LinkJapanといえば、スマートスピーカーが日本で発売された初期の頃から、スマートホーム向けの製品を多く発売しています。
特にeRemoteシリーズは有名ですね。古くから完成度の高い製品で、私もよく買っては利用していました。
そんなLinkJapan、実は法人向けにもIoTスマートホームのプラットフォームも展開しているってご存じでした?

Kou
最近では、この方向に力を入れているようです!
先日、そのLinkJapanがプロデュースするIoTスマートホーム「デュオメゾン池袋」の内覧会に参加してきましたので、今回の記事ではその取材を中心に、LinkJapan社のIoTスマートホームについて、詳細を解説します!
もくじ
LinkJapan提供のデュオメゾン池袋を内見してきました!

LinkJapanは、2023年4月11日に、東京都豊島区にある集合住宅「デュオメゾン池袋」に、本サービスを導入したことをリリースしました。
マンションに、スマートリモコンや温湿度センサー、スマートロックが予め搭載されており、国内最先端のIoTスマートホームを利用者が導入の手間なく体験できます。
デュオメゾン池袋は、「新しい賃貸での暮らし方」がコンセプトの物件とされています。
そのため、スマートホームが随所に取り入れられており、それ以外にも暮らしをアップデートする最新の製品やサービスとも提携されていました。
居住者は、機器の購入やセットアップの手間なく、すぐにスマートホームの利便性を体験できるのが大きな特徴です。
このデュオメゾン池袋の内覧会に参加してきましたので、その体験レポを通じて、LinkJapanで実現できるスマートホームをご紹介します。
共用部
マンションに入ると、エントランスのオートロックとして、「Akuvoxスマートインターフォン」が設置されていました。

これによって、スマホアプリから、またはICカードをかざしてオートロックの解錠ができ、キーレスな生活を実現できます。

これが、デュオメゾン池袋の最大の特徴に感じました。
マンションのオートロックまでスマートホーム化されている住戸は非常に珍しく、後付けでどうにかなる部分ではありません。
スマートホーム化は、ドアノブにつけるスマートロックによって、玄関ドアのスマート化まではできるのですが、オートロックはスマート化が難しいため、マンションの場合「スマートロックにしたのに、結局オートロックの前で鍵を取り出す必要がある」ことが難点でした。
このマンションでは、その点もクリアしているので、完全キーレスの生活を実現できますね。
なお、室内のモニターホンももちろんついており、玄関のドアベルもAkuvox製で統一されています。
そのため、これでエントランスや玄関子機をみることができます。


これは、スマートフォンをモニターホンがわりにすることができ、モニターホンの前に行かなくても、応答して施錠解錠ができたり、宅配便が来た時に外出先から置き配の指示や宅配ボックス、帰宅時間を伝えたりもできるのが良い点です。

その他、スマートホームとは直接関係ないですが、入り口には電動キックボードシェア・シェアサイクルサービスのLUUPのボードが設置されていたり、ロッカーや防災備蓄の発電池や空気電池、マンホールトイレまで完備されていました。



まさに「新しい賃貸での暮らし方」が行き届いた物件と感じました。
リビング

デュオメゾン池袋は、1DKの部屋となっており、入ってみるとリビングは至って普通です。
この景観が普通というのが逆に良いですね。
後付けでスマート化すると、装置がゴテゴテとしていたり、配線が多かったりするのですが、そうならずスッキリとした空間でした。
しかし、部屋をよくみていくと、スマートホームデバイスがさりげなく設置されていました。
まずは、テーブルに見守りカメラの「eCamera 2」。これで室内中を見渡せる仕組みになっていて、防犯や室内環境の確認に役立ちます。

デュオメゾン池袋は、「ペット相談可」の物件なので、ペットの見守りに特に役立ちそうですね。
この配置は絶妙で、リビングと寝室をうまく見渡せる場所に設置されていました。

見守りカメラは、常時見られているかのような感覚で、プライバシー的には物騒にも感じる製品ですが、eCamera 2はプライバシーモードに設定することができ、映像をオフにすると同時にカメラのレンズ部分を逆方向に向けられます。

これで壁側に向けられるので、覗かれているかのような不安も起こりません。
プライバシーモードは壁側に向き、見守り時は1DKの室内全体を見渡せる場所に設置されていたことに、細かい気配りを感じました。
この設置もLinkJapanによって行われており、こういった点もLinkJapanの実績あってのことなのでしょうかね。
また、スマートホームではお馴染み、スマートスピーカーの「Amazon Echo」や、スマートリモコン「eRemote Pro」はもちろん設置されていました。

(スピーカーやレコードプレーヤーまであっておしゃれ!)

これで、エアコンなどを外出先から遠隔操作したり、声で操作できます。
テレビは設置されていませんでしたが、それを後から買った場合でも、eRemote Proでスマート化できますね。
全体的に、後付けするとごちゃごちゃしやすいスマートデバイスが、うまく室内に溶け込んでいるように感じました。
設置が面倒という以外にも、こういった配置が予め考えられていることも、スマートホームバンドルの住宅の一つの良い点ですね。
ソファなども家具家電のサブスクサービス「CLAS」と提携していたりして、おしゃれな北欧風の空間です。

スマートホームというだけではなく、最新の電化製品やおしゃれな家具が置かれていて、先進デバイスと暮らしやすさが融合された空間でした。

Kou
ワンランク上の暮らしができそうですね。うーん、これは普通に住みたいw
寝室

寝室もぱっと見では普通のベッドのみの空間なのですが、さりげなくスマート化されています。
寝室の照明は、スマートリモコンでオンオフできます。

ベッドで寝に入った後でも、ベッドから出ずに照明をオンオフできたり、Amazon Echoを使って、アラームを止めたら照明を自動でオン、みたいな仕組みづくりも可能です。

また、おしゃれな空気清浄機も置かれていました。

寝室もさりげなくスマートホーム化の良さがうまく取り入れられていて、寝に入るのが快適そう。
LinkJapanのIoTプラットフォームとは?
LinkJapanは、元々個人向け(to C)の販売が中心であり、特にスマートリモコンの「eRemoteシリーズ」は、ベストセラーに入る製品です。
その実績や強みを活かし、最近では法人向けの展開にも注力しています。
LinkJapanのIoTプラットフォームは、一般的なスマートホーム化と同様に、多くのデバイスを設置し、それらをアプリで統合管理・運用することによって、生活を便利で快適なものとします。
しかし、LinkJapanの法人向け製品は、個人が後付けでやるようなスマートホームとは別格ともいえるほど、豊富で多数の製品を揃えています。
その詳細も、併せてご紹介します。
デバイスについて
以下のデバイスにより、家電や住設のあらゆる部分をスマートホーム化できちゃいます。
自社デバイス
カテゴリ | 製品と特徴 |
---|---|
スマートリモコン | Wi-Fi対応の設置型学習リモコン。 赤外線リモコンで操作する「エアコン・テレビ・シーリングライト」 などといった既設家電を遠隔操作可能。 製品:eRemote 5、eRemote Pro。 |
スマートハブ | Zigbee製品を一括管理・ローカル連動を実現可能 エネルギー機器向けのIoTハブ、 美和ロック専用BLEハブもあり。 製品:HBZL、G2 |
照明スイッチ | ダウンライトをスマート化させる壁スイッチ。 製品:SWZ(1.2.3) |
マルチボタン | ボタンを押すだけで様々な家電を操作可能なマルチボタン 製品:4BTZ |
スマートカーテン | スマホでコントロールできる本格派電動カーテン 製品:CT-Z |
人感センサー | 人の動きを検知し、照明や家電の操作。 製品:MS-Z |
環境センサー | 遠隔でモニタリング可能な温湿度・CO2・開閉センサー。 環境データに応じた家電の自動操作も可能 製品:A-Z(温湿度)、eAir(CO2センサー)、 DS3(開閉センサー) |
スマートカメラ | スマホで手軽に映像確認できるスマートカメラ。 ホームセキュリティ・見守り向け 製品:eCamera2 |
スマート電球 | スマホやスマートスピーカーから操作可能な電球 調光・調色可能 製品:eLamp |
スマートナースコール | ワンタッチでビデオ通話できる。 スマホから呼びかけが可能 製品:eBell |
スマート加湿器 | 湿度と連携して自動制御可能なスマート加湿器。 湿度管理のみならず機器連携も可能。 製品:スマート加湿器(KEECOON) |
ドアハブ | 集合住宅のエントランスに後付けしてオートロックをスマート化。 スマホからのキーレス操作や無人内覧などにも対応 製品:ドアハブ |
代表製品といえば、eRemote 5ですね。
これ一つもっているだけで、赤外線リモコンで操作する「エアコン・テレビ・シーリングライト」といった既設家電をまるっとスマート化できます。


また、取材の際にお話をお伺いしたのですが、特にドアハブについては驚きでした。
自動ドアのハブの上につける装置で、集合住宅のオートロックをスマート化します。
新設せずに既存のエントランスに外付けする形でIoT化できるとのことで、設置はリレー接続のみで完了。LTE通信までカバーしているので、場所を選びません。

ここを後付けできる製品は見たことがなく、話を聞いてびっくりしました。
これらを、HomeLinkアプリによって、一元管理ができます。

しかも、その一番の特徴は、そのHomeLinkアプリと連携できる他社製品が非常に豊富なこと。これがLinkJapanの一番の強みです。
それら連携可能な製品は以下の通り。
製品名 | 特徴 |
---|---|
美和ロック DTRS・PiACK IIシリーズ | 玄関ドアの鍵をスマート化。 アプリでの施錠解錠や暗証番号解錠も可能。 |
ALSOK HOME ALSOK Connect Eye(IP-C730) | ライブ映像の確認・保存が可能な防犯カメラ。 人物検知や異常検知、相互通話も可能。 |
パラマウントベッド | 自動運転可能な可動式ベッド。 LinkJapanベースの専用アプリでポジション登録やタイマー操作が可能。 |
ノーリツ スマート給湯器リモコン | 給湯リモコン。 HomeLinkと連携して、自動お湯張り・保温、追い焚きなどが可能。 |
Akuvoxスマートインターフォン | 玄関用インターフォン。 HomeLinkと連携して、インターホン映像確認や解錠などが可能。 |
Rinnaiスマート給湯器リモコン | 給湯リモコン。 HomeLinkと連携して、自動お湯張り・保温、追い焚きなどが可能。 |
TOTOお掃除浴槽 | 自動清浄が可能な浴槽。 |
三和シャッター マモドアシリーズ | 窓シャッター。 シャッターの開閉やシーン設定、通知をHomeLinkと連携。 |
メディオテック ミルエコmini | エネマネ向けのハブ。 太陽光発電システムとHEMSミルエコminiをつなぐことで、 発電状況や消費電力をまとめて確認できる。 |
アイホン インターホンシステム | スマホから確認可能なフラットデザインのインターフォンシステム。 |
西川 ヘルシオン | 電位・温熱組み合わせ家庭用医療機器。 血行改善や疲労回復、頭痛を和らげるなどの効能あり。 |
アイリスオーヤマ スマート冷蔵庫 | カメラで庫内をチェックできる冷凍冷蔵庫 |
スマートホーム化に詳しい方ならわかると思うのですが、ここまで自社製品を展開し、かつ連携可能な他社製品は、LinkJapan以外に無いといっても良いレベルです。
それらも含めて住設に提供でき、統合管理できるアプリも使いやすいのが、LinkJapanの最大の強みです。
アプリ「HomeLink」について
LinkJapan製品及び関連の他社製品は、すべて「HomeLink」と呼ばれるスマホアプリで一元集約ができます。
私はこのブログに示す通り、今まで数多のスマート製品を経験してきたのですが、HomeLinkはお世辞抜きにUIが使いやすく、機能も豊富です。


特に、「スマート」と呼ばれる機器連携機能が優秀で、マクロ実行や位置情報を利用した自動操作(ジオフェンス)までカバーしています。

長くスマートホームで実績のあるLinkJapanだからこその特徴です。
LinkJapanの今後の展開について
Link Japanは、現在法人向けのスマートホームで、シェア40%を獲得しているとのことです。
最近は、個人向けというより法人向けのホームオートメーション展開に強く力を入れているように感じます。
その一番の強みは、スマートホームを構成する機器の大部分を自社で作っていること。
他のスマートホームサービスは、他社から仕入れたものや、OEMを独自のプラットフォームに載せて運用している場合が多いです。
それら機器を、他社の家電や設備を含めてアプリに集約していき、ビッグデータを活用したデータ利活用によって付加価値をつけることが、現状のゴールとのことでした。
個人的にLinkJapanのビジネス戦略でうまいなと思ったのは、すでに住宅向けに多く流通している給湯リモコンやドアホン、お風呂など、それらメーカーといち早くスマートホームの面で連携実績があるところですね。
個人向けとして、後付けで設置するタイプのスマートホームデバイスはすでにコモディティ化しつつあり、今後こういった住設に予め搭載、全体がスマート化されている住宅は増える見込みです。
LinkJapanはすでにこの領域の第一人者になりつつあることが、法人向けシェアにも製品ラインナップにも現れています。
このように、自社の機器のみならず、プラットフォーム展開をしているからこその、今後の動向については、注目に値すべき点ですね。
おわりに
今回は、LinkJapanプロデュースのデュオメゾン池袋の取材・体験レポートを交え、そのスマートホームサービスをご紹介しました。
デュオメゾン池袋、「新しい賃貸での暮らし方」というコンセプトそのままに、スマートホームが随所に取り入れられ、かつインテリア面でも充実したサービスの連携や、モビリティ製品が置いてあったりなど、利便性が高く快適な生活ができそうな物件でした。
LinkJapanは、スマートホームの流れの初期の頃から、個人向けに多くの販売実績があることが、法人向けとしても強みになっているように思いました。
大部分が自社機器で構成されていたり、HomeLinkアプリがとても使いやすいので、物件のオーナーさんはぜひ導入検討されてみてはいかがでしょうか。