最近ではリモートワークの影響などで、モバイルルーター(ポケットWi-Fi)は一台持っておくと便利なグッズ。
そんな中、WiMAX2を利用できるモバイルルーター、NECの「WX06」を3ヶ月ほど利用しましたので、レビューをお届けします。
このルーターは、WiMAXを利用する際にセットでラインナップされているものです。

それまでは、WX05という機種がありましたが、2020年1月に更新され、現在の最新モデルは「WX06」となっています。
早速ですが、WX06について、W06との違いを解説しつつレビューしていきたいと思います!

メリット
- 珍しくバンドステアリング機能を搭載。使い勝手最高!
- 回線速度が安定して速い
- スマート家電でも問題なく利用可能(互換性問題が発生しなかった)
- USB-C給電、バッテリーパックを外せる
- オプションでクレードルを購入できる(有線LANポート有り、電波改善)
デメリット
- 公称値の割にバッテリー持ちはあまり良くない

管理人:Kou
W06とWX06どちらにするかで悩まれるかと思いますが、特に自宅でも利用する方は「WX06」をおすすめします!
もくじ
WX06 スペックと外観
まずは、WX06のスペックを掲載します。ここでは、W06と比較します。
項目 | WX06 | W06 |
---|---|---|
発売日 | 2020年1月30日 | 2019年1月25日 |
最大通信速度(下り) | 440Mbps | 1,237Mbps |
最大通信速度(上り) | 75Mbps | 75Mbps |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11ac/11n/11a(5GHz帯) IEEE802.11n/11g/11b(2.4GHz帯) | IEEE802.11b/g/n(2.4GHz) IEEE802.11a/n/ac(5GHz) |
連続通信時間 (ハイパフォーマンスモード) | 8時間20分 | 5時間48分 |
連続通信時間 (エコモード) | 14時間 | 10時間 |
給電タイプ | USB-C | USB-C |
同時接続台数 | 16台 | 16台 |
クレードル対応 | 〇 | ー |
サイズと重量 | 約111×62×13.3(mm)、127g | 約128×64×11.9mm、125g |

上記画像の通り、WX06の方が横幅が若干コンパクトになっています。

最近スマホやタブレットはUSB-Cタイプの充電器が主流となっているので、ケーブル統一できるのが良いですね。

WX06の良い点がこのバッテリーパックを取り外せることです。これによって、電池のヘタリをあまり気にせず利用することが出来ます。
交換用電池も3,150円でそこまで費用かからず。ポケットWi-Fiを使っていると、バッテリー絡みは気になるポイントのひとつなので、これは安心です。
さて、スペックを比較してみてパット見では、W06の方が通信速度が速く、WX06の方はバッテリー持ちが良くなっています。
この点に関しては、以下で詳細解説しますが、結論から言うと、カタログスペックの通りとは言えず、その観点ではどちらも同じくらいの性能という感じです。
外出先での利用感はどう?
さて、実際にWX06を3ヶ月ほど利用してみて、まずは外出先での利用感を製品の特徴とともにお伝えします。
回線速度の実測はW06とほぼ変わらない
上記スペックだけ見ると、W06の方が回線速度の下りが3倍以上も優れているように見えます。
ところが、様々なエリアで20回以上計測したものの、ほとんどWX06とW06の実測値は変わりませんでした。


検証結果
下り | 上り | ping値 | |
---|---|---|---|
WX06 | 25.2Mbps | 13.5Mbps | 44m/s |
W06 | 24.4Mbps | 13.9Mbps | 66m/s |
ping値が低い分、むしろWX06の方が優秀であることも。(ただこれは結果によりマチマチ)
しかも、WX06がハイパフォーマンスモードの場合は、速度がかなり速いです。


ハイスピードモードの場合
下り | 上り | ping値 | |
---|---|---|---|
WX06 ハイスピードモード | 58.7Mbps | 10.3Mbps | 38m/s |


これは、結局の所、スペックに掲載されている速度は理論値の最大のものに過ぎないため、回線事業者側の速度がボトルネックになっていると言うわけですね。
つまり、この点からW06の大きなメリットである回線速度の速さを発揮できる場面が少なく、よほど都心で利用する機会がなければ、WX06でも問題ないことがわかります。
バッテリー持ちは思ったより良くない
一方で、WX06のバッテリー持ちも計測してみましたが、何度かフル充電から利用してみても、実測値は5〜6時間程度といったところです。
今回は、リモートワークで利用する際の、バッテリー検証をしてみました。
速度モードは「Normal」で検証しています。





実測では「5時間30分」ほどでした。
リモートデスクトップ利用で常時通信が発生することによって自分が使いすぎなだけかな?と思いましたが、その後レビュー向けに全く同様の環境で検証した、「Rakuten Wi-Fi Pocket」や「FS040W」ではバッテリーが10時間前後持ったため、WX06がバッテリー消費が速いことがわかります。
W06のバッテリー実測時間はWX06と同様でした。
このようなことから、公称値では少なくとも8時間以上持ちそうなWX06ではあるものの、外出先でWX06を利用するには充電器なしには若干不安で、モバイルバッテリーが必要になってきます。
ちなみに、本製品はおまかせ一括設定という項目で、「電池持ち優先」に指定することが出来ます。
これは確かにバッテリーが10時間以上もつようになるのですが、その設定の間は下りの通信速度が1〜5Mbps程度しか出ません。

速度検証結果
下り | 上り | ping値 | |
---|---|---|---|
WX06 電池持ち優先 | 1.15Mbps | 1.39Mbps | 47m/s |
そのため、ある程度ルーター側の設定を使い分けて、ヘビーな利用をする際には「ハイパフォーマンスモード」を、それ以外は「電池もち優先」という形で設定するのが良いです。
自宅でも利用できる?クレードルもテスト
このようなポケットWi-Fiは、外出先で利用するのが基本ですが、最近某ウイルス影響で「おうち時間」が増えてきた現在、自宅の固定回線兼用で利用する方が増えていることと思います。
そんな中、自宅でも満足にWX06を利用できるのかを確認してみました。
ちなみに我が家はスマートホーム化している関係で、50台近くの「Wi-Fi家電」が常時稼働している珍しいおウチです(笑)
そのため、スマホやタブレットだけでなく、多くのWi-Fi家電をWX06につないでみましたので、その検証結果もお届けします。
2.4GHzと5GHzを同時利用できるのが最高!(バンドステアリング)
WX06の最大のメリットは、「2.4GHz」と「5GHz」のWi-Fiを同時に利用することができる点です。
これは、モバイルルーターにしては非常に珍しい機能です。
例えば、高価格帯の「FS040W」でも、2.4GHzか5GHzどちらか一方にしか設定することが出来ません。
このような場合、手動でいちいち設定切り替えしなければならずとても手間だったのですが、WX06では自動切り替えしてくれるので、とても便利。

(「個別」は5GHzのみ利用したい場合などで有効化する)
さらに、「バンドステアリング機能」により、2.4GHzと5GHzを同時に利用することも可能です。
この、バンドステアリング機能は自宅で使うにはとても便利な機能です。
ゲームやPCなど高速な通信をしたい場合は5GHzで利用でき、2.4GHzの電波しか利用できないことが多いスマート家電では自動的に2.4GHzに繋がるといった通信ができます。
2.4GHzと5GHzの性質についても以下ざっくりまとめます。
- 壁や床など障害物に強く、電波が遠くまで届きやすい
- 様々な家電や機器で採用されているため、電波が干渉しやすい
- より高速通信で利用でき、機器や家電と電波が干渉しにくい
- 壁や床など障害物に弱く、電波の範囲が狭い(直進的)
バンドステアリング機能によって、WX06側が最適な通信に自動切り替えすることより、より安定的な通信を可能とします。
特にスマート家電が2.4GHzにしか対応していない関係で、2.4GHz固定でWi-Fi運用をしていると、電子レンジを動かした時に通信が途切れることが多いので、これはとても嬉しい機能。
この機能は、W06にはありません。
この点から、自宅での利用頻度が多くなる場合は、特にWX06がおすすめです。
ゲーム機やスマート家電でも普通に使える
WX06でNintendo SwitchやPS4 Proに無線接続してオンラインゲームや動画配信サービスを視聴してみましたが、問題なく利用することができました。
自宅では、クレードルありでだいたい10Mbps〜20Mbpsほど出ていて、対戦系でもスプラトゥーンくらいのオンラインゲームなら問題ないです。
また、それ以外にも自宅にある以下のスマート家電にも接続してみましたが、いずれも問題なく動作しました。
ルーターの互換性チェック
項番 | スマート家電 | Wi-Fiルーター |
---|---|---|
1 | Fire TV Cube | ◯ |
2 | AQUOS 4K | ◯ |
3 | ニンテンドースイッチ | ◯ |
4 | PS4 Pro | ◯ |
5 | Echo Studio(片系) | ◯ |
6 | Echo Studio(片系) | ◯ |
7 | エアコン(SHARP AY-L40X2-W) | ◯ |
8 | Google Nest mini | ◯ |
9 | ホットクック | ◯ |
10 | +styleコーヒーメーカー | ◯ |
11 | Fire HD 8 Plus | ◯ |
12 | ルンバi7+ | ◯ |
13 | SHARP加湿器(KI-HS70) | ◯ |
14 | SwitchBot Hub mini | ◯ |
15 | Qrio Lock | ◯ |
16 | Dyson Pure Hot&Cool Link(HS04) | ◯ |
17 | iPhone SE | ◯ |
18 | 業務用のPC | ◯ |
19 | MacBook Pro | ◯ |
20 | +Styleのスマート電球(6個接続) | ◯ |
このようなことから、自宅でWiMAXまたはauの電波が入れば家電やゲーム機での利用は問題ないです。
接続がいまいちな方は、以下のクレードルを試してみてください。
クレードルはアンテナ感度が若干拡張される
WX06はオプションでクレードルを購入することができます。これもW06にはないメリットです。
これは単に充電台として機能するだけでなく、「有線LANポート」や「アンテナ」を搭載しています。


実際に自宅でテストしてみました。


計測結果
下り | 上り | ping値 | |
---|---|---|---|
クレードルあり | 20.2Mbps | 1.26Mbps | 48m/s |
クレードルなし | 15.1Mbps | 1.20Mbps | 38m/s |
何回か計測した所、20〜30%ほど下りの通信速度がUPしていました。(ほぼ同一の場合もある)
また、通信範囲もやや拡張されています。


上記画像の通り、若干アンテナ感度も強くなっています。
このことから、通信速度と通信範囲がやや改善されるため、クレードルはあるに越したことはない、という結論です。
加えて、有線接続できることで、オンラインゲームを安定して利用できるようになりますし、有線LANだけでしかネット接続できない家電(NasneやHueブリッジなど)でも利用することができます。
充電もしやすくなるので、自宅でも利用する際にこのクレードルはとても有効で、これがオプション選択できるだけでもWX06がおすすめです。
WX06 評判
以上は私のレビューですが、WX06が他の方にどう思われているのか気になり、評判についてもチェックしてみました。
自分も使ってみて思いましたが、WX06とW06は、それらを単純に比較すれば、カタログから読み取れる情報と実際の利用感が異なる製品だなと思いました。
あまり他所のことは言いたくないのですが、確かにスペック比較だけで判断している情報が氾濫しているので注意が必要です。
ポイントとしては「バッテリー持ち」には注意したいところですが、個人的には上記の通り外出先でも自宅でも安定的に使えていて、問題なしです。
WiMAX2はどこを選ぶ?おすすめのプロバイダーは?
最後に、ルーターを入手するにあたって、プロパイダーの話もしておきます。
WiMAXを契約できる先はいくつかありますが、一覧表にまとめておきます。
ルーター | 月額 | キャッシュバック | 総額 | 解約違約金 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
UQ WiMAX | WX06/W06/WX05/W05 | 3,880円 | ー | 93,120円 | 9,500円 (契約満了月の末日またはその翌月以外に解約の場合発生せず) | |
GMOとくとくBB | WX06/W06 | 4,263円 | 27,500円 | 73,504円 | 1〜24ヶ月:24,800円 25ヶ月目〜更新月:9,500円 | ・2ヶ月目まで月額3,609円 ・20日以内でキャンセル可能 |
Broad WiMAX | WX06/W06 | 3,411円 | ー | 80,494円 | 0ヶ月目~12ヶ月以内の解約:19,000円 13ヶ月~24ヶ月以内の解約:14,000円 25か月目以降の解約:9,500円 | ・2ヶ月目まで月額2,726円 ・更新月は37ヶ月目以降 |
BIGLOBE WiMAX 2 | WX06/W06 | 3,980円 | 15,000円 | 99,720円 | 0ヶ月目~12ヶ月以内の解約:19,000円 13ヶ月~24ヶ月以内の解約:14,000円 25ヶ月目〜47ヶ月目の解約:9,500円 | ・別途、データ端末代がかかる(19,200円割賦) |
So-net | WX06/W06 | 4,379円 | ー | 93,108円 | 0ヶ月目~12ヶ月以内の解約:19,000円 13ヶ月~24ヶ月以内の解約:14,000円 25か月〜36ヶ月の解約:9,500円 37ヶ月目以降:9,500円 | 1〜12ヶ月目まで3,380円 |
上記表以外に様々なプロバイダーはありますが、基本この5社を見ておけばOKです。
キャッシュバックを含めた総額値を見ても分かる通り、WiMAX2については「GMOとくとくBB」が一人勝ちしているような状況で、人気となっています。(私もこれを契約しています。)
そのため、基本的にはこれがおすすめですが、注意点が2つあります。
- 1ヶ月目から24ヶ月目までの解約金が24,800円もかかる。
- キャッシュバックは、開通月を含む11ヶ月後に、基本メール送付される。特典のお振込みは、お振込み先の特典のお振込みは、お振込み先の口座を指定した月の翌月末日
GMOとくとくBBを契約する場合は、この2つに気をつけてください。
想定利用期間やキャッシュバックを忘れずにもらう自信がない場合、解約金が比較的良心的なUQ WiMAXや、月額料金が安いBroad WiMAXを選ぶとよいです。
WiMAX2は、各社複雑な契約条件を出してきていますが、ご参考いただけますと幸いです!