【レビュー】Nature Remo E Liteの使い方|自宅の電力をモニタリングして何ができる?

Nature Remo E Lite 実機画像

スマートリモコンで有名な、「Nature Remo」のラインナップとして、新たにエネマネ製品「Eシリーズ」が発売開始されました。

この製品は、シンプルに言うと「家中の電力をスマホで見える化できる」製品です。

家の中のコンセントのどこかにこれを取り付けることで、宅内の電力データを取ることができます。

さらに、Nature Remoの使いやすいアプリを使って、スマホからリアルタイムに電力を取れるのが大きな特徴。

今回は、「E lite」を購入し、実際に2ヶ月程度利用してみましたので、製品の使い方を中心に紹介し、その利用感についてレビューしていきます。

▲同梱品。ハブと説明書のみのシンプルな構成。
Nature Remo nano登場!

2023年7月に、新たなラインナップとして「Nature Remo nano」が発売されています!スマートホーム共通規格「Matter」にも対応しており、家電をAppleホーム(HomeKit)にも登録可能です。

Nature Remo E Lite セットアップ

Nature Remo E Liteは、スマートメーターを活用したエネルギーハブです。

▲コンセントに直接挿せるハブとなっています。
▲とってもコンパクトでコンセントに挿しても邪魔になりません。

スマートメーターとは、毎月の検診業務の自動化や、HEMSなどを通じた電力使用状況の見える化を可能とする電力量計のことです。

そのため、これを利用するにあたり、自宅で以下の2点は必須事項となります。

E Liteを使う上で事前に必要なもの
  • 自宅にスマートメーターが敷設されていること
  • Bルート申請が完了していること

どちらも無料で申し込みできます。

スマートメーター設置とBルート申請について

スマートメーターは行政主導で導入が推進されており、2024年には全世帯・全事業所に設置される予定となっています。

そのため、皆さんのご自宅も、知らずのうちにスマートメーターになっていることがほとんどと思います。

Kou

Kou

ウチも気がついたらスマートメーターになっていました。

もしスマートメーターが導入されていなくとも、契約している(または契約したい)電力会社に連絡をすれば、無料で切り替えしてもらうことが可能です。

その後、スマートメーターで計測したデータを、宅内のNature Remo E Liteに送信するための手続きとして、「Bルート申請」が必要です。

スマートメーターが計測したデータを送るためには、3つのルートというものがあります。Aルートでは「電力会社」へ、Bルートでは「家庭」へ、Cルートは「(電力会社経由)事業者」へデータを送信します。Nature Remo E Liteは、家庭で使うための装置なので、「Bルート」の申請をする必要があります。

▲「B」となっている、スマートメーターから直接データを取得するルートです。
出典:平成23年2月スマートメーター制度検討会報告書 ー スマートメーター制度検討会

この申請もまた、自宅で契約している、電力会社のWebページなどで申請すればOKです。

私の場合は、TEPCOと契約しており、こちらのWebページから手続きをしました。

申請が完了し、1週間ほどでIDとパスワード記載の書面が届きました。それを機器のセットアップで利用します。

これは、Nature Remo E Liteを購入する前から申請が可能で、これを申込したところで特段お金がかかるなどはありません。

Kou

Kou

そのため、Nature Remo E Liteを購入検討されている方は、予め申請しておくのが良いですよ!

機器のセットアップ

Nature Remo E Liteの良いところは、家庭内のどのコンセントからでも、瞬時電力(リアルタイムの電力)が取れることにあります。

そのため、上記Bルート申請が完了していたら、あとはNature Remo E Liteを自宅のどこかに挿し、アプリでセッティングするのみです。

▲まずはコンセントに設置。黄色いランプが点滅します。
▲あとは、アプリで登録します。
▲上記届いたハガキに記載のID・パスワードを入れて認証します。
▲これで登録は完了です。

これでセットアップは完了です!最初に手続きさえ済ませておけば、結構カンタン。

少し時間を置くと、アプリ上で電力データが見られるようになります。

何ができるの?

さて、Nature Remo E Liteは電力を計測できるというのが、ウリの一つです。

ただモニタリングするだけでは、正直電力会社のWebサービスとほとんど変わりません。

しかし、スマートリモコン「Nature Remo」で培ってきた技術が転用されていることにより、Nature Remo E Liteならではの良さがあります。

この使い道を見ていきましょう。

節電アラートとして使う

Nature Remo E Liteで電力測定をするメリットは、「スマホアプリ」からサクッと確認することができる点です。

Nature Remo E Liteで電力を測定(グラフ)
▲わざわざWebサイトを見に行かず、サクッとみることができます。

アプリであることの良さは、スマホに通知を流すことができる点です。

Nature Remoアプリでは、オートメーション機能で、一定の電力に達したらアラートを投げかけてくれます。

Nature Remo E Liteで電力が1000W超えたらの通知を作成
▲このようなルールを作ります。
▲実際の動作はこんな感じ。メッセージを自分の好きなように作れますよ!

通知が来たら、手動で電源を消すでも良いですし、Nature Remoを導入して、そのままスマホから家電をオフしたり、弱風にするなんて手もあります。

このように、節電のための気付きを与えてくれるのが、Nature Remo E Liteの良い点です。

Nature Remoと組み合わせて、家電操作の自動化

一番のウリは、Nature Remoと組み合わせて、電力をトリガーにした、家電操作の自動化です。

トリガーとは、「何かのきっかけ」という意味です。Nature Remo E liteでは、Nature Remoと組み合わせ、「電力」をきっかけとして「もし電力が1,000Wになったら(1,000Wをきっかけとして)、家電を操作する」といった自動制御が可能となります。

電力の推移で上記が実行されるため、アプリから手動で家電操作をしたり、もっと言うと音声操作をする必要すらなくなります。

Nature Remo E Liteで家電操作
▲電力が上がったら、家電を操作するという仕組みができます。

我が家では、これでエアコンが効きすぎないように調整しています。

Kou

Kou

エアコンは1度上げるだけで10%の節電効果があると聞き、このような仕組みを作って省エネに取り組んでます!

一般的なスマートホームのデバイスでは、これを「温度」「湿度」などを軸に家電を操作します。

Nature Remoの場合は、E liteがあるおかげで、「電力」という軸からも、家電操作ができるというのが嬉しい点です。

最近は、某ウイルスの影響で、在宅勤務の方も増えてきていることと思います。自分もその一人です。

その際に、主にエアコンが原因となり、電気代が多く取られる方もいるのではないかと感じています。

そこで、Nature Remo × Nature Remo E Liteを活用し、エアコンを一定の電力閾値の元で自動操作をしてしまえば、何も意識せずとも、電気代がオーバーすることがないというのは、嬉しい点ですね。

Nature Remoで操作した家電の稼働確認

スマートリモコンは、どんなに機能が進化しても、その仕様上リモコンの赤外線信号を飛ばす装置であるわけです。

家電に搭載しているものでないため、操作した実際の家電の稼働状況をモニタリングすることはできませんでした。(これはどのスマートリモコンでも同じです。)

しかし、Nature Remo E Liteの登場により、家庭内の電力がリアルタイムに取れるようになったことから、電力を通じて「家電の稼働状況の確認」ができるようになったのです。

外出先から電力を確認しつつ家電を消す
▲外出先で自宅の電力を計測したところ753W
テレビを消す
▲つけっぱにしてたテレビを消すと…
電力が709Wまで減少
▲電力が709Wまで減っており、これでテレビが消えたとわかる。

テレビは、トグル電源(リモコン上ON/OFFの判定がない)であるため、Nature Remoからの操作の逆転を防げるのがいいですね。

これは、スマートホームをより安全に利用するためには、非常に大きな機能と考えています。

これがあるだけで、スマートホーム化=Nature Remoシリーズが鉄板といっても、過言ではなくなりました。

API公開:自分でシステムを作る!

Nature Remo E Liteの良さは、Nature Remoも含めて、APIを公開している点にあります。

これは、私も今取り組み中なのですが、開発ができる方はこれで様々な仕組みを作れますよ!

例えば、これで簡易的なHEMSコントローラー(自宅電力のダッシュボード)を作ることも可能です。

▲自分も今コレに近いものを作ろうとしているのですが、すでに完成度の高いものを見かけたので、引用させて頂きます!

公式ブログにも、様々な使い方が乗っていますよ!

まだ、家電や装置ごとの電力を取ることは難しそうですが、このように自作できてしまうわけです。

Nature社は、このように全般的にオープンな形をとっているので、従来のHEMSのようにメーカーの囲い込みの影響を受けないのが、何よりのメリット。

Nature Remo Eであればスマートハウスも作れる!

今回は、よりとっつきやすい「Nature Remo E Lite」をメインに解説していますが、フラグシップモデルの「Nature Remo E」であれば、よりコントロールできる家庭内装置が増えます。

Nature Remo E 対応製品
  • 太陽光発電
  • 蓄電池

これらから取れるエネルギーをリアルタイムに管理(蓄電池の場合は操作も)することができます。

HEMSのイメージでいくと、分電盤に取り付ける電力測定ユニットがNature Remo Eで、それのコントローラー(有名ところではAiSEG)がスマホになっている感じですね。

これによって、家庭内電力のモニタリングができるだけでなく、Nature Remo Eで上記を制御することで、家電利用を最適化することができます。

これのメリットは、従来のHEMSのように敷居の高いものとはならず…

簡単に導入できるEシリーズ
  • 導入工事を必要としない(コンセントに挿すだけ)
  • 家電・設備をメーカー問わず利用できる(HEMS導入は多くの場合メーカーを揃える必要アリ)
  • スマホから手軽にエネマネを実現できる

このようなメリットがあるため、エネマネのための導入の敷居が下がります。

現在では、大手企業が中心となりこれらを推進しており、敷居が高いものとなっていますが、徐々にこういった汎用デバイスも増えてくることと思います。

また、「ECHONET Lite」対応機器との連携も謳われていることから、今後以下のような家電・設備も対応してくると予想します。

Nature Remo E 今後連携対応しそうな機器(予想)
  • Wi-Fi内蔵エアコン(たいていECHONET Lite準拠のため)
  • 給湯器

家庭内に、すでに蓄電池または太陽光発電を導入されている方は、Nature Remo Eを購入した方が良いと思います。

おわりに

実際に使ってみて、この製品の特に良いと感じた点は、以下の3つです。

Nature Remo E Liteの良い点
  • スマホアプリで簡単にチェックできる(アプリが使いやすい・通知がある)
  • オートメーション機能を借りて自動化できる
  • 瞬時計測のため、外出先から家電操作をする際の稼働確認に役立つ

あとは、今後のアップデートで、グラフがより詳細に見れるようになると、ありがたいですね。

特に、スマートリモコンを扱う企業で、「電力」にアプローチできている企業はほぼないので、Nature Remoとセットで購入すれば、スマートホーム化だけでなく、簡易的なエネマネも実現できる、面白い製品です。

Kou

Kou

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