最近は1万円台前半でも、音質や機能に優れた製品が多く発売されています。
特にAnkerのワイヤレスイヤホンは、「Soundcoreシリーズ」でTWS市場のシェアを拡大してきており、価格の割に機能の優れたものが多いです。
2022年9月に新発売された「Soundcore Space A40」も同様で、Ankerの技術がふんだんに詰め込まれており、比較的買いやすいものとなっています。
その特徴は、以下の通り。
- ミニマルデザインで耳にすっぽり収まる
- アクティブノイズキャンセリング・外音取り込みを搭載
- LDACコーデックに対応
- マルチポイントに対応
- 最大50時間の連続再生
個人的には、LDACやマルチポイントに対応していて、価格が1万円台前半というのが驚きポイント。
実際の利用感はどうか?レビューしていきます!
もくじ
本体外観と装着感
まずは、本体外観と装着感についてチェックしていきます。
本体外観
ケースはかなりコンパクトになっています。
若干細長いので、ズボンのポケットなどにも入れやすいです。


A40が細くコンパクトさがわかりやすい
にもかかわらず、最大50時間の音楽再生が可能で、イヤホン単体でも10時間もちます。
ケースの着脱は、入れるのはマグネットでくっつく感じなので入れやすいのですが、取り外す時にイヤホン本体の側面をつまむ際に滑る感じで、少し取り外しづらいかも。

なお、ケースはワイヤレス充電に対応しているのも良い点。

同価格帯でも、この辺が微妙にカットされているものもあるので、これに対応してきたのはさすが充電器のAnkerといったところ。
装着感
装着感は抜群に良いです。
イヤホン自体がかなりコンパクトになっており、特徴的なのは内側のシェルの部分です。


少し細く丸みを帯びています。
普通のワイヤレスイヤホンと異なり、この部分がやや縦長に細く、丸みがあります。
これが、耳の内部(対輪)を圧迫せず、かつ丸みを帯びた形状により、耳にスッポリと入ります。

しかも、本体が軽いので、装着感はカナル式にしては軽快です。
耳の相性にもよりますが、これまで試してきたワイヤレスイヤホンの中でも上位に入るレベルです。

(予め本体にMサイズが装着されている)
カナル式イヤホンは、このサイズが大きいと、長時間使用で耳が疲れてしまいます。
そのストレスがあまりなかったので、この点Soundcore Space A40は、かなりおすすめのイヤホンです。
なお、アプリの機能には装着テストもあり、これによってイヤーチップが合っているかどうかテストすることもできます。
音質やノイズキャンセリングの効果に関わる部分なので、最初にやっておきましょう。


音質
Soundcore Space A40の音質をチェックしてみました。
中低音強め、少し柔らかめのサウンド
Soundcore A40は、音の傾向としては中低音強めのサウンドです。
特に低音が強調されている印象で、バスドラムやベース音がズンズンと響く迫力のある音を楽しめます。
また、中音もそこそこ出る印象で、ボーカルや弦楽器系の音もはっきりと聞き取れます。
一方、高音域・解像感は少し劣る印象です。ハイハット系の音が少し聞き取りづらく、繊細さに欠けます。
柔らかめのサウンドで、Soundcore Liberty 3 Proと比べるとその傾向は顕著です。

全般的には、ロックやジャズに向いている印象ですが、ちょっとこれまでのSoundcoreシリーズとは異なる音作りに感じました。
このサウンドは、逆に言うと聴き疲れのしにくいものとも言えるのかなと。
音質の総合評価としては、以下の通りです。
音質は、2万円付近のものと比べるとそこまででもないかなーという印象ですが、これは下記に記載のイコライザーである程度調節が可能です。
また、特にAndroid機をお持ちの方は、後述のLDACコーデックの接続でかなり音質がアップするので、ぜひ試してみてください。
イコライザーで調節できる
Soundcore Space A40は、イコライザーで調節することができます。
今作は、低音が強めなので、少しこれで調節すると良いです。
個人的におすすめなのは「アコースティック」というモードで、音作りがフラットめの傾向になり、中高音域がバランス良く持ち上げられます。
他にも、聴く楽曲にはよりますが、「エレクトロ」もおすすめ。



このSoundcoreアプリがとても使いやすく、それもAnker製イヤホンの一つの良さです。
LDACで音質が一気にアップ!
この製品がすごいのは、1万円台前半にもかかわらず、LDACコーデックに対応していることです。

これは、iPhoneでは接続できる機種がなく、Androidスマホで対応している機種をお持ちの方にかなりおすすめできます。
試しに、対応しているXiaomi 11T Proに接続し、Amazon MusicのUltra HD品質の楽曲を視聴してみました。


LDAC接続にすると、全ての音が一段階持ち上げられるような感覚で、より音の密度が高まり深みを感じられるものとなります。
けっこうわかりやすく音質が変わるので、対応のAndroid機をお持ちの方であれば、LDAC対応で値段の安い本製品はぜひおすすめします。
ノイズキャンセリング
続いて、Soundcore Space A40のノイズキャンセリング機能についてチェックしていきます。
ノイズキャンセリングは周囲の騒音に応じて自動調節
Soundcore Space A40は、ノイズキャンセリングに対応しています。
このノイズキャンセリングは、Anker独自の「ウルトラノイズキャンセリング2.0」に対応しており、周囲の騒音レベルに応じてノイズキャンセリングの強さを自動で調節するといった機能を持ち合わせています。

(画像:Anker)
ノイズキャンセリングは効きすぎると、耳が詰まるような感覚にもなるので、そこまでの強さが必要ない場所で自動的にその強度を調節してくれるのは嬉しい機能ですね。
実際に電車の中で試してみましたが、電車が走り出した際にはノイズは「中」となっていましたが、速度が速くなった1分後には「強」に切り替わりました。
その分確かに、ノイズキャンセリングの強さが上がり、しっかりとノイズカットしてくれました。


また、高速バスの中でもノイズキャンセリングが「高」の状態で試してみましたが、車内に響き渡る轟音(反響音)はかき消してくれるものの、ロードノイズは少し残っていました。
ノイズキャンセリングの強さのレベルとしては、AirPods Pro 2を10段階の10とすると、A40は「7〜8」くらいの強度といった感じ。
またSoundcore Liberty 3 Proとも比較してみましたが、A40のほうがロードノイズが残る印象を持ちました。
ただこれらはA40よりも高額なノイズキャンセリングイヤホンと比較しての感想であり、普通に使う分にはきちんとノイズカットしてくれるので、問題のない性能です。
外音取り込みも搭載
続いて、外音取り込みですが、これもなかなか優秀です。
これも、環境に合わせて効き具合を調節することが可能です。
ただ、AirPods Pro 2の適応型環境音除去のように自動で切り替わるわけではなく、あくまでアプリ上で手動設定するものとなります。
これもAirPods Pro 2を10とすると、「7〜8」くらいの効き具合です。



(タッチ操作はカスタマイズ可能)
ホワイトノイズが少し乗り、機械的に集音している印象がありますが、周囲の音の確認や人との会話で利用する上でも問題ないです。
オンライン会議にも向いている
オンライン会議でもチェックしてみました。
通話品質
仕事のTEAMS会議で計10時間ほど利用してみましたが、特に聞こえにくいといったことはなく、通話品質は良好です。
同様に、こちらが発言した際も、聞き取れない・または相手方が聞き取りにくいとも言われませんでした。
また、AIノイズリダクション機能を搭載しているようで、周囲の雑音を除去してくれるようです。
そのためか、外でTEAMS会議をしているときや、歩きながら(風切りながら)会議をした時も、他のイヤホンと比べて聞き取りづらいと言われることもありませんでした。

(画像:Anker)
上記から、通話品質については問題ないです。
マルチポイントで2台の端末を同時接続できる
Soundcore Space A40は、この価格帯で周辺機能も多いにもかかわらず、マルチポイント機能にまで対応しています。
マルチポイント機能は、一度使ったらこれ無しではいられなくなるほど便利な機能。
特にテレワークの際におすすめで、例えばTEAMS会議向けにPCに接続していて、スマホに電話がかかってきたときに、接続切り替えをすることなく、イヤホン装着をしたまま、電話を受けることが可能です。


プライベートでも、スマホとタブレット端末といった組み合わせでも使えます。
僕は会社でもプライベートでも、複数のガジェットを利用しているので、このマルチポイント機能は重宝しています。
それがSoundcore Space A40のような、価格のそこそこなイヤホンにも搭載しているのが嬉しいポイント。ぜひ試してみてもらいたいです!
レビューまとめ
Soundcore Space A40は、装着感が軽快で個人的にかなり好み。
また、1万円台前半ながら周辺機能がてんこ盛りで、コスパに優れたワイヤレスイヤホンでした。
特に、LDACとマルチポイントに対応しているのはすごいですね!音楽を聴くだけでなくテレワークで利用するにも最適ではないかなと感じます。
音質については、及第点といったところですが、この柔らかめのサウンドが従来のAnkerとは異なる音作りをしてきたという印象で、装着感の良さも相まって聴き疲れのしにくいものに仕上がっていると感じました。
最後に、この製品をおすすめできる人とできない人をまとめます。
- 解像感高めの固めサウンドが好きな方
- 装着感が軽快なイヤホンをお求めの方
- マルチポイント対応のTWSをお探しの方
- LDAC対応のイヤホンが欲しい方
- 低音重視のイヤホンが好きな方
以上です!
Anker Soundcore Space A40 レビュー
Soundcore Space A40は、Ankerの1万円台前半で買えるワイヤレスイヤホン。装着感が良いのが特徴で、カナル式にしては耳へのストレスなく装着疲れが少ない。音質は低中音域強めで、やや柔らかめのサウンド。この価格で独自のウルトラノイズキャンセリング2.0のみならず、LDAC、マルチポイントにも対応しており機能性十分。コスパの良い一品!
メリット
デメリット