LS Miniは、発表当初は他社スマートリモコンの特徴を全て網羅し、かつ価格が安い、非常にコスパの良いものとして注目されました。
出たてのころは不完全な部分も多かったですが、その後成長を続け、さらに2019年2月には第2世代も発売と、ますます進化をしています。
私も2018年7月の発売当初から利用し、第2世代も購入しましたのでレビューしていきたいと思います。
もくじ
LS Miniとは何か
LS Miniとは、スマホアプリ等からWi-Fiネットワークを経由してリモート操作できる学習リモコンです。俗にスマートリモコンと呼ばれています。
スマートリモコンはここ最近のスマートホーム市場の成長から、様々な製品が発売されていますが、その中でもLS Miniの特徴をざっと列挙します。
- Amazon Alexa・Googleアシスタント両対応
- IFTTT対応センサー内蔵(温度・照度)
- マクロ機能あり(インターバル設定)
- プリセットあり
- ルール設定が非常に豊富(タイマー・スケジュール・温度・照度・GPS)
- 関連製品との連携も可能。(セサミスマートロック・Beseeye)
- 通常価格で税込5980円
ざっと述べただけでも機能性は非常に豊富の割に、通常価格で5,980円とかなりのコスパを誇る製品。他の製品はだいたい7,000円弱、高いものだと10,000円以上するものもあるので、これは嬉しい点。
これにより、外出先から遠隔操作ができるだけでなく、流行りのスマートスピーカーから家電の音声操作は柔軟に、かつセンサーやAI機能による家電の自動制御をすることができる優れたスマートリモコンです。
さて、特徴をざっと確認したところで、まずは製品を利用できるよう初期設定をしていきます。
ことはじめ
まずは、LS Miniを使えるようにしていきましょう。
同梱品について
まずは開封した中身を整理します。


初期設定
初期設定については、以下のスマホアプリをダウンロードし、アプリの案内に沿って「アカウント作成」→「Wi-Fi設定」と進めていけば良いので非常に簡単です。
流れをざっと以下に解説します。





ここまでは特段つまづくことはなかったです。続いてLSMiniで家電操作できるようにするために自宅にある家電のリモコンをLSMini本体に登録をしていきましょう。
リモコン登録とアプリ画面
LSMiniではプリセット機能があり、主要メーカーのリモコン設定を流し込むことで登録することができます。
これがないと、リモコンのボタン一つ一つを登録していかねばならず手間なのでありがたいポイントですね。


このプリセットにないメーカーの場合、手動登録をすることができます。
ただし、このリモコン登録なのですが、他社スマートリモコンと比較し、リモコン受信できる部分が非常にシビアで、エラーが頻繁に出ます。
その上、一度失敗するとタイムアウトの時間が長く、以下のような形でしばらく待機状態となりストレスフルです。

このリモコン登録のコツとしては、以下の画像のようにリモコン受信部を向け、登録することです。これで80%くらいの成功率に持っていけました。

この点は第2世代になって改善されるかなと思いきや特に変わらずでした。
このようなIoTデバイスはこういった設定周りの部分でスムーズにできるかが重要なポイントの一つ、ましてやこれを乗り越えないと本来の目的である家電操作ができないので、ちょっと残念だなと思った点です。
機能性について
さて、LS Miniが使えるようになったところで、この製品はどのようなことができるのでしょうか。その豊富な機能性を詳解していきます。
ルール設定の自由度がかなり高い
この製品は豊富な機能が備わっていますが、とりわけ優れているのが、このルール設定です。
クイックルール設定はインターバルの追加でさらに便利に
例えばクイックルール機能では、ワンプッシュで複数家電の一括操作が可能となります。
さらに第2世代になって、インターバル設定が追加されました。これは、家電の各動作の間に待機時間を設定することが可能です。
これは特にテレビで有効です。テレビの操作はHDMI外部出力への操作や、ボリューム・チャンネルの多段階変更などの際に複数手順を取ることが多いですが、テレビの赤外線受信には一定の待機時間があるので、スマートリモコン側も単に一括設定をするだけでなく、待機時間を作ってやらねばなりません。
LS Miniのインターバル設定ではこの待機時間も作ってあげることができるので、テレビで複数ボタンを次々に実行する際でもそこまで工夫する必要なく、設定することができるのです。

このルール設定は、後述するスマートスピーカーとの連携や、IFTTTのアクションに対応していることにより、単にスマホアプリの操作だけでなく、音声操作から自動実行まで、あらゆるデバイスやWebサービスから柔軟に実行することができるのがとても良い点です。
トリガー機能はロケーションが非常に便利
トリガー設定もなかなかかなり豊富です。
LS Miniでは以下のトリガー設定に対応しています。
- 時間と曜日
- ロケーション(スマホGPSの利用)
- 照度(明るく・暗くなったら)
- 温度(◯度以上・以下になったら)
- ネットワークカメラ(本体のオン・オフ)
この中で特に試していただきたいのは、「ロケーション」です。これはスマホのGPSを参照し、外出時と帰宅時に家電を自動実行させる、ジオフェンスと呼ばれる機能です。

これを駆使することで、「エリアから出たら(外出したら)、エアコン・テレビ・照明をオフにし、かつネットワークカメラをオンにして防犯対策や家電が本当に操作されたのかを確認する」みたいなことが全て全自動でできるようになります。
もちろん帰宅時には上記の逆設定をし、外出先から帰ってくるタイミングでエアコンで部屋を温めて・冷やしておき、照明とテレビで部屋を明るい雰囲気にしておくといったことも全自動でできとても便利です。
なお、このような自動実行は、意図しない家電制御を起こしてしまう可能性がありますが、それぞれのトリガーは日時を組み合わせて利用することができるので、意図しないタイミングで自動的に実行されてしまうことをある程度回避することもできます。
上記の例として以下のようなことも実現できます。
- 「もし平日7時-10時の間で、エリアから出たら」と設定し会社から出発時のみ家電を自動実行させる
- 「もし平日20時から24時の間にエアコンの温度が18度以下だったら暖房をつける」として会社に行っている間は自動温度調節を実行させない
こんな感じで痒いところに手が届くのが非常に良いですね。
AI機能の独自性は高いがもう一歩機能性が欲しい
この製品の目玉機能の一つは、AI機能です。このAIというのは「人工知能」という意味ではなく、「Adaptive Intelligence(適応型知能)」と言われる機能です。

このAIモードは、自分の状態(服装とアクティビティ)に応じて設定切り替えをすることが可能となっています。
さてかなり画期的な機能に見えるこのAI機能、実際に利用してみた感想はどうでしょうか。
第1世代LS Miniの頃から夏・冬・春に私も試していますが、共通して良いなと思った点は、冷暖房と送風モードを交互に切り替えてくれることにより、冷やしすぎ・暖めすぎ問題を多少改善できた点です。
夏場では部屋の熱気を逃がして(扇風機的な役割をして)から冷房に入ったり、その後送風モードに切り替わって冷えすぎを避けたりすることができました。
冬場では暖房で熱くなりすぎたタイミングで送風モードに切り替わったりしてくれたので、普通に手動切り替えするより確かに便利で快適になるなと思いました。
また、正確に実測しているわけではないのですが、適宜送風モードに切り替わることによって、室外機の運転が減っているのは確かなので、省エネにも有効なのではないかなと思います。結露対策・カビ対策としてもいいですね。
一方で、個人的に感じたAI機能のここがちょっとという点は主に以下の4点。
- 送風の調整がされすぎて、冬場だと寒くなることがけっこうあった(おそらく天候の関係で)
- トンチンカンな運転モードになることがある。
- 行動の度にスマホアプリを開いて設定変更するのは普通のリモコンよりむしろ手間がかかる(スマートスピーカーで話しかけて即時切り替えができるようにしてほしい)
- エアコン以外の家電に対応していない(上記メリットだけではエアコン標準の自動運転機能とあまり変わらない)
とこんな感じで、現状ではエアコンの自動運転機能のようなもので、その謳い文句からすると実用面でのインパクトはやや低いかなと感じています。
つまりこのAI機能が真価を発揮するのは、エアコン以外の複数家電をLS Miniの単一のプラットフォームでコントロールできるようになった時と思います。
例えば照明とも連携して、時間帯:夜、「寝ている状態」という形で睡眠モードに自動調節するとか色々考えられます。アクティビティもスマートスピーカーに話しかけて即座に状態変更などできればいいですね。今後に期待しています。
スマートスピーカーからの音声操作もアップデートで進化中
LS Miniは他社のスマートリモコンと同様に声で家電操作が可能です。
私も長いこと利用していますが、リモコン探す手間を省け、ハンズフリーに家電操作ができるのが楽チンすぎて生活が変わるレベルで便利ですよ!
それぞれのデバイスごとに述べていきます。
Amazon Echo(Alexa)の場合
Amazon Echo(Alexa)ではスマートホームスキルとカスタムスキルに対応しています。
これは2019年11月のアップデートで、新しいスマートホームスキルに対応したことで、より柔軟な制御がシンプルなセリフでできるようになったため、カスタムスキルは事実上不要となりました。
かつてのスマートホームスキルはエアコンのモード変更ができなかったり、各家電がAlexaにとって標準形式でない(デバイステンプレート登録されていない)形式だったので、他のスマートリモコンに比べ制御が劣ることが欠点でした。
これが改善しており、スマートホームスキルでの操作方法を以下の表の通りまとめます。
エアコン | 電源オン/オフ 温度設定 | アレクサ、エアコンをつけて/消して アレクサ、エアコンを冷房にして アレクサ、エアコンを22度にして アレクサ、エアコンの温度を上げて/下げて アレクサ、部屋の温度を教えて |
テレビ | 電源オンオフ チャンネル指定 音量指定 入力切り替え AV機器操作 | アレクサ、テレビをつけて/消して アレクサ、テレビのチャンネルを上げて/下げて アレクサ、テレビを1チャンネルにして アレクサ、テレビの音量を上げて/下げて アレクサ、テレビの音量を5個上げて/5個下げて アレクサ、テレビをミュートにして アレクサ、テレビをHDMI 1にして アレクサ、テレビを一時停止して |
参考Amazon Alexa(アマゾンアレクサ) 操作対応範囲(さらに詳細あり)
さらに、LS Miniの他社製品と比較しての大きなメリットは、上述したアプリ側で設定の「ルール」をAlexaから呼び出すことが可能である点です。
これにより、家電の一括制御はもちろんのこと、第2世代で新しく搭載されたクイックルールのインターバル設定を含めたものまでAmazon Echoに話しかけて実行できる(ディレイ動作とかも可能)ので、かなり柔軟に操作できるのが良い点です。
ただし、細かい点なのですが、LS Miniの欠点として、エアコンが完全なAlexaの標準機能ではない(デバイステンプレート登録されていない)ため、エアコンの運転変更がスマートホームスキルでできません。この場合、カスタムスキルと併用しなければならないのがネックです。 NEW 上記のアップデートにより現在は改善されています。
Google Homeの場合
Google Homeでは、Direct ActionsとConversation Actionsに対応しています。
アクションの性質はAmazon Echoと同様で、以下のような機能となっています。こちらはDirect Actionsの設定例です。
操作 | 発話例 | 発話内容 |
---|---|---|
エアコン | 電源オン/オフ 指定の温度に設定 冷房、暖房 | OKグーグル、エアコンをつけて/消してOKグーグル、冷房をつけて/消して OKグーグル、暖房をつけて/消して OKグーグル、エアコンを27度にして OKグーグル、エアコンを冷房にして |
テレビ | 電源オン/オフ | OKグーグル、テレビをつけて/消して |
その他登録したデバイス | 電源オン/オフ | OKグーグル、〇〇(登録した名前)をつけて/消して |
ルール | 複数家電の操作 | OKグーグル、〇〇(登録したルール名)をつけて |
Google Homeでは、直感的な操作ができるDirect Actionsでは、テレビの細かい操作に対応していない(Google Assistant側がこの仕組みを持っていない)こともあり、Conversation Actionsと組み合わせて利用しましょう。
ConverSation Actions
デバイス | 操作 | 発話例 |
---|---|---|
エアコン | 電源オン/オフ | OKグーグル、リブスマートを使ってエアコンをつけて/消して |
指定の温度に設定 | OKグーグル、リブスマートを使ってエアコンを27度にして | |
運転切替(冷房、暖房、ドライ、送風、自動運転) | OKグーグル、リブスマートを使ってエアコンを冷房にして | |
テレビ | 電源オン/オフ | OKグーグル、リブスマートを使ってテレビをつけて/消して |
チャンネル アップ/ダウン | OKグーグル、リブスマートを使ってテレビのチャンネルを上げて/下げて | |
チャンネル指定 | OKグーグル、リブスマートを使ってテレビを1チャンネルにして | |
音量 アップ/ダウン | OKグーグル、リブスマートを使ってテレビの音量を大きくして/小さくして | |
音量 指定の数だけアップ/ダウン | OKグーグル、リブスマートを使ってテレビの音量を5個大きくして/小さくして | |
消音/消音解除 | OKグーグル、リブスマートを使ってテレビをミュートにして OKグーグル、リブスマートを使ってテレビのミュートを解除 |
その場合、「リブスマートを開いて」といった冗長なセリフを言わなければなりませんが、Google Homeの場合はConversations Actionsの場合でも、呼び出し方を任意のセリフに変更できる「ルーティン機能」を有していますので、これをうまく使って操作するのが良いです。
他のデバイスとも連携できる
LS Miniでは、ネットワークカメラ「Bese Eye」とも連携できます。これにより、LS Miniのアプリ上で操作することが可能となります。

LS Miniという単一のアプリで外部デバイスの操作ができるのが良いですね。上述の通りLS Miniのトリガーに組み込むこともできちゃいます。
さらに今後は大人気のスマートロック:「セサミ」にも対応しています。セサミの操作もls mini一つのアプリで可能です。
このようにLS Miniは赤外線リモコンだけでなく、その他Wi-Fiデバイス(スマートホームデバイス)の操作も可能なのです。
対応デバイスがどんどん増えていくことによって、アプリ:LiveSmartが、自宅のスマートホームを統合的に管理するものになると、単なるスマートリモコンの枠を超えた非常に便利なものとなるでしょう。
その他第2世代の進化ポイント
これから手に取る方にとってはあまり関係ない話かもしれませんが、LS Mini第2世代では以下の点が進化しています。
すでに文中で述べている機能がありますが、以下にポイントをまとめておきます。
- マクロ機能の新規追加(インターバル設定の新規追加)
- Wi-Fi接続の安定化
- ハードウエアリセット搭載
- グループ化機能の追加
私的には3番目のハードウエアリセットが搭載されたのは本当に良かったです。というのも、第1世代はこれがなかったために、アカウントの設定変更をした際に本体とアプリの紐付けが狂ってしまったのか文鎮化させてしまったので。。。笑
終わりに
LS Miniは今回のレビューで取り上げた通りまだまだ発展途上と言える部分もありますが、現状でも痒いところに手が届く機能性でコスパも抜群。おすすめのスマートリモコンの一つです。
今後、文字通り「スマートホームコントローラ」として、生活をより便利で快適な機能をさらに提供してくれることに期待ですね。