今年も例年通り開催されましたね!
2017年9月13日2:00〜(現地時間9月12日10:00)、Apple新製品発表会がカリフォルニア州クパティーノ、新設の「Steve Jobs Theater」で開催されました。
今年は特にiPhone10周年記念モデルである「iPhone X」が注目されていましたが、それ以外にも様々な製品が発表されていますので、キーノートの内容を雑感多めでざっと掲載していきたいと思います。
もくじ
Apple Watch Series 3

【ポイント】
- LTE通信機能搭載(SIM内蔵):音声通話可能。iPhoneなしで単独での利用用途が大幅アップ
- 性能が70%増加:レスポンス向上(特にSiri)に期待。
- 新チップ「Apple W2」搭載:通信機能の高集約・高効率化によるバッテリー持ち増加に期待
- 価格はLTE通信モデルが¥45,800〜、非対応モデルが¥36,800〜。:思ったより高くはない!
- 予約は9月15日〜。発売は9月22日〜。
以前より噂されてきましたが、最大の特徴はLTE通信に対応したことでしょう。
これによりiPhoneがない/持っているとかさばるような状況でも様々な利用ができます。
通話やメッセージ、マップなどの単独操作もさることながら、Apple Musicのストリーミング再生も単体で可能となることが非常に便利です。いちいちプレイリスト化などの作業をせずに済みます。
Apple WatchはiPhoneのように「持ち歩く」モノでなく、「身につける」モノなので、スマートフォンの基本的機能はもはや何を手に持つことなく、これだけで大体完結させられるのは大きなポイント。
特に運動時は、iPhoneを持っているとかさばるので、Apple Watchだけでスマートフォンの基本機能を実現可能なのはかなり大きい。
また、何気に大きな進化はApple WatchからSiriが話せるようになったこと。今まではこお小さい画面に文字表示しかされなかったので、ストレスが溜まっていた点の一つ。
音声操作の性能が上がったことにより、iPhoneと比較したApple Watchの欠点の一つである、ディスプレイの小ささをより補うことができそうです。
私としては次に紹介する「iPhone X」以上に発表されて嬉しかった、期待の持てる製品です。
何故なら実利用観点で言えば、iPhone 7→iPhone X以上にできることの幅が広がったと思うためです。それくらいLTE通信機能が搭載されたのは大きい。
即日予約・購入することにします。
懸念点としては、実利用時のバッテリー持ち。新チップ搭載により、これだけ性能アップがうたわれていても、実利用としては1〜2日くらいが限界かな…
と考えていたところに、バッテリーに関する公式情報がAppleから公開されていました。
これによると、日常レベルの利用用途で最大18時間、通話は1時間ほど、GPSを利用したワークアウトで最大5時間とのこと。他にも様々な条件下における実測テストの情報が掲載されていますので以下リンクを参考までに。
個人的にはLTE搭載モデルにしては頑張っているという印象ですが、今までと同じく毎日充電が基本となりそうなので、ちょっと残念かなという印象。。。
iPhone 8

【ポイント】
- 新Retina Display搭載:iPad Proと同じ「True Tone」搭載。
- プロセッサに「A11 BIONIC」搭載:A10より25%速度アップ。カメラ映像処理のISPも強化。写真がより美しく。
- サイズはiPhone7と据え置き。カラーは3色でスペースグレーが復活。
- カメラはARに最適化:60fpsでキャプチャ、各センサーが新型になり、ARトラッキングが高精度化。
- ワイヤレス充電(Qi)対応:ケーブルを差す手間が省け、発売予定のAirPowerにより他モバイル製品とのワイヤレス同時充電も可能に。
- 価格はiPhone 8が¥78,800〜、iPhone 8 Plusが¥89,800〜。
- 9月15日予約開始、9月22日発売
全般的にiPhone 7 の正統進化と言えます。
カメラ性能は新プロセッサとAR最適化により、かなり向上していそうな感じ。
ARKitはかなり注目しているので、これを操作する上での最適なデバイスとなりそうです。
また、噂されていたワイヤレス機能も搭載。充電ケーブルに差す手間が省けます。
個人的には車での利用時に車載スタンドに置く際に、ケーブル差すよりも置くだけの方が圧倒的に楽なので、これだけでもかなり欲しい機能ではあります。
カラーとしては、スペースグレイが復活したのも個人的には嬉しい。私はMacやiPadともスペースグレイが好きで色統一しているのですが、iPhone7にはそれがなかったので、「スペースグレイでの色統一」が再びできるようになったことがマニア的に嬉しいポイント。
ただ私は現在iPhone 7を利用しており、それと比較すると買い換えるほどそこまで大きな進化は見受けられないので、こちらの購入は見送り。
次に掲載する「iPhone X」より発売は早いので、キャリアの契約期間縛りとの兼ね合いや、iPhone Xの価格が予算と合わない方、いち早くiOS11(特にARKit)をフル活用したい方にはオススメできる製品です。
iPhone X

【ポイント】
- ほぼベゼルレスの5.8インチ有機ELディスプレイ:サイズ感はiPhone7より微増程度で抑えられているのがGood。
- プロセッサに「A11 BIONIC」搭載:A10より25%速度アップ。カメラ映像処理のISPも強化。写真がより美しく。
- Face ID搭載:顔認証だけでロック解除&決済可能。
- ジェスチャー操作により様々なアクションが可能:ホームボタンがなくても大丈夫そう。
- TrueDepth、デュアル光学式手ぶれ補正(OIS)機能搭載:前景をシャープに、背景を巧みに。まるで一眼のような仕上がりも。より明るく高精細な写真が撮影可能。ARとの兼ね合いは?
- バッテリー駆動時間がiPhone7より最大2時間長く。
- ワイヤレス充電(Qi)対応:ケーブルを差す手間が省け、発売予定のAirPowerにより他モバイル製品とのワイヤレス同時充電も可能に。
ついに10周年記念プレミアムモデルとなるiPhone Xが発表となりました!今回の発表では1番の目玉です。
その名称は様々な説が流れていましたが、iPhone 「X」で確定したようですね。
かなり形態を変えてきたという印象ですが、ほぼ事前の噂通りとなっており、発表を聞いてても正直目新しさはなかったです。。。
外観も同時期発表のGalaxy Note 8と比較すると、曲面ディスプレイでないこともあるのか、正面から見たときの側面ベゼルが太めに見えてしまい、ちょっと残念な印象は否めません。
他にも様々Android代表格のGalaxyシリーズに追いつけておらず、技術的には後発感がある部分が多いものの、他Apple製品との親和性から「iPhoneに搭載されることに価値がある。」という面で見ると、相当な進化を遂げています。
まずはそのディスプレイ。私は以前Galaxyシリーズを使っていた時期もありますが、有機ELは液晶に比べ、「黒色」がより美しく表現されるため、黒好きの私としては嬉しいポイント。
有機ELディスプレイでのAppleの美しいフォントも早く見てみたいものです。
加えて、今回特徴的なのが「切り込み(耳)」部分。パット見変な印象ですが、私がこれに期待しているのは、動画のフルスクリーン再生時に時刻とバッテリーを常時表示できるのではないかということ。
アスペクト比的に、切込み部分まで動画が表示されるのは考えにくいため、これは常時表示にできるんじゃないかと考えています。
特に何気なしにYouTubeの動画を見ていると、気がついたら時間を忘れ、ちょっと休憩がてら視聴するつもりが気がついたら1時間経っていたという場面や、同様に充電を忘れ、バッテリー残量少なくなっていたというシーンが多くあります。
現状は、アプリの仕様にもよりますが、フルスクリーン時に常時表示できず、スワイプしなければ見られないため、これが常時表示できるとありがたいなと思っています。
また、顔認証技術であるFace IDを搭載してくれたのは個人的には非常にありがたいです。
というのも私は手汗をかなりかくので、Touch IDでは反応しないタイミングが割りと頻繁にあります。
第2世代Touch IDでかなり改善されたのですが、顔認証はそもそも何かに触れるという作業自体発生しないので、これは便利。
精度やセキュリティ面はちょっと気になりますが、これは実際に購入してからレビューしたいと思います。
少し気になるのが、この超高性能カメラに意外とARとの兼ね合いがアピールされていないこと。iPhone 8との差別化が図れるポイントの一つだと思ったのですが、iPhone8でもAR向けに強化されていることからも、そこまで変わるものではないのでしょうか?
明らかにARを想定した構造となっているのかと思いきや、ちょっと拍子抜けしたポイントでした。
Apple TV 4K

【ポイント】
- 4K対応、HDR10、Dolby Visionサポート:超高精細の映画等が楽しめる。
- iPad Pro 10.5インチと同等のA10X Fusion搭載:前回から大幅性能増。ゲーム等にも期待。
- 値段も¥19,800〜と良心的。
Apple TVも大幅スペックアップして登場です。ついに4K HDR対応を果たしています。
それもあってか、スペックについてもかなり向上していますね。第4世代のApple A8→A10X Fusionとなっています。これにより、ゲームアプリもさらに進化を遂げそうです。
また、Siri Remoteによる音声認識精度向上にも期待が持てるのが良さそうですね。TVへの入力ってなかなかしずらく、結局iPhoneのApple TVに頼ったりするので。
なお、私は第4世代Apple TVを所持しているのですが、肝心の自宅TVが未だフルハイビジョン。TVの買い替えは今のところ検討していないため、新登場のApple TV 4Kを存分に活かせそうにありません。
また、Apple TVの主な利用用途は映画やYouTubeの閲覧、HomeKitの遠隔操作利用くらいのもので、スペック以上の高度な利用用途はないため、今回は購入しないかなぁ。
AirPower & 第2世代AirPods (2018年発表予定)

【ポイント】
- 正式発表ではなくあくまで予告
- Apple製品向けのワイヤレス(Qi)充電パッド:複数台充電可能!
- ワイヤレス充電機能搭載の第2世代AirPodsも発表される?
これはあくまで予告なのですが、新しくApple純正ワイヤレス(Qi)充電パッドも登場するとのことです。ワイヤレス対応製品が増えていっていることもあり、地味にうれしいニュース。
そして、公式発表は特になかったのですが、AirPowerの予告画像に置かれているのは、なんとAirPods。つまり、ワイヤレス充電対応のAirPodsが出てくることを示唆しています。
Apple製品の中でも、モバイル用途のiPhoneやApple Watch、AirPodsは充電機会がかなり多いため、ワイヤレス充電で手間なく一気に充電できるのはありがたいことです。
おわりに:スペシャルイベントは、Appleが「既存技術をどのように選択し、仕上げてきたのか」を楽しむための発表会となってきている。

さて、今回はAppleの2017年新製品発表会で登場したものについてその特徴をまとめていきました。個人的には満足感が多く、Apple Watch Series 3とiPhone Xはすでに購入を決意しており、予約競争に参加しようと思っています。
ただ、噂段階で精度の高い情報がすでに出回っていたということもありますが、あまり目新しいものが出ていないというのも事実としてあります。
ここ最近のテック業界の流れを見ていると、今回の発表は正統進化に留まるようなものであり、既存製品の後追い的な要素が強く、驚きや新しい発見というものがあまりありません。
Apple製品にはブランド力やデザイン、他Apple製品との親和性も含めて考えると、得体の知れない魔力があり、もはやこの新製品発表会は「Appleとしてどのように既存のものを選択し組み合わせて仕上げてきたのか」を楽しむための会として定着しつつあるなと感じました。
今回の発表には満足しつつも、かつて初代iPhoneのような、テック業界のあり方を大きく変えるようなプロダクトの登場を、再び目の当たりにしたいなと思っています。
掲載画像:Apple News Room