Beatsの最新TWS(完全ワイヤレスイヤホン)、「Beats Studio Buds」を購入しましたので、レビューをお届けします。
最近のTWSイヤホン市場の進化はめまぐるしく、その中でもイヤホン・ヘッドフォン共にAppleのAirPodsが市場を席巻する中で、関連企業のBeatsから新たに発売!
この製品は、以下の特徴があります。
- アクティブノイズキャンセリング(ANC)の搭載
- Apple Musicの空間オーディオ対応
- Apple(iOS)・Google(Android)に両対応(探す機能など)
- デュアルビームフォーミングマイクの搭載
- Siriによるコントロールが可能
- IPX4の耐汗耐水性能、USB-C給電、Class 1 Bluetooth搭載
ノイキャンにも対応して、17,800円!コスパが良さそうですね。
項目 | Beats Studio Buds |
---|---|
接続関連 | Class 1 Bluetooth ※Apple |
コーデック | SBC、AAC |
連続再生時間 | イヤーパッド:最大8時間 ケース込み:最大24時間 ※急速充電(Fast Fuelあり) |
ノイズキャンセリング | ◯ |
外音取り込み | ◯ |
探す機能 | ◯ (iOSの「探す」、Androidの「デバイスを探す」) |
防水 | IPX4 |
ワイヤレス充電 | ✕ |
充電端子 | USB-C |
サイズと重量 | ケース:高さ2.55cm×長さ:7.2cm×幅5.1cm×重量48g イヤーパッド:高さ1.5cm×長さ2.05cm×幅1.85cm×5g |
カラー | ホワイト、ブラック、Beatsレッド |
価格(税込) | 17,800円 |
BeatsのTWSは、Powerbeats Pro以来となる本製品。
コスパ観点でクオリティの高いイヤホンを出してくるという観点で、Beats好きの私は早速購入してみましたので、レビューをお届けします!

Kou
利用した感じ、iPhone・Androidともに使える、AirPods Proの廉価版と考えるとしっくりきました。

(左からBeats X・Beats Studio Buds・Beats Flex)
もくじ
外観と本体機能
Beats Studio Budsは、AirPods Proほどではないですが、比較的コンパクトな完全ワイヤレスイヤホンです。
外観と初期設定


給電はUSB-Cとなっています。BeatsはLightningケーブルで充電するタイプもありますが、より標準的なコネクタが採用されていますね。

ただし、ワイヤレス充電には対応していません。

付属品は、以下の通り。

本体を早速セットアップします。


iOSの場合、本体コントロールがOSレベルで組み込まれているのが良いです。


Androidでも設定アプリや専用のアプリからコントロール可能です。


簡単にセットアップできますが、本製品は、Beats XやFlexであったようなApple W1・H1チップを搭載していません。
この点について後述しますが、一度どれかの端末に接続すると、自動的に他のAppleデバイスとペアリングせず、それぞれ個別にペアリングが必要となります。
この点が、AirPodsやBeats Flexなどと違って欠点の一つですが、その分Androidにも対応しているので致し方なしな点ですね。
装着感について
装着感は中々良い感じです。
まず、本体がコンパクトで軽く、そこまで疲れを感じません。

また、一般的なワイヤレスイヤホンと異なり、尻すぼみでつまめるようになっていることから、耳の後方に重心が取られず、軽さを感じるとともに、装着・取り外しがしやすくなっています。

ただ、ケースから取り外す際にこのツマミのような形状は仇ともなっており、手汗があると滑ってつまめず、取り出しにくいのが若干ストレス。

カナル式なので、ノイズキャンセリングを使用しなくとも遮音性はそこそこ高いです。

WF-1000XM4の独自開発のフォームチップイヤーピースと比べると、密閉感はそこまでありませんが、それが逆に装着の疲れを生まない感じがしていて良いです。
音質について
Beatsは元々、音質に定評のあるブランドで、古くはワイヤレスヘッドフォンで市場を築いた企業です。
そのBeatsが作る完全ワイヤレスイヤホンの音質はどうでしょうか?
音質の総合評価(そこそこ)
Beats Studio Budsは独自のアコースティックプラットフォームにより、パワフルでバランスに優れたサウンドとされています。
Beatsといえば、低音域が強く高音も刺さる感じで、いわゆるドンシャリなものが多いイメージですが、本作は低音域が抑えられているように感じました。

Kou
ロックやクラムミュージックのバスドラムがズンズン来る感じもあまりしない…
AirPods Proがフラットと考えると、Beats Studio Budsは高音域が固め。シンバルの音などハッキリ聞こえます。
中音域(ボーカルなど)もそこまで主張が強くありません。
様々な楽曲を確認し、個人的に感じたのは以下のとおりです。
音質は悪くはないものの、全般的にクリアさがなく、個人的にはあまり好きな感じではありませんでした。

空間オーディオの楽曲をあさるのが楽しい
Beats Studio Budsの注目ポイントは、Apple H1チップ非搭載にも関わらず、Apple Musicの空間オーディオにも対応していることです。
実際Beats Studio Budsを利用して、Apple MusicのDolby Atmosの「常にオン」「オフ」を何度も切り替えながら試してみました。

全般的に反響音がわずかに増したり、音の発信源が左右だけでなく上下にもあって低中高音全てが持ち上がる感じ。
それらが移動しながら包みこむように広がるドルビーならではの感覚が、わずかに感じ取れました。
ドルビー対応楽曲かつメジャーどころで言うと、後期The Beatlesの楽曲「Lucy in the sky with Diamond」のサイケ感が一層増すというか、ユラユラするというか。。。
この辺の60s〜70sロックは、僕はバンドやってた頃に聞きかじった程度ですが、この辺の昔の楽曲がDolby Atmosのリマスターによって、当時のレトロな臨場感が再現されるかのような感覚が面白かったです。
このへんを、Beats Studio Budsで色々と聴きあさるのも楽しいです。(希望:Pink Floydの楽曲のドルビー対応)
ウダウダ言いましたが、空間オーディオというものはコンサートホールにいるような感覚が楽しいですね。
ただ、ダイナミック・ヘッド・トラッキングは非対応で、そもそもイヤホンであることもあり、その違いはわずかなものです。
空間オーディオを重視したい方には、AirPods MAXのようなヘッドフォンを選択されると良いです。
ノイズキャンセリング関連
前作Powerbeats Proと比較すると、ノイズキャンセリング(ANC)が搭載されたのが進化ポイントです。
その周辺機能となる、ノイズキャンセリングと外音取り込みについてチェックしました。
ノイズキャンセリングはそこそこ効く

ノイズキャンセリングは中々良い感じです。AirPods Proほどではないですが、しっかりノイズカットしてくれている印象があります。
Beats Studio Budsを装着して電車への乗車や車道付近で試してみましたが、ロードノイズをしっかりかき消してくれます。
音楽視聴の際の没入感も上がり、おすすめです。
外音取り込みはAirPods Pro並ではないが問題なし

外音取り込みも、比較的自然に感じました。
AirPods Proと比較すると、やや作られた音に感じますが、AirPods Proは他のイヤホンと比べても自然で、優秀すぎると感じるのも正直な所。
コンビニのレジでBeats Studio Budsを装着した状態で会話したり、装着した状態で家族との会話も問題なかったです。
優秀というほどでもないですが、普通に使う分には、問題なく利用できます。
接続性・応答性に関して
Beats Studio Budsの接続性・応答性についてチェックしていきます。
Apple H1による接続に対応していないことに注意
Beats Studio Budsは、Class 1 Bluetoothに対応しており、接続性は安定しています。
特に接続が途切れることもなく、電車に乗って試してみましたが、問題ありませんでした。
ただし、AirPods Proとの大きな違いは、Apple W1チップとH1チップにより、以下の2点の機能がないことです。
- 自動ペアリングに対応していない
- 自動切り替えに対応していない
特に、身の回りのデバイスをApple製品で固めている場合、この点はデメリットです。
自動切り替え非搭載により、例えばiPadやMacで動画視聴をしている時、iPhoneに電話がかかってきた場合、AirPods Proであれば自動的に切り替えがされて電話を受けることができますが、Beats Studio Budsではそのようなことはできません。
自動ペアリングに関しては、最初にそれぞれの端末とペアリングをする必要がありますが、本製品はマルチペアリングには対応しているようで、接続解除〜再接続の必要はありませんでした。
このように、Apple製品で固めている方は、AirPods Proの方がおすすめ。
AndroidやWindows PCと併用している方はBeats Studio Budsでも問題ないといえます。
ビデオ通話品質も良好
LINEのグループビデオ通話で30分ほどテストしてみましたが、相手先にも声はしっかり聞こえています。
通話中にAirPods Proと切り替えつつチェックしましたが、音ズレ(遅延)や音質が悪いと感じることはありませんでした。
そのため、オンライン会議用途で利用する方にとっても、Beats Studio Budsを選んで問題ないかと思います。
レビューまとめ
Beats Studio Budsは、価格もAirPods Proより安く、機能性も高いので、扱いやすいワイヤレスイヤホンと言えます。
Apple H1による自動ペアリングや自動切り替えには対応していませんが、身の回りのガジェットをApple製品で固めていない人にとってはそこまで影響はないです。
つまりAirPods Proより万人におすすめの製品ではあるものの、音質がそこまで良いとは感じず、音質重視なら他社の製品の方が良いかなと感じる部分も。
最後に、本製品のメリットとデメリットについてまとめます。
- iOS・Androidに両対応し、かつiOSにもそこそこ最適化されている
- ノイズキャンセリング・外音取り込み対応
- 聴き疲れしにくい
- 空間オーディオ(Dolby Atmos)に対応
Beatsブランド&値段の割に…というポイントに注目したメリットです。
- 音質はそこそこ(特に中音域、解像感)
- ワイヤレス充電に非対応
- iOSの自動切替に非対応(Apple H1未搭載)
他社製品と比較して、逆に値段の割に…と感じたポイントです。
また、AirPods Proと悩む方も多いかと思いますので、それぞれの違いについて今回評価も交え、まとめておきます。
Beats Studio BudsとAirPods Proの違い
項目 | Beats Studio Buds | AirPods Pro |
---|---|---|
音質傾向 | ややドンシャリ | フラット |
ノイズキャンセリング | ◯ | ◎ |
外音取り込み | ◯ | ◎ |
空間オーディオ(Dolby Atoms) | ◯ | ◎ |
Siri | ◯ | ◯ |
装着検知 | ✕ | ◯ |
探す機能 | ◎ | ◯ |
防水 | IPX4 | IPX4 |
充電端子 | USB-C ※急速充電対応(Fast Fuel) | Lightning ※急速充電対応(Fast Fuel) |
ワイヤレス充電 | ✕ | ◯ |
連続再生時間 ※()内はANC利用時 | イヤーパッド:最大8時間(最大5時間) ケース込み:最大24時間(最大15時間) | イヤーパッド:最大5時間(最大5時間) ケース込み:最大24時間 |
サイズ ※形状が異なるため目安として下さい | ケース:高さ2.55cm×長さ:7.2cm×幅5.1cm 重量48g イヤーパッド:以下画像参照 | ケース:高さ2.17cm×長さ6.06cm×幅4.52cm 重量45.6g イヤーパッド:以下画像参照 |
カラー | ホワイト、ブラック、Beatsレッド | ホワイト |
価格(税込) | 17,800円 | 30,580円 |
以上です!