa Smart」というものを利用します。ストアからダウンロードして初期登録をしてください。
基本的にはそのアプリの案内に従って進めていくだけです。
- STEP
端末の指定
「端末を追加」からカメラを選択。
- STEP
端末の電源を投入
案内に従い、端末の電源を入れ、LEDランプを確認してください。
- STEP
スマホとKC100を接続
スマホとカメラを接続(KC100本体から出るSSIDを指定)します。
- STEP
自宅のWi-FiをKC100に登録
最後に、Kasaカメラを接続したスマホ経由で自宅のWi-Fiに接続して完了です。これでKasaカメラをリモートで利用できるようになります。ちなみに、赤枠で囲った通り、Amazon Alexaがセットアップ済みであれば、自動的に登録されます。よって、セットで使いたい場合、先にEchoデバイスなどを登録してからの方が楽でしょう。
これで、Kasaカメラが使えるようになりました!手順も少なく楽チンです。
レビュー
私は、ハムスターハウスへの設置が購入動機でした。KC100って機能的にもこれへの利用にとても合うんですよね。

というわけで、私がどのように活用しているか語りつつ、KC100の特徴を解説していきます。

Kou
今回は、ウチのかわいいハムちゃんと共にレビューをお届けしますw
スマートディスプレイからの閲覧が最高
この製品の大きな特徴は、冒頭にも述べましたが、スマートディスプレイから映像の閲覧が可能なことです。
この点、これまでArloの専売特許みたいなところがあり、安価な選択肢がなかなかなかったんですよ。
これにより、「アレクサ、カメラを表示して」といえば、スマートディスプレイでカメラを見せてくれます。
ちなみにこのKC100はカメラの呼称を設定で変えることができるので、呼び名は自由に設定できます。私はこのカメラをハムスター専用にしているので、こんな感じで呼びかけています。

アレクサ、ハムスターを表示して
わかりました

アレクサ

画質もこの価格帯にしては中々よく1080pまで対応しており、高画質で楽しめます。画像のEcho Showでも1024×600なので、むしろオーバースペックというくらいです。画角は130度まで対応しており、公称値通り5m先の奥のカーテンまではっきり見えてますw
これは、別にハムスターハウスを覗きにいけばいいじゃんと思うかもしれませんが、部屋の中で離れた位置にいる時に結構めんどくさいんですよね。

あと、ハムスターって神経質な動物なので、人が近付くとびっくりしてしまったり、時にエサが欲しくて寄ってきたりして動きが止まってして自然な動きを見ることができないことが結構あります。
スマートディスプレイによって、ハムスターハウスからガサガサいっていたら、アレクサに話しかけて即座に観察できるようになるのがとても使い勝手がいいです。

暗視自動切り替えの使い勝手が抜群!
暗視にも対応しています。安いのに中々機能性が良いですね。
この暗視機能がハムスター観察にめちゃくちゃ重宝しています。ハムスターって夜行性の動物なので、夜暗くしてベッドに入って15分程度すると動きが活発になるんですよね。
その際観察しようとすると、いちいちベッドに入らなければならないので、かなりめんどくさいです。
このKC100は部屋が暗くなると照度センサーが反応して、自動的に暗視モードにしてくれます。あとはスマホなり、スマートディスプレイなどから観察するだけなので非常に楽チンです。


これがハムスター観察とめちゃくちゃ相性が良くお気に入りの機能の一つです。
スマホで遠隔地からの確認もレスポンス良し。動体・音声検知も可能
この製品はネットワークカメラということで、外出先からスマホなどで家の中の様子を確認するのにも使えます。

ちなみに、動体・音声検知にも対応しているので、動きがあったらスマホに通知がいくようになっています。そのタイミングで録画もしてくれます。

私はペットの観察に利用していますが、この機能によって、防犯用途にも役立ちますね。

ちなみに、この価格帯で音声検知にも対応しているのは中々すごいことです。例えば、他社製品のArloの場合、Arlo ProまたはArlo Qのみ対応となり比較的高額になります。
あくまで限られた選択肢の中でですが、とにかくこの製品はコスパが良いです。

クラウド保管は最低限だがダウンロードも可能なので安心
ネットワークカメラの良い点の一つが、クラウド対応ですが、この製品は12時間までのみのクラウド保管となっています。
これを拡張したい場合は、Kasa Careという有料のサービスが必要になってくるのがネック。
Arloの場合、無料でも7日間保存してくれたり、Kasa KC120の方は無料でも2日間(最大4時間)ので、ここが価格が安い所以ですね。
とはいえ、ダウンロード保存は可能なので、12時間の映像をざっとチェックして、残しておきたいものがあったら保存するという運用で十分なのではないのかなと思います。

ちなみにSDカードには対応していないので注意してください。とはいえ、SDカードでの運用は手間なので、ダウンロード機能があればこれも個人的には必要ないですが。
他のスマートホーム機器を一つのアプリでまとめて操作可能
TP-Link社は比較的多くのスマートホームデバイスを扱っており、それらもKasaアプリで利用することができます。
特にスマートプラグは有名ですね。他社に先駆けて日本仕様のものを発売したことによりスマートホーム界隈のベストセラーとなっています。
それ以外にも、スマートライトはネットワークハブが不要のタイプでこちらもオススメです。
これらを、これまで述べてきたKasaアプリに集約して管理できるというのが、メリットです。
ただ要望として、同アプリのシーン機能には対応して欲しいところですね。このKC100はシーン機能に対応していません。自動化するなら、アプリのスケジュール機能やIFTTTを使いましょう。
本体について
類似製品のArlo Qや上位機種のKC120と比べると、KC100はちょっと安っぽく値段相応感があるかなといった感じです。
ただ、以下のように、首振りの角度が大きいのがいいですね。


また、本体の発熱は結構あります。私が3ヶ月程度利用した限りでは今のところ問題は出ていませんが、後の経年劣化によりカメラが異常終了してしまったりしないかちょっと不安です。
ただこれも、3年保証がついているので、まだ安心できるポイントではあります。保証書はしっかりとっておきましょう。
おわりに
TP-Link KC100は性能・機能面で他社製品に負けず劣らずにも関わらず、価格が圧倒的に安くコスパが良いのが非常に嬉しい点。
特にスマートディスプレイとの連携して映像が確認できる製品という意味では、これまで高額製品しか選択肢がなかったので、安価な選択肢としてKC100が出てきたのは非常にありがたいポイント。
クラウドで映像をガッツリ保管したいという方には課金が必要になってくるので微妙ではありますが、まめにダウンロードすればなんとかなりますし、普通に利用する分には何の問題もないです。
音声アシスタントやIFTTTへの対応から、特にスマートホーム化におけるネットワークカメラの決定版ともいえる製品かなと思います。
2 件のコメント
Kou様 とても参考になりました!設定の説明も電気音痴の私にも理解でき安心して設定ができました。参考までにお聞きしたいのですが、アマゾンの製品レビューで2台のスマホでも外部から映像の確認ができるとの書き込みがあるのですが?「アカウントを同じにすれば同時でも見れました」という回答なのです!しかしそれは出来ませんと!というレビューもあります、私もアカウント設定を2台目のスマホで試すのですが、設定自体が出来ないのです、どちらのレビューが正しいのか分からずコメントいたしました、もし夫婦それぞれのスマホで留守中のペットの様子が確認できるととてもいいのですが?もしできるのであればその設定?をレポートしていただきたいと思いました。
Yishi 様
管理人のKouです。ご返信遅くなり失礼いたしました。
記事閲覧頂きありがとうございます!また、お役立ちになれたこと、何よりです。
頂いたご質問について実験してみましたので回答いたします。
私の環境では、同一アカウントに設定することで、スマホ2台からライブ映像を確認することができました。加えて、以下のデバイスで4台同時中継を試してみましたが、いずれも動作しました。
・Pixel 4(モバイル回線接続)
・iPhone X(Wi-Fi接続)
・iPad Pro(Wi-Fi接続)
・Echo Show 5(Wi-Fi接続)
いずれも宅内で実験していますが、Pixel 4をモバイル回線で接続していることから、外出先からでも同時中継できると存じます。
この検証結果は、見出しの「スマホで遠隔地からの確認もレスポンス良し。動体・音声検知も可能」の章に画像つきで、補足的に追記しました。
設定はアプリをダウンロードして同一のログイン(メールアドレス)・パスワードを入力しました。
※アプリを開いたときに「Kasaへおかえりなさい」の画面の最下部にある「ログイン」というテキストをタップしてそちらからログインしています。もしかしてですが、2台目のスマホを設定する際に「アカウントを作成」というボタンをタップしていませんか?その場合、ログインをすることができないので、最下部の「ログイン」をタップして次の画面で同一アカウントを入力し、入ってみてください。
その他ご不明点あれば再検証しますので、お申し付けください!