Philips Hueシリーズは、古くからIoT照明として有名な製品で、2017年当時、導入した際にはその未来感と利便性から感動したのを覚えています。
そのHueも、日本では当初、「HomeKit+Siri」で利用するのが一般的でしたが、ここ最近はAmazon AlexaやGoogleアシスタントに対応して以降、ますますその存在感を高めています。
今回の記事では、Philips Hueの魅力とできることについて、レビューを通じて述べていきたいと思います。

Kou
気がついたら10個以上購入し、家中を照明をスマート化しています!
もくじ
Philips Hueとは
Philips Hueとは、スマートフォンやスマートスピーカーからインターネット経由で、照明のオンオフや調光・調光ができる製品です。
これにより、遠隔地からの操作だけでなく、音声操作を利用した照明のハンズフリー操作が可能となります。
ちなみに、Philips Hueは電球自体がWi-Fiモジュールを搭載しているというわけではなく、「Hueブリッジ」と呼ばれるネットワークハブを経由して操作することとなります。
その仕組みは、以下の図の通りです。

こんな感じで、ハブまでをインターネット、実際の電球操作は「Zigbee Light Link」と呼ばれる専用の通信規格を通じて操作されるようになっています。
なお、Philips Hueシリーズは、その歴史のふるさから、かなり多くのラインナップを有しており、部屋ややりたいことに応じて様々な選択肢がとれるのが嬉しい点。
製品画像 | ラインナップ | 特徴 |
---|---|---|
![]() | Philips Hue | 電球タイプ、1600万色調色対応 |
![]() | Philips Hue ホワイトグラデーション | 電球タイプ、調色は色温度のみ |
![]() | Philips Hue ライトリボンプラス | リボンタイプ、1600万色調色対応 |
![]() | Philips Hue Go | ポータブルタイプ、1600万色調色対応 |
![]() | Philips Hue モーションセンサー | コントロールキット(人感センサー) |
![]() | Philips Hue ディマースイッチ | コントロールキット(スイッチ) |
![]() | Philips Hue ブリッジ | ネットワークハブ (リモート操作時必須) |

Philips Hueでできること
まずは、Philips Hueの特徴を整理していきます。
スマホからの照明操作
Philips Hueはスマホから照明操作ができます。

スマホアプリは様々な設定や制御がありますが、まずは照明として基本的な「オン・オフ」「調光・調色」を見ていきましょう。
基本的には、自分のルーム(部屋のカテゴリ)を設定してHueの一括操作ができます。

もちろん、調光・調色も可能です。(ホワイトグラデーションは調光のみ)
ポイントは、シーンと呼ばれる機能で、Hueを一括で指定の色に変えることで、家の雰囲気に変えられることです。
Philips Hueは他社製品に比べ、この設定パターンが圧倒的に多いです。

これらの機能は、設定の「自宅外リモート接続」を有効にすれば外出先からも操作が可能です。

これでPhilips Hueで「照明オン・オフ」「調光・調色」が可能となり、一通り製品の良さを体験できると思います。
音声アシスタントからの操作
スマートスピーカーが出現した現在、Philips Hueのようなスマート照明で最も便利なのは、この音声アシスタントからの操作ではないでしょうか。
この音声アシスタントからの操作による最も大きなメリットは、ハンズフリー操作ができることと思います。
家事の最中に照明を変えたい場合、わざわざスイッチのところまで行かずに済む、というのがメリットですね。
それぞれの細かい特徴を見ていきましょう。
Amazon Alexaの場合
Amazon Alexaでは、「スマートホームスキル」に対応しており、オン・オフや調光・調色が自在にできます。


なお、Amazon Echoシリーズには、「スマートホームハブ」機能を搭載しているものがあります。
これは、簡単に言うと、「Hueブリッジの代わりになるネットワークハブ」です。
つまり、Hueの導入で音声操作をメインとするならば、これを導入したほうがコスパが良くなります。
ただしこれも注意点がありますので、そちらの章も参考にしてください。
Googleアシスタントの場合
Googleアシスタントは、「Direct Actions」に対応しており、「オン・オフや調光・調色」が自在にできます。
基本的には、上記アレクサと同様の使い勝手です。


Siri(HomeKit)からの操作
Philips HueはHomeKitにも対応しているスマートライトです。
ショートカットでも音声操作は可能なのですが、よりスマートホーム向けの機能やUIを提供しているHomeKitで利用するとよいでしょう。


HomePodでも操作できるだけでなく、iPhoneやiPadに話しかけるだけでも操作できるのが良いですね。
自動化(スケジュール・ジオフェンス)
Hueアプリには、様々な機能があり照明の自動操作という点でも役立ちます。
代表的な機能を以下に説明します。
スケジュール機能
これはイメージしやすいと思いますが、一定の日時で照明の調光・調色を切り替えられます。
学生やサラリーマンの方など、一定の生活リズムに応じて設定可能です。


ジオフェンス(帰宅・外出に合わせた操作)
この機能はどういうものかと、スマホのGPS(位置情報)と連動して、「家に近づいたら」「家から離れたら」をトリガーに照明のオン・オフができるというものです。
照明のスイッチを全く意識せず、オン・オフできるため、消し忘れの防止に役立つなど、かなり便利な機能です。

この機能は、他社製品では後述するIFTTTを絡めた制御が基本になるため、純正アプリの中で設定を完結できるのがメリットです。
音声アシスタント側の自動化機能
Philips Hueは、先述のように「スマートホームスキル」「Direct Actions」「HomeKit」といった、音声アシスタント側の純正のインターフェースで制御できることで、これでも自動制御が可能です。
ちなみに私は、Amazon Alexaをメインで利用しており、Hueを交えて、以下のような自動制御をしています。
他社サービスとの連携
Friends of Hueによって、他社サービスとの連携も可能です。
これも、スマートライト界隈の老舗ならでは、他社にはない様々な連携手段が存在しています。

この中で特におすすめなのは、目覚まし時計アプリのベストセラーである「Sleep Cycle Alarm Clock」との連携です。
有料課金ではありますが、眠りが浅くなったタイミングで照明を使って起こしてくれたりするので、快適な朝を実現したりすることができます。
Hue Syncによる拡張性
Hueには独自アプリとして、Hue Syncというものがあります。
これは、パソコンで視聴している音楽や映像・ゲームに連動して、照明の雰囲気をリアルタイムに変えられるという画期的なものです。
どういうものかは、以下に動画をとりましたのでご参考ください。
これも、他社のスマートライトにはない、Hueだけのものです。クラブっぽい雰囲気を取り入れたい方、照明で没入感を一層増やしたい方には最高ですよ!
IFTTT・APIによる外部連携
Hueは、さらにIFTTTというプラットフォームにも対応しています。
サービスとサービスをつなぐことによって、同IFTTT対応の他社IoT製品と連携させられるのがメリットですね。

また、HueはさらにAPIを公開しています。開発者の方にとっては非常にうれしいものとなるのではないでしょうか。
これにより、事実上無限の仕組み作りができるといっても過言ではありません。
詳細は、Qiitaに様々な事例がありますので、ご参考まで。
導入のメリデメ
さて、ここまでHueのできることを解説してきましたが、私が実際に導入〜利用してきて、Philips Hueのメリデメを端的にまとめておきます。
メリット:生活ルーティンを照明で自在に管理できる
Philips Hue導入の最大のメリットは、その様々な仕組み作りができることにより、生活のルーティンを管理することができることです。
睡眠や起床時には、タイマーやアラーム、定型アクションで照明をトリガーに爽快な目覚めを実現できます。Sleep Cycle Alarm Clockとの連携で、睡眠リズムに合わせて起床するのも良いですね。
外出・帰宅時には、ジオフェンス機能で自動的に照明をオンオフしてくれるので、スイッチ類を全く意識しなくて済みます。
普段生活しているときには、センサーを元に何かが反応したら、Hueの色を変え、促してくれます。
それ以外にも、照明を駆使して「行動を促す」なんてこともやっています。
とこのような感じで、照明によって、生活のルーティンを管理できるのが、 個人的にHueを導入して最も良かった点です。
また、単に管理という側面だけでなく、生活シーンや気分に合わせて部屋の雰囲気を自在に変えることもできます。Hue Syncを導入するのもよいですね。
デメリット:多くの選択肢が取れる現在では割高感がある
出たての頃は市場に唯一無二ともいえる製品だったPhilips Hueですが、その後スマートスピーカーが発売されて以降のムーブメントにより、多くのスマートホーム関連デバイス・ソリューションが出てきました。
特にTP-Linkのスマートライトは、同等以下の価格でブリッジなし(電球自体にWi-Fiモジュールを内蔵)という点において、強力なライバルになっていることでしょう。
また、ブリッジ有りでも単価が格安の、IKEA TRADFRIも出てきています。
それ以外にも、赤外線リモコンで操作するシーリングライトでは、スマートリモコンというその他家電含め操作できる製品も出てきています。
よって、主目的と想定される「照明の音声操作」「照明の遠隔操作」という点に着眼すると、他の製品でもできることから、現在では割高感があるという所感です。
その中で、Philips Hueの大きな特徴は、やはり「豊富なカスタマイズ性・連携性」にあり、照明を基軸に色々な操作をしたいという方におすすめですね。
なので、上記メリットの部分ではその活用によって得られた、「生活のルーティンを管理できる」という点を特徴としました。
その他導入におけるポイント
購入・設置の際に問題となりそうな点やポイントについて、気がついた範囲でまとめておきます。
HueブリッジとEcho Plus等に搭載のスマートホームハブの違い
先述の通り、Hueブリッジの代わりに、Amazon Echo Plusなどのサードパーティ性の製品を導入することができます。
「音声操作」という点に着目するならば、Echo Plusなどと組み合わせたほうが総合的には安価であり、ハブを設置するスペースや有線LANポート、手間を省けるというのがメリットです。
ただし、注意点があります。それはできることで紹介した、Hue(アプリの)純正の機能が使えないことです。
例えば、「Hue Sync」や「Hueと他のサービスとの連携」といった点です。
Philips Hueを他社製品と比較した際の大きな特徴は、先述の通りカスタマイズ性が豊富なこと。
少し安くなる・設置の手間が省かれるといった話が多いのですが、意外とこの点が述べられていないことが多いのでご注意ください。
調光・調色モデルとの違い
Hueの電球タイプは、大きく分けて以下の2つに大別されます。
調光 | 調色 | |
Hue フルカラー | 0〜806lm | 1600万色 |
Hue ホワイトグラデーション | 0〜806lm | 電球色~昼光色 |
ホワイトグラデーションは、かなり安価ですが、調色ができないことにご注意ください。
Amazonで、Echoデバイス等とセット販売されるものは「ホワイトグラデーション」タイプが大半なので、上記で掲載した仕組み作りをしてみたい!といった場合には制限事項があるので
接続がうまく行かないときは、「製造番号」で設定する
Hueを追加する際に、たまに接続がうまくいかないことがあります。
この際にうまく行きやすいのは、本体に記載の「製造番号」で設定することです。

Hueを後から増設する際などに覚えておきましょう。
他社スマートライトとの比較
スマートライトは上述の通り、現在では様々な製品があります。
こちらで特徴比較をしていますので、合わせてご参考ください。
おわりに
Philips Hueの大きな特徴は、ずばりその豊富なカスタマイズ性です。
私も2017年から使い続けていますが、特に照明のチラつきなども起こらず、快適に利用できています。
Hueを導入すれば、音声操作などによる利便性の高さから、生活のルーティンを管理する実用性、何よりその未来感を体験できる、とてもロマンのある製品です。